表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

アメリカの真ん中で

 アメリカ中部 農耕地上空


『こちらフレイ!コントロール、応答せよ!』


『やあ!こちらコントロール。今日は散歩かい?仕事かい?』


『今日は散歩よ』


 陽気なコントロールと通信する


『今度デートに行かないか?』


『せっかくだけどお断りよ!子供がいるの知らないの?』


『養子じゃねぇのかよ?あんたとは違って黒髪黒瞳で、どこからどー見ても中国人じゃねーかよ!』


 残念ながら娘は日本人とドイツ人の混血だ。もちろんドイツの血は私、日本人は……ユートどっちかというとタックのほうが印象に残っている、苗字は知らない。


 彼は多くを語らなかった


 私も多くを語らなかった


 でも…


 それは必要ないことだと思う


 自分を知らせるのに言葉に通訳することはなかった


 エルロンと


 ラダーと


 エレベータと


 フラップ


 スロットル


 エアブレーキ


 空を通して伝わる


 コミュニケーションなどという


 薄っぺらいものではなかった


 彼が酔っているときに教えてくれた


 タックはcatをtとcを間違えてtacとなった、と


 楽しかった


 彼と一緒にいた時間は、楽しかった


 本当に


『…とりあえずデートに行く気はないわ』


『おいおい、女盛りの20代がそんなでいいのかよ、』


『ははは、突っ込まれたくなきゃ黙ってることよ。201で進入するわ』


『どーぞ』


 進入


 着陸


 あまりにもあっさり着陸できて我ながらビックリ。もう目を瞑ったってできるだろう。


 わが娘はもう操縦できるようになっていた。


 13歳で着陸なんてふざけた事をやってのけたのだから才能がある事に違いはない


 幼少期に少し日本にいただけで日本語を使えるようになっていた。


 ここでレストランで昼飯を食べて帰ろう

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ