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浅井長政がやってきた  作者: 杉勝啓
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21世紀のトイレ事情

狭い、アパートの一室なので、部屋は居間とキッチン、風呂、それに昨日、自分たちが寝ていた部屋だけでした。そして、入ったことのない部屋とえいば、トイレだけでした。

トイレのドアノブに長政は手をかけました。どうやら、このツマミを回すと開くらしいと、昨日、葉子が玄関を開けた様子からあたりをつけた長政はドアノブを回して開けました。そこにあったのは洋式のトイレでした。

「爺、この部屋は何だ?」

「はあ、ずいぶん狭い部屋ですな」

「うむ、他の部屋も狭かったが、これほどでは」


幸いな事に便座の蓋は上がってました。何が幸いなのかは分かりませんが。

「もしかして、ここが厠か」

「他に部屋はなさそうですしな」


長政は便器を除きこみました。少し水が溜まっています。

「わしが思うにこの水が溜まっている部分に糞尿を落とすのではないかと思うのだが。どのように使うのであろうか」

「まあ、厠の使い方など似たようなものでしょう。、どれ」

そういうと直経は便器の上の、縁に登りしゃがみこみました。そのまま、直経は用をたしてしまい、さらには糞までも。

「う、爺、糞までしたな」

「これは、申し訳ござらん。で、ここには尻を拭く板がありませんな」


と、見ると気がついたのはホルダーにセットされていたトイレットペーパーでした。

「まさかと思うが、この紙で拭くのか」

「いくら、なんでも、それは贅沢では」

「しかし、他に方法はなさそうだ。仕方ない。爺、拭いてみろ」

「は、はあ」

恐る恐る、直経は、紙を、手に取ると尻を拭き始めした。

「これは、なか、、なか、」


直経が尻を拭き終えると便器の上からおりました。直経が便器から降りると同時に水が流れました。

「こ、これは、どういうからくりじゃ」

「某も何が何だか。ですが、お館様もせっぱつまっていたのでは。とにかく用をすませては?」

「それもそうだ。だが、その方はその戸の外へ出ていってくれ」

「はあ、どうしてですか?」

「恥ずかしいではないか」

「今さら、何を。お館様の襁褓を替えたこともあるのですよ」

「いいから、出ていてくれ」

「はい。はい。わかりましたよ」


直経が出てゆくと長政も直経と同じように便器の縁に足をかけ、しゃがみこみ、用を足しました。便座から降りると、また、水が勢いよく流れました。






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