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第1話 第5章 ゴスロリの土下座が示すもの

暫く更新遅れてすいませんでした~ーーー!!!!!!!m(__)mm(__)m



今回は自分なりに頑張って書きました!

トラックと衝突する前に走馬灯に似たものを見た。


でも、その走馬灯の中には何一つ俺の過去が無く、代わりに流れていたのは天国を思わせる景色とそれを侵害する悪魔に似た生物。そして

黒髪をなびかせて抗う一人の少女とその死に様だった。


俺は生前一度たりともあのような景色を見た事も無い。


夢…に近かったのかもしれない。





「…っう…。ここは…?」


気味の悪い痛みを受け目を覚ました。


「俺の…部屋?…じゃないな。どこなんだ…?」


上体を起こし辺りを見回す、があまりにもこざっぱりした綺麗な部屋は、自分の部屋では無いことを告げている。


四方を白い壁に囲まれ、家具は俺が寝ているこの座敷布団しかない。


『目がさめましたか?』


急に外から、壁越しに声が聞こえた。


『あ、壁が邪魔でしたね』


戸惑う俺を差し置いて淡々と、一方的に声を掛け続ける壁の向こうの謎の人物。


ブゥン


…今目の前にあった白壁が消えた。一瞬で。


『これでやっと話が出来ますね』


壁が消えたその先に立っていたのはナンパを掛けられていた先程の少女。


「あ…えっと、君は…?」


突然過ぎて思考回路が追い付かない。

取り敢えず初対面の時みたいに名前から聞く。


『あ、申し遅れましたね。私はルル・パシューナ

といいます』


「俺は…鍵山陸。…あのさ、ここどこ?」


名前はルル・パシューナっていうのか。外人?


『ここは…えっと、トラックと衝突したのを覚えてますか?』


「あぁ、俺やっぱり死んだんだ…」


あの気味悪い感触は忘れられない。


『はい…。確かにあなたは死んでしまいました。

ここはいわゆる死後の世界です。』


少女が淡々と説明するが実感が沸かない。


「じゃあ君は俺を天国へ誘う(いざなう)天使かい?それとも地獄へ誘う死神?」


『いえ、私は生きていますのでどちらでも無いです。そんな事より…もっと大事な事があったので

あなたに会いに来ました』


急に声のトーンが低くなるルル。

死後の世界におけるルールか?それとも、より残酷な事?

危険な思考が次々と頭をよぎる。


「…それは?」


生唾を飲み、ルルがこれから言うであろう言葉に備える。


『……………』


ルルは先程まで流暢に喋っていた口を紡ぎ、

姿勢を低く、地面に手を着き頭を下げた…!?

土下座だ。


『お願いします!お師匠様を、お師匠様を助けて下さい!』


ルルは明るかった表情から一変し涙を流し、そう懇願してきた。


「お、おい!何やってんだよ!?」


当然、いきなりの土下座に俺は驚いた。女の子に土下座をされると罪悪感が…。


「と、取り敢えず落ち着いて!それからで良いから理由を教えてくれないか?」


『……はい』


俺のちょっとした大声にルルは体をビクッと揺らし落ち着きを取り戻す。


「……落ち着いた?」


『ご、ごめんなさい。お恥ずかしい所を見せて…』


ルルは自分の姿態に気付き、少し顔を赤くしている。


「えっと…理由。聞いてもいいかな?」


『はい…。それはーーー』



ルルから聞いた説明を聞くと、以下の様に要約出来る。


この空間軸と異なった空間軸に居たお師匠様もといユリア・ユノエルという少女を甦らせる為に

戦ってほしい。


と、なる。




「成る程、でも俺は死んでいるんだが?」


そう、俺は今死んでいる。戦えと言われても戦えない。


『いえ、戦って下さるなら私があなたを甦らせます』


どんな手を用いて俺を甦らすんだ?そもそも俺を甦らす事が出来るならそのユリアという少女も可能じゃないか?


「俺は出来てもユリアっていう人は出来ないのか?」


『はい、お師匠様は完全に消滅してしまったので肉体も、このように死後の世界に介入して会う事も出来ないのです』


いきなり魔法とか出てきた。いよいよこれはTVか何かのドッキリに見えてくる、が先程のルルの真剣な眼差しからそれは読み取れない。


「…つまり、死にたての人間なら誰でも良かったのか?」


『!?そんな事はありません!あなただから頼んだのです!…あ』


少し探りを入れた質問をしたがどうやらドッキリとは完全に無縁らしい。


「…冗談だよ。…ルル」


『はい…何でしょうか』


俺は声のトーンを変えずにこう告げた


「いいよ。生き返らす」


『…え?』


ルルはきょとんとした表情を浮かべたまま、固まってしまった。


「ルルが土下座や、そこまで熱くかさなる程信頼を寄せている人間。興味が沸いたよ」


『えっと、つまり。その…』


「あぁ、ユリア・ユノエルを甦らそう」


『い、いいんですか?戦うといっても何時死ぬか分からないし戦うのは人間とは掛け離れた存在の魔獣ですよ?』


懇願した本人が何を言うか。とにかく、何を言われても俺の意志が曲がることはない。

その事をルルに伝えるとルルは泣き出した。


『あ、ありがとう…ございます。…これで…お師匠様が…助か…る』


何回も、何回もその事を言っている。俺はその間ずっとルルの背中をさすっていた。


大人びた言葉遣いとは違う、容姿に似合った行動は守ってあけたくなる。


ある言葉を聞かなかったら。



『あなたが生き返る時に女になりますけど…

頑張って下さいね…?』


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