第0話 第1章 少女と光と…?
初めての投稿です!
作者は国語力と語彙が乏しい為表現が難解な場合がございます。
アドバイスを下さいませ。
よろしくお願いいたします。
万人がこの景色を見たら「ここは天国か?」
と驚くだろう。
だがそれは違う、この場所は今私たちが住む次元とは異なる空間軸、つまりパラレルワールド。私たちが住んでいる空間軸をXその空間軸をYとしよう。Yの空間世界は中世のヨーロッパをイメージしたような景色が広がっている。神殿を中心にそれを囲むように建設された町並み、数多の草花が咲き誇るこの場所は天国と間違えても仕方がない程美しい。
Y にはXと同じように幾つもの国が点在する。
が、点在する国は光と闇、といったように
はっきりと別れていた。
光の国は天国、闇の国は地獄、これがYでの
常識。光と闇は正に油と水、国交を結ぶなんて出来る訳も無く両国は戦いを続けている。
今から光の国と闇の国を一つずつ紹介しよう、両国とも嘗ては最強にして最悪の関係を結ぶ強国だった。
ここは光の国『ルフェルティア王国』。
Yでも珍しい魔法が存在する国。他国との国交を取らないYでは各々が国風文化を形成し、互いの干渉をしなかった。そのせいもあり
貧富の差は大きく産業技術・魔法などの特殊な技たでさえ、国を跨ぐ事は無い。
ルフェルティア王国はその名の通り王が治める国。中心に神殿を基盤とした城が建っている。王の名前は『フリューナス・アーモ』、
絶対王政に類似した国の王にしては珍しく、
清らかな人物であり、王国の二大賢者の一人だ。もう一人については後々紹介する事になるだろう。
王国は光の国の中でも特に美しいとされ、
その要因は二つ。フリューナスの安定した
政治と王国誇る最強の軍隊だ。
軍隊と言っても戦闘だけに特化している訳ではなく、特攻隊・護衛隊・衛生隊と三つに分かれている。国の安泰に貢献しているのは護衛隊。ただ守だけでは無く、マルチな自衛隊と呼べるだろう。
・・・・・・・・・
「おらぁ!」
「ぐっ」
巨漢の男が振り回した訓練用の棍棒は盾を構えた相手を吹き飛ばす。ガコーンと如何にも木、といった鈍い音が響く。
「がっはっは、力勝負なら誰にも負けんぞ~。さあ次!」巨漢の男は特攻隊に所属している、見た目は文字通りの筋骨隆々。
「よし、じゃあ次は俺「私がやる~」
若い青年の挑戦を遮ったのは軍隊など似合わない甲高い声。声の主を探すと更に軍隊とは無縁の幼い少女がいた。一般人ならここで
『どうしたの、迷子?』と優しく接する所
だが、この王国では誰もそんな事はしない。
皆、少女がどういう立場か充分理解しているからだ。
「がっはっは。ユリア、今日こそお前の泣き顔を拝んでやる」
巨漢の男は笑いながらそう言うが、内心汗が止まらない。そんな事も気付かない少女は無邪気に訓練用の剣と盾を持つ。
「お、おい道を開けろ」
一人の軍兵がそう言うと人で作られた円は一箇所が開き、Cの字になる。
「よ~し、頑張るぞ~」
少女は緊張感の欠片も無い笑顔で剣を掲げる。怪我をする可能性も有るのだが少女にそれが理解出来ているのか不安だ…。
ジャアァァンと銅鑼の音が鳴り、始まりの合図。
「く、こうなったら力ずくで…」
始まって早々この男は何を焦っているのだろうか、相手は幼い少女、こっちは筋骨隆々。
普通焦るなら少女の筈なのだが。
「おりゃっ!」男は力一杯に棍棒を振り回す
「ほっ」少女はヒラリとかわす。
「でりゃっ、うおぉ!ぬらぁ!」
何回も棍棒を振り回すが全て少女ではなく
空を切る。
暫くこのやり取りをしていると
「ぜぇ…ぜぇ…」
男の体力が切れてきた。時間にして約8分、男は5キロ程ある棍棒を振り続けたのだから
仕方がないのかもしれない。一方ラッシュを避け続けた少女は…
「あははは、面白~い」
寧ろ元気だ。
「ぜぇ…ぜぇ。!今だ、スキあり」
軍兵にしては卑怯だがこれも勝つため、男はありったけの力を込め棍棒を振るうが…
「残念でした♪」
少女は今までと同じようにヒラリとかわし、
突き出た男の腕を掴む
「今度はこっちの番だよっ!」
そのまま背負い投げの形を作り、100キロある男の巨体をヒョイっと空へ投げ捨てた。
「え?……ぼはぁっ!ひほ~~」
投げられた事に気付かない男はそのまま空中を浮遊した後背面から地面に落ち、そして気絶した。
「ん~、スッキリした~」
少女は巨漢の男を投げ飛ばした優越感より
爽快感を感じている。
こんな華奢な少女が男を投げ飛ばしても誰も驚かない、寧ろ当然だと言うような言葉が発せられる。その中である決定的なフレーズが挙がった。
「流石、護衛隊長のユリアなだけあるな」
…気付いた方も居るだろう、何を隠そう彼女こそ王国最強の護衛隊隊長のユリア・ユノエル。齢にして僅か15、史上最年少にして最強の女戦士なのだ。
「帰ったらプリン食べよ~と」
失礼、少女戦士なのだ。
「お師匠様~」
今手を振り、声を掛けてくる少女はユリアを慕っている。因みに『お師匠様』というのは少女が勝手に付けたあだ名である。
「先ほど気を失った兵士が運ばれて来たのでまさかと思ったのですが…やはり?」
「気を失った兵士?…あ~、さっき背負い投げしちゃった♪」
「そうですか」
全く悪気の無い様子のユリアに少女は呆れるが、慣れた事なので特に突っ込む事はしない。
「でもルルは賢者だからそれくらい治せるもんね~」
「いや、治せはしますけど魔力だって無限じゃないですからね?」
「え~二大賢者って無限じゃないの?」
二大賢者のもう一人、ルル・パシューナ。
光の国、ルフェルティア王国。平和の象徴であった
場所は変わり闇の国、カラピオ国。別名堕ちた国
ルフェルティア王国とは真逆の暴力で制す悪逆非道の国。
その国を指揮するはグルニアと呼ばれる大悪魔である。冥府の神ハデスと閻魔大王を掛け合わせた、神々しさと威厳を思わせる容姿をしており見る者を恐怖に陥れる。
更にカラピオ国には同じくグルニアが統括する軍が存在し、名をジーク軍と言う。目的の為ならば手段を選ばない最凶の軍隊だ。
闇の国を事実上支配する立場にあるカラピオ国は、光の国すら傘下に加えようとするが、その度にルフェルティア王国と衝突。力は五分五分ながらも闇の国は着実にその手を伸ばしていた。
光と闇の決定的な衝突は何の前触れも無く訪れた。少しずつではあったが着実に力を着けていた
ジーク軍は戦いを有利に進め、ルフェルティア王国を完全に破壊する事を決めた。
グルニア自らが破壊活動を行った事で、王国は史上最悪の展開を迎える事になる。