第1話 第3章 俺は厨二病じゃない
はい、前回の続きですね!
この話から短くなってしまうんですが…
進行遅えよバカ!
とか思わないで!
時間が足りないのよ!
朝の寸劇を終えて一時間目の数学を受けているところだ。
「ふわぁ~あ」
朝の夢のせいで十分な睡眠が取れず眠い。
数学教師『鬼の青島』の授業でさえ欠伸が出てしまう。
…。やばい目が合った。
取り敢えずノートを取るふりをしよう。
よしっ、難を逃れた。鬼の青島は再び説明を始める。
しかし、あの夢が本当に気になる。
妙にリアルな感触は自分が体験した事の無いものだった。
「(ま、考えても仕方ないか。今は授業に集中するか)」
そう考えた瞬間――
『お師匠様』
聞き慣れない声が聞こえた。
「(?何だ今の声)」
前か横か後ろか、どこから聞こえたのか分からない。俺だけに聞こえたのか全員に聞こえたのかも。
不思議に思い後ろの席の椿に聞いた
「椿、何か言ったか?」
「ん?なにも。…って、前!」
椿に聞いたが急に前!前!とか言ってきた。
何を考えているのか分からん。
仕方なしに前を向いた。
「…俺の授業で後ろを向くとはいい度胸してるじゃないか」
血管ブチブチの青島が腕を組んで仁王立ちをしていた。
「やあ先生、どうしましたか?」
この気まずい空気を変える為に精一杯の笑顔で
応える。
「素晴らしい笑顔だな、面接だったら好感度MAX だぞ。罰としてこの問題を解け」
ちくしょう、何が罰としてだ。その問題は国立大の入試問題じゃないですか。
「はぁ…。X =6、Y=4です」
まぁハイスペックの俺からすればこんな問題どうとも思わないがな。
見てみろ、あの悔しそうな青島の表情。
ぐぬぬ~。って、感じだ。
すらすらと問題を答えた俺に椿が
「ははは、流石だな~」
へらへらと言ってきたので再度デコピンを喰らわせた。
その後の授業では、あの声が聞こえる事は無かった。
その事以外だと何時もの風景と変わらない。
ほとんどの授業で椿が寝て、怒られて。
昼休みは屋上で過ごすのが日課。椿とセットだがな。
椿は焼そばパンをウマウマと食う横で俺は朝作った弁当をオープン。
…おい椿、何だその顔。この弁当はやらんぞ!
「お前また弁当の中身麻婆豆腐かよ!」
確かに俺の今日の弁当の中身は麻婆豆腐だが
そんなに驚く事か?
「はぁ…麻婆豆腐ウマ」
椿は焼そばパン、俺は麻婆豆腐。高校でこんな光景を見るのは貴重だぞ。
ここでふと思い出したように椿が
「そういや数学の時どうしたんだ?」
あぁ、声の事か
「いや、何でもない。忘れてくれ」
正直、俺だけ聞こえてた。となると気味が悪い
「何だよ~、教えろよ~」
…こういう時の椿は意固地だ。このままだと平行状態が続くので諦める。
「信じなくてもいいけどさ、声が聞こえたんだよ
。『お師匠様』って」
「…ぷっ、あーはっはっは。何だよお師匠様って。お前最近そういうのに凝ってるのか?」
大笑いされたよ。あぁ、ムカつくな…。
「よし、ちょっと頬だせ」
「え?ちょ、待って!…ぎゃあぁぁ!」
この日二回目のビンタを喰らった椿は今よりもっとアホになっただろう。