第2話 第15章 思ってたのと何か違う
時間が!時間が足りないのですよ!
ぎぶ みー 時間~~~!
『ゴアアァァァアア!!』
「……えぇ!?」
ルカは言っていた。
『魔獣はドラ○エと同じで最初は弱いですよ』
と。
しかし何なんだ、今地中から出てきた魔獣の容姿がとてもグロテスク何ですけど!?
ドラ○エベースだから、てっきり初期モンスターはスライムみたいな可愛らしい敵が出てくると思っていた。
でも実際は……
『コオォォオオ』
ギリギリ人の形を模した生物の右手がハサミで、左手は物凄い鋭い爪が生えていて…
足の部分がサソリ並の数有って。
……凄い恐いです……。
「さぁ、柊さん。戦いましょう」
そんな心理状態の私を放置して事を進めるルカ。
あの…不安大何ですけど…。
「……は!」
……!?な、何も無い空間から杖出した。
「……スゥ……。ゲーム、スタートです!」
一呼吸置いた後、杖を構え…
「焔!」
呪文を唱えた。
ボオッ!
と、杖の先端からバスケットボール程の火の玉が飛び出した。
『ゴグァ!?』
ナイスショット。見事に魔獣の頭部に当たる。
凄いなぁ…。魔法使えるって。
羨ましくなってきた。
……
「ひ、柊さん!?何ボーとしてるんですか!
貴女も手伝ってくださいよ!」
「…あ!?ご、ごめん忘れてた」
危ない…もう少しで寝るところだった…。
というか寝れるのか?この空間で。
「柊さんの武器も空間から呼び出せます!心の中でイメージしてください!」
「わ、わかった!」
イメージしろ…イメージ。
…武器…何が良いかな?ルカみたいに魔法を使える杖?それともここからでも攻撃出来る銃?
それとも――
「速くしろや!この唐変木!」
「ひゃぅ!そ、そんなに怒らなくても…」
「言い訳は後にしろや!魔法ってソロは不利なんだよ!」
うぅ…怒られたぁ……。
もう何でも良いよね…。
やっぱり、生前からの得意分野でその感触が未だに残っている物といえば……
……トクン……トクン……………カッ!
「……ふぅ………。しっくりくるなぁ」
剣だよね。
剣道の竹刀や薙刀の様に木製でなく、剣先まできらびやかに輝く翡翠色の剣。
「おっとと、感傷に浸ってる場合じゃないよね。
ルカの助太刀に行かないと」
現れた剣に軽く看取れてしまったが、直ぐに正気になり、魔獣と戦っているルカの元へ。
「やぁ!」
『ガアァァア!!』
来た時から既に荒れていた地面は、ルカの属性魔法と魔獣の鉄槌によりさらに酷い状態だった。
焔で焦がされた枯れ木だったもの。
氷で凍結された瓦礫。
雷で開けられたクレーター。
……私この戦いに必要なのかな?
「で、でも…一応戦った方が良いよね…」
奇妙な色の弾幕、図太い四肢が飛び交う戦地に取り敢えず突っ込んだ。
そして…
「でりゃぁ!」
はい、初振り入りました!
さてさて、記念すべき第1発目は
『グオォォオオ!?』
魔獣のハサミを有する右手を切り落とした。
「やるじゃないですか。流石柊さんです!」
さっきまで叱り顔だったルカから笑みが溢れる。
「この剣…切れ味凄い…」
そんな細かい事より、翡翠色の剣に驚く私は随分タフなんだなぁ…。
「さぁ、このままとどめを差しましょう!」
「うん♪」
今のたった一振りで自信が付いた。
その後も、見事なルカとのチームワークで魔獣の生気を剥ぎ取っていった。
ルカの弾幕が着弾し、怯んだところで私が剣を振るい切り刻む。
ずっと私達のターンだった。
『ゴオォ…オォオ……』
ドサッ…………………
両腕、足4本を失った時に魔獣は地に伏した。
「お疲れ様でした。初戦にしては中々でしたよ?」
「ルカもお疲れ様。戦い方が分かったかも」
「それは何よりです。でも……次からはしっかりと武器を出してくださいね?」
「うっ……善処します…」
「お願いしますよ。…では帰りましょう!元の空間に」
イジワルな表情をからりと変え、明るくそう言った。
「うん♪帰ろう」
目を瞑り、次に目を覚ましたら見覚えのあるベッドの上で仰向けになっていた。




