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第2話 第14章 出たな怪物ぅ~

『魔獣と戦ってお師匠様を生き返らせて』


ルカから出された私が生き返る"条件"


渋々引き受けた訳じゃない、寧ろ自分から引き受けた。しかし、腑に落ちない。


納得はしている。現に俺を私として甦らしたという事象があるから。



腑に落ちない点・それは魔獣という存在。


仮死空間内で詳しく聞いていない、しかも魔獣と言われてもパッと浮かばないものだ。


ギリギリに思い付くのは、三つ首のケロベロスや一つ目のゴブリン。

自分でも幼稚だと思っている。



そこで、なのだが。ルカが今日を含めて私と接触し初めてから一度も、その事を口にしていない。




………………


「ねぇ、ルカ?」


気になったので、隣で横になっているルカに尋ねた。(同じベッドで寝ている)


「はい、どうしました?柊さん」


私に背中を向ける形で横になっていた体を回し、こちらに向く。


「ルカが言ってた…魔獣と戦うってどうすれば良いの?」


「…やはり話して置いた方がいいですね」


少し気難しい表情をするルカ。

な、何か変な事聞いたかな…?


「柊さんが戦う魔獣何ですが…、戦うと言っても今、この場所では無いです」


「この場所じゃない?…じゃあ、どこなの?」


「柊さんになる前に居たあの空間。覚えてますか?」


勿論覚えている。


生涯一番の衝撃を受けたあの空間。

今から3日ほど前の事だが懐かしい。


「あの空間が何か関係あるんだね?」


「そうです。そこはこの空間とは異なる世界


『カラピオ』

と言います」


「カラピオ…そこに魔獣が?」


「はい。基本、ドラ○エの様にエンカウント式です。ですが遭遇するのは一度きり、倒したら終了です」


大切な人を生き返らすのに随分夢が無いなぁ…。


「…今、夢が無い。とか思いませんでしたか?」


……賢者は心理を読み取れるの?


「まぁ、どう捉えるかは任せます。ですが、カラピオでは魔獣との戦いは避けて通れませんから」


「…その…魔獣って強いの?」


「そうですね…先ほども言いましたがドラ○エが主流なので。最初は弱いですが後から強くなっていきます」


「もし…、もし死んじゃったら?」


一番聞いておきたい事。


カラピオ内での死。


「もし死んでしまったら……設定が死ぬのと同じ。つまり柊雪華が死にます」


表情を厳しくしてそう言った。



生き返らす方法は至って単純・簡単


だから死ぬ事も簡単だ。


「魔獣との戦いは不定期です。何時までも起きていては万全の態勢で臨めません。おやすみなさい」


そう言った後ゴロンと寝返りを打ち、再び背中を向ける。


「…そうだよね。おやすみ、ルル」


「ルカです。まぁ…二人の時は構いませんが…」


少しイジワルに返した。


無意識に言ってしまったが、本能的にぴりぴりした雰囲気を和らげようとしたのかも。


若干、頬が緩んでしまうがそれを気にする事無く、寝息を立て始めた。




『……て…さい。…きて…だ…い』


「……んぅ……ふにゅ…」


頭に響くように、しかし囁く様な声が聞こえる。


声を掛けられたら返事をする常識は持っているが…睡眠を害される時は別の話だと思うなぁ。


だから寝続ける。


『おき…く…さい。起きてください!』


「ぅわぁ!…ぁ…?」


だがその至極はルカの声によって、一気に解かれてしまった。むぅ……。


「やっと起きましたね」


「な、何なの?」


「もう忘れたのですか?魔獣ですよ。魔獣」


「魔獣…は忘れた訳じゃないけど…。ルカ、その格好は…?」


私を起こした声がルカだということは分かった。

しかし…目の前にいる人がルカと言われても、寝起きからしたら正直分からない。


何故なら…


「懐かしいじゃないですか。初めて鍵山陸さんと会った時の服ですよ」


あのゴスロリ服を着ていたから。


しかも少しアレンジを加えていた。


「まぁ…覚えてはいるけど。それがルカの戦闘衣なの?」


「はい。制服ですね」


あっさりと肯定。


「それに、柊さんも戦闘衣になってますよ」


「え!?……ぅわぁ!何このコスプレ!」


ルカに指摘されて初めて気付いた。

私もルカと似たような服を身に付けている。

なんだこれ…凄い恥ずかしい…。


しかも腰には身長の半分ほどある刀がささっている。


「ルカ…これが私の武器?」


「そうです。お師匠様と全く同じ型ですね」


な、なんか色んな意味で重いんだけど…。



「……今更だけど……カラピオって酷い所だね」


ルカと自分の事を気に掛け過ぎていたせいで周りの景色を理解するのが遅れた。



澄みきった美しい空とは裏腹に、錆び付いてしまった大砲、崩れ掛けた神殿らしき建物、枯渇した湖や川、そして名前すら見えないほど汚れきった墓石。


どんな戦場を探したって、似たような場所は無い。

それほど酷い有り様だ。


「ルカ……ここで魔獣と――――」


「来ます、構えてください!」


発言を止められ、叫ばれた。


すると直後…


ゴゴゴゴゴ…


『ゴアアァァァアア!!』


地面から浮き上がる様に魔獣が現れた。








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