ションベンがしたい
翌朝
「じゃあ、かあちゃん、仕事に行くけど、あんたも早く学校に行きなよ」
「わかったよ。ちゃんといくよ」
親子の会話を、聞いていて、長政は訪ねました。
「なんだ、野良へでも出るのか」
「違うよ。かあちゃん、あれでも働き者なんだ。昼は龍二さんとこで雑用して、夜はホステス」
「龍二?ああ、あの無礼な馴れ馴れしい男か。で、ほす、てすとは何じゃ?」
「はあ、まあ、どうでもいいけど、僕も学校に行かなくちゃいけないから。帰ってきてから話をしよう。それから昼は冷蔵庫に何かあるから勝手に食べていて、言っとくけど、冷蔵庫は引き戸じゃないからね。取手を引けば開くから」
その子供、健太は冷蔵庫を指差しました。
「う、わかった、、、」
健太がランドセルを背負って家を出ようとしたときです。
「ま、まて、その背負っているものは何だ?」
「ランドセルのこと、これに勉強道具を入れてるんだよ」
「ふむう、ちょっと見せてくれぬか?」
「いいけど、早くしてよね。学校へ行かなきゃなんないんだから」
「が、、っこう?」
がっ、、こうとは、いや、それより、そのらんどせるとかいうものが気にる。
健太にランドセルを見せてもらうと、中には勉強道具が入ってました。
うん、中はこうなっているのか、兵に背負わせて武具や食いものを入れておけば、、、
「もう、いいだろう。遅刻してしまうからね」
「ああ。分かった。時間を取らして悪かったな」
葉子と健太が出て行った後、部屋には長政と直経が残されました。
「爺、やはり、ここは我らがいた世界とは違うようだな」
「そのようですな。これは、一体」
「うむ。だが、それよりも、わしはせっぱつまっていることがあるのだが」
「なんでございましょうか」
「ションベンがしたい。できれば糞も」
「そういえば、某も」
二人は昨日から一度も排泄をしていないのです。
「あの子に厠の場所を聞こうと思ったのだが、急いでいたようだしな。これから、探すか。わしはまだ我慢できるが、爺はどうじゃ」
「まあ、某も、もう、しばらくは、、」