表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/47

ウソ

 俺は嘘つきだ。

 だから、これから語る話は信じなくて良い。

 或いは一節くらい、真実は紛れ込んでいるだろう。

 全て何もかもが嘘である、とは限らない。

 恐らく混じり気のまるで無い嘘なんて、きっと存在しない。

 信じなかったか、確認しておこう。

 まるっきり嘘である、なんてものが無いわけない。

 こうして語る俺が存在しない、とか。

 存在しないなら語る俺は何なのか。

 いや、これも嘘。

 俺、なる人物が存在する証拠は無い。

 ここにこうして語っている者が何者であれ、語っている者自体はいるじゃないか。と考えることは出来る。

 実在するか否かとなると、話は変わってくるが。

 こんがらがってくる、自分でも。

 まあ、要するに。

 本当のことだなんて思わず、気楽に聞いてくれ。それだけのこと。

 話を戻そう。

 俺は嘘つきだ。

 いつから、かなんて分からない。

 気付いた時には嘘つきで。

 環境だの血筋だのに原因や理由を押し付けるつもりはない。優しいわけではない。誰か、何か。自分以外の、外のモノに俺が作られたなんて思いたくないだけ。

 傲慢なだけ。

 それは本当。

 嘘つきの口にする本当が、本当に本当なのか。そう思ってもらえるのか知らないし、興味もない。

 そう、俺は傲慢だから。

 中々本題に入れないな。ちんたらちんたら。うろうろうろうろ。

 あの時もこんな感じだったな。

 ターゲットは決まっていた。

 送付されてきた。あいつから。まさか、ね。

 逮捕されて車に乗せられる瞬間に、頭。

 即、だったらしい。ニュースでは、そう言っていた。

 撃ったのは俺じゃない。

 俺はあそこで銃を構えていた、それだけ。

 その銃から発射された銃弾が、脳ミソを貫通してあいつを仕留めたものだとしても、だ。

 信じないだろうね。分かっている。

 俺が嘘つきかどうかなんて前置き、必要無いのさ。

 証拠とやらは俺を銃殺犯だと示しているんだ。教えてもらった。全てじゃないのが、意味不明だが。

 そうだろ。

 疑われてるのは俺なのに。変な話だ。

 ああ、まただ。

 悪い。

 ターゲットに選ばれた人のことは知らない。ちょっと悪どい手段で大金を溜め込んでた、ってことくらいしか。

 名前、は何だっけか。

 覚えちゃいない。

 俺じゃないと言うか、俺達じゃない。

 会ってないから。

 それも信じてはもらえなかった。

 十五人で侵入したことは、すんなり信じてもらえたのにな。

 いやいやいや、だって十五人とか。普通は信じないって。

 知ってる。カメラの映像。

 片付けの請負、みたいなフリして堂々。そういうプラン。

 本当、そこまでは順調だったのに。

 それにしても、あのカメラ。

 いや、不自然だと思わないのが不思議。

 あの空白時間、何なんだって話。

 死人の数が不思議過ぎて、全然誰も気にしてないけど。そもそも、俺のアリバイだとかに無関係だから良いとはいえ。

 仕方ないとは思う。死にすぎだし。

 あいつ含めて何人死んだよ。

 俺も入れて十六人。いや、あの爺さんも入れて十七か。

 生きているのは、今や俺だけ。

 何でどいつもこいつも死んでるんだか。

 それも自然死らしいものは、ほぼゼロ。

 物理的に不可能な三件以外、どうやら犯行は俺の仕業らしい。

 笑える。

 自供なんてするはずない。していないし。

 そう、その通り。

 嘘つきだからな、嘘かもな。

 嘘つきなんだよ、俺。

 あんたも、そうだろう。

 臭いで分かる。

 嘘、嘘。静か過ぎたんだ。

 皆、始末したのか。眠ってるだけ、ね。

 信じるよ。

 信じようが信じまいがやることは同じだろう。

 どうせ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ