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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

人は分かり合えるか

作者: 青倶楽部

胸糞悪いかもな話です!

あと、地の文書くの苦手なんで、全部会話文です。


「うぅ…」

「おじいちゃん、起きたみたい!」

「マイカ姉さん!?生きてたの!?」

「マイカって…誰?あたしは、花凛。…手、離してもらっていい?」

「すまない、姉によく似ていて。ここは…どこだ?」

「ここ?大正国の王都、気萌那よ」

「ケモナー…?」

「違うって。け、も、な。王都の名前もわからない感じ?」

「ま、王都といっても、その端っこだがな」

「おじいちゃん、一言多い」

「事実ではある」

「それが一言多いって言ってるの。…ま、あれは放っておいて、あなた、名前は?」

「オレはカイガ。…オレは、倒れてたのか…?」

「そうだよ。すぐそこで倒れてたの。…なんであんなとこにいたか、思い出せる?おじいちゃんも知らない顔みたいだから、多分この近くに住んでるわけじゃないよね?」

「ああ…思い出してきた。…オレは…」

「ねぇ、それ、凄いね!…華麗様から賜った物?」

「ん…ああ、これか。こいつは…確かに貰い物だ。帽子が珍しいのか?」

「ふーん、それが帽子っていうんだ。あたしも帽子っていう存在は知ってるけど、実物は初めて見たかも。まあでも、あたしが聞きたかったのは、それじゃなくて、こっち。…ちょっと触らせて」

「あだだだだ!!毛を引っ張るな!」

「ごめんなさい!…って、別に痛くはないでしょ?…それにしても、めちゃくちゃリアル!凄く毛皮と皮膚の部分のつなぎが自然に見えるね。やっぱり華麗様から賜ったの?」

「は??お前は何を言ってるんだ?」

「いや、ホントあなた凄い。あたしも生まれて15年、ほとんどずっとこれで暮らしてるけど、あなたのなりきり度合い、見習わなきゃいけないわ」

「すまん…本当に、お前は何を言ってるんだ…?」

「わかってる。とりあえず、あなたの『仮面』、凄く素敵って言わせて。それと、あなたのなりきり度合いもね。あ、バイトに遅れちゃう!おじいちゃん、後はよろしく。それじゃ!」

「…全く、なんなんだ、あの子は」

「ま、あの娘も昔から変わってるだけで、悪気はないんだ。許してやってくれ」

「確かに、変わった子でしたね。…いや、失礼」

「いや構わんよ、事実だ。そうそう、名乗り忘れてたね、ワシの名は紋須。ところで、腹が減ってるんだろう?よかったら、このおにぎりでも食べてくれ」

「助かります!オレ、お腹空きすぎて倒れたみたいなんで。そういえば、さっきの『カレー様』って、誰なんです?」

「うーん、華麗様を知らないとは…あんた、その服装から見るに、よそから来たのかい?この国に入るのは大変だったと思うが、よほどの用でもあるのかね。あるいは、逃げ込んできたクチかね」

「あはは…まあ大変は大変でしたね。用事はデカいのが一つ。逃げてきたわけではないですよ。…むしろ…」

「ま、『これ』さえなきゃ、大正という国はいい国だ。ゆっくりしてってくれ」

「…『これ』って、なんです?」

「ん?『これ』に決まってるだろう。…おっと…」

「…な、なんですか、その奥の…顔??」

「すまないね、今のは見なかったことにして、すぐ忘れてくれ。ワシも気が緩んでたよ」

「いやいや、何で顔が二つもあるんです!?」

「あんた、何言ってるんだい?…ああ、そういや、あんたはなりきりが凄いんだったか。ワシは花凛と違って、なりきりには興味ないんだ。この国の法律に従ってるだけさ。これがなきゃ、他の国とは比べ物にならないくらいここは暮らしやすいからねぇ。ま、ワシも全ての国を知っている訳ではないがね」

「カリンさんも言ってましたけど、『なりきり』ってなんなんですか?それと、あなたのその二つ目の顔!」

「…そこまでなりきりをしなくてもいいだろうに。この近くには警備兵もおらんよ」

「警備兵…?…すいません、やはり、倒れた時にオレはかなり記憶をなくしたみたいで。よければ、この国のこと、色々教えてもらえますか?」

「わかったよ。ま、ワシの話を聞いてるうちに思い出すこともあるだろう」

「お願いします」

「…まず、この国だが…他の国同様、聖なる壁、聖壁により周囲から守られている。まあ、この国は特別で、聖壁のさらに内側に『魔の森』が広がっているから、二つの壁に守られているとも言えるな。国の名は文化、王都の名は王の性癖から名付けられる。国の名が変わることはあまりないが、王都の名は王が変わる度に変わる。とは言っても、なぜかいつも、似たようなものになるがな。不思議なものだ。この国も15年前までは、王都は別の名だった。それまではそれまでで大変だったよ。なんせ、国民が王の性癖に合わせることは絶対だからね。それほど、王の力は強い。それはこの国だけじゃない。他の国も、王は世襲じゃなく、実力あるものが王を倒して奪い取っているはずだ。まあ、こんなでも、本当にここは暮らしやすいのだよ。この『仮面』をただ被って暮らしているだけで、最低限の暮らしは保証されるからね。仮面は普通は手作りするものだが、花凛のように犬人へのなりきりが凄い者は、王から特別出来がいいモノが与えられる。花凛があんたを見て騒いでたのも、そのためだよ」

「……」

「…ここまでで、何か思い出したことはあるかね?」

「…いやあ、なーんにも思い出せませんでした。さて、お世話になりました。とりあえず、王都をブラブラしてみます。何か思い出すかもしれませんし」

「そうか。忠告だが、くれぐれも王都の中心にある、あの高い塔には近づかない方がいい。あそこの最上階には王がいるんだが、塔に近寄るだけで牢獄行きになりかねない」

「ありがとうございます」

「礼はいらないさ。むしろこちらが言いたいくらいだ」

「オレ、何かしましたっけ?」

「…ああ、いや、花凛が嬉しそうにしてる様子を久しぶりに見たものでな。そうだ、後でまたお腹がすくだろうから、もう一つおにぎりを持っていきなさい」

「では、改めて、ありがとうございました」

「ああ、達者でな」



「…で、王都の中心に来たはいいが…入り口は…あの、警備が固いところのようだな。…先に腹ごしらえしてから行くか。モンスさんからおにぎりもらって少しは回復したけど、このまま行ったら多分死ぬからな。別れ際にもらった分のおにぎりは…後で食べればいいか」


「よし、突入!」

「…誰だ!貴様、どうやって来たのだ!?ここは地上50階に位置…ぐはっ」

「警備の人たちは寝ててくれ。オレが用があるのはそこのやつ…え!?」

「はぁ…使えない奴らだなぁ…せっかく近くに置いてやってたのに。…なるほど、お前がさっき連絡が来てた違法入国者か。思っていたよりも大分早い到着だったな」

「父上!生きておられたのですね!!…あの襲撃の日、亡くなられたものと思っておりました!」

「あー…?お前、何言ってるんだ?」

「…父上じゃ…ない?誰だ!」

「俺様のことがわからねーだと?わざわざ侵入してきたほどなのに?」

「誰だと聞いている!」

「俺様は華麗、この国の王だ。お前の目的はなんだ?俺様の首じゃないのか?」

「キサマがカレーか!…なぜ、父上と同じ顔をしている!」

「同じ顔…?ああ、これのことか。…あ、俺様賢い。わかったぞ」

「…何がだ!」

「知りたいか?」

「だから、何をだ!」

「あーヤバい…本当は焦らしたいけど…早く楽しみたい…ま、こういうことだ」

「…!!モンスさんの二つ目の顔と同じ…!」

「紋須だと?あんなヤツと一緒にするな!」

「…なんなんだ!?その顔は??そのキサマが取り外した、父上そっくりな顔はなんだ?」

「やっぱりそうか、ははは。お前、魔の森にあった隠れ村の生き残りだろ。」

「村じゃない!国だ!…それに、過去形じゃない。オレを含め、生き残った者たちで復興しているところだ!」

「なんだと!?なんてこった…最高の情報をありがとう!嬉しすぎるぞ!今すぐ兵を向かわせねば!…お前らを皆殺しした後にケモナーという性癖に目覚めちまってな、ずっと後悔してたんだ。国民に仮面をつけさせるという形で犬人達と触れ合っている気になっていたが…まさかそんなに生き残りがいるとは!」

「だから、なんなんだ!どういうことだ!キサマは人間…なのか?」

「あー…そうか。…めんどくせーけど、わかりやすく教えてやるよ。俺様は人間だ。んで、お前らは人間ぶってるけど、俺様はお前らを『犬人』と呼んでいる。ま、あの時村に単身乗り込まされた俺様と、この仮面を作らせた者たち以外、本物の犬人の存在は知らないがな。そいつらはとっくに始末したから、つまり、現在犬人が実在しているのを知ってるのは、俺様だけ。それからな、いいことを教えてやる。この仮面、お前の父親にそっくりなんじゃねーんだわ。お前の父親そのものなんだよ。これは大変名誉なことなんだぞ。なんせ、俺様が使ってやってるんだからな」

「もう黙れ…」

「あ?」

「もう黙れ、と言ったんだ。…すべて理解した。ずっと不思議だったんだ。国が襲撃された後しばらくして様子を見に行ったが、戦いの跡があるだけで、死体が一つもなかった。城や民家は荒らされていて、貴重品などは全て持ち去られていたのに、だ。…まさか、皆仮面にされていたとは…」

「俺様は貴重品には興味なかったが、死体運びと仮面作りをさせた奴らに、手間賃として好きなだけ持って行くよう伝えたからな」

「キサマは救いようのないヤツだ。今すぐあの世に送ってやる」

「お前にできるわけねーだろ。俺様は一人でお前の村を滅ぼしたんだぞ?」

「バカな…一人でだと?父上がいたのに?そんなことは不可能だ!」

「それじゃ、なんで俺様は生きていて、お前の父親は仮面になってるんだ?」

「卑怯な手を使ったんだろう!」

「そんなことするか!…あー…そういや、手近なやつを捕まえて盾にしながら戦った記憶があるな。俺様は賢いから、利用できるものはなんでも利用するんだ」

「そいつを…卑怯な手と言うんだ!」

「死ぬ直前まで、『娘を離せ!』とか叫んでたな。ま、俺様にはみんな同じ顔に見えたからよくわからんかったが…もしかして、俺様、頭だけじゃなくて運も良かったのかな?」

「残念だが、キサマは頭が悪い。普通はこんな狙われる立場にいながら、そんなだらしないカラダでいられないからな。それと、運も悪い。なぜなら、今からオレに殺されるからだ。…くらえ!オレと刀の一心同体の攻撃だ!」

「…なるほど、悪くない一撃だ。刀への重い愛がお前の性癖か?…だがな、その程度のチカラでは、俺様は倒せない」

「な…強い…だと?卑怯な手を使って父上に勝ったのではなかったのか!?」

「お前、勘違いしてるぞ。そもそも俺様は強い。…だから、前王に危険視され、お前の村を単独で襲うよう命令されたのだ。そのまま滅ぼせればよし、逆に俺様が死んでもよし、などと考えたのだろうな。まあ、ほぼ確実に俺様が死ぬと思っていたようで、前王の奴、帰還したらすっかり油断してくつろいでおったわ。で、そのままブチ殺して、俺様が新しく王になったというわけだ」

「前王もそれなりの実力者だったはず。…やはり、キサマは卑怯な手でしか勝負を決められないようだな」

「その程度の挑発には乗らんが…わかった、本気で相手をしてやろう。犬人を殺すのは勿体無いが…たくさん残ってるようだからな、問題ないか。前王から受け継いだ、この国の帽子のチカラも見せてやるぞ。お前も、その帽子のチカラを使わんと、一方的になるかもな」

「受け継いだ…?奪っただけだろう。それにしても、帽子のチカラのことを知っていたのか。…なら、こちらも本気で行くぞ!」

「くっ…思ったよりやりおる」

「当たり前だ。先程の一撃は、三割程の力しか乗せていないのだからな。それに加えて…これなら!」

「な…飛んだ、だと!?」

「空からのこの連続攻撃、初見では受け切れるわけがない!畳みかけるぞ!はあああ!!」

「ふ…」

「く…ギリギリで防がれている…いや、確実にオレの刀はヤツに届いている!手応えもある!…なのに、なぜヤツは倒れない…?しかも、ヤツはまだ帽子のチカラを見せていない…」

「不思議か?そろそろお前はエネルギー切れだろう。ゆっくりと殺してやるぞ」

「悩んでいるヒマはない…防げないほど強力な一撃を与える!とりゃぉぉあ!!」

「俺様の…腕がああ!」

「その命、もらったぁあ!」

「なんてな」

「ぐっ…」

「おっと、致命傷きちゃったかな?」

「なぜだ…今のは決まったはず…」

「ま、死ぬ前に教えてやるか。俺様、優しいし」

「何をだ…」

「お前、俺様が帽子能力を見せてないから焦ってただろ」

「……それがどうした」

「だが残念、とっくに見せてたんだわ」

「なんだと!?」

「俺様の体型、大分スリムになったと思わないか?」

「…そうか…なるほど」

「そう、『回復能力』が、俺様の帽子の能力。便利だろ。お前は『だらしないカラダ』だと言ったが、あれはワザとだ。帽子能力を発動するにはカロリーが沢山必要だからな。普段からこうしておけば、今回のように思いがけない一撃を受けても対応できる、というわけだ」

「ホントに頭が良いってか…そりゃないぜ…オレの…負けだ」

「死んだか。それにしても、まさかコイツが帽子を持っていたとはな。国を名乗っている以上、フツーは王が帽子を持ってるもんだが、子供に託すとは…それが回収できるなんて、俺様、やっぱり運も良い!」

「…だが残念、そう上手くはいかないな!このまま地上まで突き落としてやる!!」

「なっ…生きてやがったのか!!離せ!…と言いたいが、お前、もうカロリーないだろ。俺様の勝ち〜」

「いや、このおにぎりがある!それに、今のお前のスリムな体型ならそんなにチカラは要らない!!」

「やめろ!離せ!!」

「わかった、離すぞ」

「空中で離すなぁぁああああ!!!」


「デッカい激突音だなぁ…ま、この高さからの落下じゃ、回復は間に合わないだろ。…オレも人のこと言ってられないけど…ヤバ…寝るか…」



「ねえ、起きて、カイガさん!」

「うぅ…」

「おじいちゃん、起きたみたい!」

「マイカ姉さん!?生きてたの!?」

「マイカって…またさっきのくだり?あたしは、花凛よ。…手、離してもらっていい?」

「すまない、やはり姉さんに似ていて。ここは…モンスさんの家ですかね?」

「そうだよ。ああ、花凛、水を取ってきてくれないか。カイガ君に飲ませたい」

「わかった!」

「君が華麗様を倒したのかい?」

「ええ、そうです。死闘でした。モンスさんがオレを助けてくれたんですね。二度もありがとうございました」

「急にデッカい音がして慌てて塔に行ったんだが、塔の下で華麗様らしき死体を見つけてね。もしやと思い登ったら、重症のカイガ君がいたんだ。流石に地上50階の往復は、ワシの歳では中々大変だったよ。その後は、知り合いに頼んでここまで運んでもらったのさ。…傷はどうだい」

「ああ…カレーからは、致命傷と言われました。…もう間も無く、オレは死ぬでしょうね」

「…食事は摂れそうかね」

「おじいちゃん!お水!って、食事とかそんなことより、手当してあげて!おじいちゃん、お医者さん呼んでるよね?もう来るよね!?」

「医者は…呼んでいない」

「なんで!?お金ないから??」

「それもあるが…花凛、外に出ていてくれないか。カイガさんは絶対助けるから」

「どうやってよ!?もういい!今からあたしがお医者さん呼んでくるから!!」

「花凛!!…行ってしまったか。…まあ、丁度いい」

「再度聞こう。食事は摂れそうかね」

「はい、少しなら。…最後の晩餐ってやつですかね」

「最後にはならんよ。とりあえず、食べられるだけ食べてくれ」

「いただきます。モンスさんのおにぎり、とてもおいしいです。先程のカレーとの戦いでも、助けられました」

「なんと…ありがたい言葉だね」

「事実ですから」

「はは、まいったな」

「…ごちそうさまでした。デカい用事は終わりましたし、もう思い残すことはありません。本当に、ありがとうございました」

「君はまだ死なんよ。今から、ワシの言うことを聞いてくれればな」

「…何です?」

「ワシがいいと言うまで、目を閉じてくれんか。それと、今から君の頭の上に『あるモノ』を乗せる。そうしたら、神経を集中してほしい」

「わかりました。目を閉じますね」

「よし、集中してくれ」

「はい」

「…くれぐれも、目を開けないようにな」

「な…なんですか、これ。体がラクになっていきます!」

「む…まあ、こんなものだろう。…目を開けてもよいぞ」

「凄い…完璧ではないが、傷がかなり塞がっている…」

「これなら、数日ウチで養生すれば、動けるようになるだろう」

「いったい、オレに何をしたんですか!?」

「すまんが、何も言えんのだ。このことも、できれば忘れてほしい。故郷に帰っても、他言無用で頼む」

「…わかりました。命の恩人の言葉です。詮索はしません。ありがとうございました」

「おじいちゃーん!お医者さん、呼んできた!!…って、あれ?カイガさん…?」

「あはは…なんか、致命傷じゃなかったみたいで。モンスさんのおにぎり食べたら、かなり治っちゃったよ」

「ウソ!だって、さっき見たら酷い傷だったんだよ!?…でも、確かにかなり塞がってる…もしかして、おじいちゃんのおにぎりって…魔法のおにぎりなの??」

「いや、普通のおにぎりさ。奇跡でもおきたんだろう」

「あの〜…私はどうすれば?」

「あ…お医者さん…ごめんなさい!怪我人、いなかったみたい」

「迫真の演技は、舞台の上だけにしといてくれよ。ま、怪我人がいなくて何よりだ。私は帰るとするよ」

「ありがとうございました!」

「花凛には、無駄足をさせてしまったな。カイガ君には動けるようになるまでこの家にいてもらうことにしたから、しばらく世話を頼むよ」

「そうなの?やった!カイガさんの凄い仮面、まだしばらく見てられるんだね!」

「ああ、それなんだがな…」

「やったーー!!」

「ま、明日になればわかるか。さて、カイガ君、早く寝て、回復に努めておくれ」

「では、お言葉に甘えて」



「おい!起きろ!!早く!!」

「うーん…うるさいなぁ…はーい、開けますよ」

「花凛、大事件だ!じーさんにも知らせてあげてくれ!!華麗様が倒されたんだ!!」

「うぇぇぇえ!?ホントに??」

「ああ、昨日、塔の下で死んでいたらしい。昨日の時点では死体がぐちゃぐちゃで誰の死体かわからなかったらしいが、今朝方判明したみたいだ。ようやくこの仮面を取れる日が来るんだ!夢みたいだよ!…ま、今はまだ華麗様の取り巻き達が権力握ったままだから仮面はとらないほうがいいが…時間の問題だな。とりあえず、次の王がどんな性癖なのかが気になるが…緩いのでお願いしたいよ。あ、俺は他の奴らにも伝えに行ってくるから、じゃあな!!」

「あ、隣のおじさん!!待って…って、もう行っちゃった。ま、確かに大事件だもんね。…あたし、これからどうしよう」

「花凛、どうしたんだい」

「おじいちゃん!大事件なの!華麗様、倒されちゃったんだって!!」

「なんと…そいつは一大事だ。いづれそうなるとは思っていたが、これも運命か。まあ、ワシらには関係のないことだ。これからも日々を平穏に暮らすだけさ」

「いやいや、次の王の性癖がどうなるのか気になるでしょ!?めちゃくちゃ関係あるよ!!…あと、カイガさんにも伝えてあげて!あたし、学校行ってくるね」

「おお、そうだね。それと、行ってらっしゃい」

「…おはようございます、モンスさん」

「おはよう、カイガ君」

「カリンさんは、カレーのこと知らなかったんですね」

「ああ、昨日は君の傷のことで手一杯で、伝え忘れていたよ」

「この国からしたら、こんな大事件なのに?」

「その通り。その通りなのだが…ま、このことも詮索はしないでおくれ。花凛にも、今しがた事件のことを知ったことにしておいてほしい」

「ま、命の恩人の言葉は守りますよ」

「そうしてくれると、助かるよ」



「カイガさんの傷、この数日で大分良くなったみたいね」

「ああ、二人のおかげだ」

「さ、食事にするかね」

「…は、はい」

「…どうしたね、カイガ君」

「いや…みんなが仮面を外して暮らすようになって、まだあまり皆さんの顔の区別がつかなくて…。あと、どうしてもカレーの顔と重なって見えてしまって体がビクついてしまい…」

「華麗様の顔って、そんなにおじいちゃんに似てたんだね」

「というよりも、仮面外してる人はみんな同じに見える…かも」

「ホントに!?あたしは!?」

「カリンさんは、まだ仮面付けたままだから、区別つくよ」

「はっ!そうだった!」

「花凛、もう外してよいのに、なぜまだ付けているんだい?」

「え…だって、あたし元々この仮面つけるの気に入ってたし。あ、でも、カイガさんには感謝してるよ、華麗様を倒してくれて。王都のみんな、嬉しそうだし。とりあえず、まだしばらくは付けてようと思うんだ。カイガさんも仮面付けてお揃いにしてくれてるし」

「花凛、学校はいいのかい?」

「あーっっ!遅刻!行ってきます!!っと、そうそう、隣のおじさんがね、おじいちゃんのこと、顔すごく若いねって褒めてたよ!あと、昔どこかで見たことある気がするから、有名人かも、とか。今まで仮面付けてたからわかんなかったんだね〜…学校行ってきます!!」

「はは…ま、若いのは顔だけだよ。体はガタがきてるんだ」

「そうなんですね。筋肉もまだ充分あるように見えますが…ま、そういうのは本人にしかわからない所がありますからね」

「ああ、ワシの体が動くうちに、花凛をきちんと育てあげたいよ」

「本当に大切にされてるんですね」

「まあな、目に入れても痛くないかもしれん」

「はは…彼女、名前も素敵ですよね。どなたがつけたんですか?」

「ああ、花凛の母親だよ。ワシが名付けたかったのに、どうしても、と聞かなくてな」

「…ところで、カリンさんから聞いたんですけど、カリンさんのご両親は彼女が幼い頃亡くなられて、それで祖父であるモンスさんが保護者になられたようですね」

「ああ、そうだよ。苦労かけたが、元気に育ってくれてよかった」

「カリンさんのご両親は、どんな方たちだったんですか?」

「…いたって普通、とても普通だったよ」

「事実ですか?」

「ああ、事実だ」

「そうですか。…ところで、カレーと戦っている時にヤツから聞いたんですけど、前王がかつてカレーをとある国に単独で送り込んだことがあったそうです。普通は、味方をそうさせるなんて異常です。ただ、『そのまま滅ぼせればよし、逆に俺様が死んでもよし、などと考えたのだろうな』とヤツは言ってました。前王に疎まれていたことは理解していたようです」

「それが…何かね?」

「オレ、元々はこの国についてから、ある程度下調べした上で王に挑もうと思ってたんです。でも、情報がすぐ手に入ったから、その必要はなくなりました。モンスさん、あなたがくれたんです」

「ワシは、むしろ塔に行かないようにと念をおしたはずだが…」

「モンスさんは、オレがこの国でいうところの『犬人』であると気づいたんですよね。それと、帽子のことにも。…いや、むしろ帽子を持っていたから、その可能性を考えたのかな。それで、確認のためにワザと本当の顔を見せてオレの反応をみた。結果、オレが王への復讐のためにこの国に来た人間と確信した。そして、『行かないように』という形で、敵の居場所を教えた。まんまと乗せられましたよ」

「面白い推理だな」

「ですよね。ところで、このやり方、どこかで聞いた気がしませんか?」

「このやり方?」

「ええ。先程のカレーがとある国に行かされた話と、今回のオレの話。どちらも、指示を下したものに、メリットしかないんです。カレーは生きて成果を上げても、死んで厄介払いでもいいとされた。オレはカレーを倒してもいいし、倒されてもデメリットがない。むしろ、アイツのセリフを思い出すと、あなたが事前に通報してた可能性もある。それでカネでも受け取ったんですかね。オレは塔に入る前に食事と休憩をとっていたから、情報を伝える時間は充分ありましたからね」

「たまたま、だろう。こじつけだ」

「ま、確かにこじつけです。でも、カレーから回収した帽子の効果と使い方、それと犬人の存在を知っていたことを考えると、あなたはカレーと近い関係にあるように思えた。で、色々思考を巡らせたんですが…モンスさんが、前王なのではないですか?」

「ふ…前王は、女性だよ」

「な…」

「女性だ。だから、ワシではありえない。それに、前王が殺されたのは20歳の時だ。それから15年、今35歳としても、ワシの年齢とあっていない。それと、華麗様から帽子を回収したなどという事実もない」

「『一つとして、同じ効果の帽子はない』…これは、父上から聞いた話です。だから、あなたがオレの回復に使ってくれた帽子は、カレーが持っていたものです。間違いはないかと」

「それが正しいとして、年齢のことはどうする?ワシは…この通り、ジジイだ。花凛も『おじいちゃん』と言っているだろう」

「あ、年齢に関しては、予想がたってます。モンスさん、ウソついてるだけで、実際はまだかなり若いんですよね?」

「…なぜわかったのかね」

「今さっき話してたじゃないですか。オレ自身には区別がつきませんが、お隣のおじさんにも顔が若いと言われてるし、体もとても年寄りには見えない。そうなると、歳を誤魔化しているとしか思えない」

「なるほどな。仮面を外してしまったのがアダになったか」

「…あ、そうか。モンスさん、おそらく前王の夫だったんですね。長年仮面の生活をしてたにも関わらず、お隣のおじさんが『見たことある顔』と言ってたのはそのせいか」

「カイガ君、やはりもう詮索はやめんか」

「オレもそうしたかったんですけど、この件、事の始まりに関わってると思うんで、明らかにさせて下さい」

「事の始まり…?」

「ここからの話は、オレの妄想が多いです。でも、一応聞いてほしいです」


「15年前、何らかの理由でカレーを処分したかったあなたは、王の命令という形で、魔の森にカレーを向かわせた。魔の森は出るのも入るのも大変だから、この件では、あなたは任務失敗のみ求めていたはずだ。…だが、カレーは帰ってきてしまった。しかも、危険な命令への恨みで、そのまま前王を殺した。ヤツは、王が油断してくつろいでいるところを襲ったと言っていました」

「妻は…前王は、油断などしていなかった」

「ですが、カレーはそのように…」

「アイツは知らなかったんだ。妻が子を産んだばかりだったということを」

「それなら、警備の者をおけばよかったのでは…」

「国の王は、常に命を狙われている。だから、身体が弱っている時を周りに伝えるのは自殺行為なのだ。出産も、最低限の人数で行った。元々ワシが王の言葉を代理で伝えるという形で周囲に指示を出していたからな。王の妊娠や、様子が変わったといった細かなことがバレることはなかったよ」

「そういうことでしたか…」

「その後は、命からがら、生まれたばかりの娘を連れて、国の端まで逃げてきたのさ」

「聖壁を超えて、他国に逃れた方が良かったのでは?」

「カイガ君は知らなかったのだろうが、聖壁を超えるには莫大なカネがいるのだ。その時のワシに、そんな大金は用意できなかった。だから、君の姿を見た時、聖壁を超えてきたのではないとすぐわかったよ。とても金持ちとは言えない姿だったからね」

「それは知りませんでした。…ところで、前王が討たれた時、その場ですぐにカレーを倒すことは出来なかったのですか?」

「君は戦ったからよくわかるだろう。アイツは強い、強すぎる。ワシには戦うチカラもない、娘は生まれたばかり。そうすると、逃げるしか手はなかった」

「しかも、あなたには都合よく、カレーが国民に仮面をつけることを強制したと」

「その通りだ。ワシの顔は国民に知られていたからね。顔を隠し、年齢を誤魔化せば、平穏に過ごせると思ったのだ。…まさか15年後も当時のワシの顔を覚えている国民がいるとは誤算だったがね。…それと、先程のカイガ君の妄想、ワシが君の情報を華麗に売ったのではということだが…合っているよ。申し訳ない」

「あなたがオレの情報を売ったことに関しては、お互い忘れましょう。もうカレーは倒しましたし。それより、話を戻します。オレの故郷でも、昔からあなたたち『猿人』のことは知られていました。でも、この国でいうところの『犬人』のように、御伽話の存在でしかなかったんです。それなのに、魔の森にオレ達が暮らしていることをなぜあなたは知っていたんです?」

「城の兵が魔の森に迷い込んだことがあってな。普通は帰って来れないのだが…ただ一人生還した者がいた。それが、華麗なのだ。華麗から前王である妻に犬人…失礼、君たちの存在が報告されたが、その時はヤツの妄想だということで、特に何もしなかったのだ。ワシは、妻から情報だけは聞いたがな」

「なるほど。それで、後になって、そのことを利用したと」

「そうだ。…結果、カイガ君たちの国を滅ぼすことになってしまい、すまなかった」

「いえ、元々は華麗を始末する作戦だったのでしょう?ヤツの話を聞いた限り、本来卑怯な手を使わなければ死ぬのはカレーだけだったはず。あなたのせいじゃない」

「…本当に、すまない。君には謝ってばかりだな」

「全て終わったことです。オレは、事の始まりを確認できて、感謝しています。何もわからないままはイヤですから」

「そうか。…それで、いつ頃ここを発つつもりかね。カイガ君さえよければ、好きなだけいてくれて構わないが。花凛も喜ぶしな」

「もう傷も治りましたし、明日には発とうかと。そうそう、命の恩人であるあなたに、オレのできる範囲で一つお礼をしたいのですが、何かありますか?」

「はは、華麗を倒してくれた事で充分だよ。まあ、そうだな。…また君に会う時まで保留ということでもいいかな?」

「わかりました」

「今夜は、豪華な食事にしようかね。英雄の旅立ちを祝して」

「そんな、英雄なんて。…でも、ありがたくいただきます。夕食、楽しみにしてますね」

「ああ、そうしてくれ」



「カイガさん、ありがとう。あたしから、何かできることないかな?」

「ああ…もしよければなんだけど、その仮面をもらえないかな」

「これ?あたしのお気に入りなんだけど…カイガさんにならいいよ!はい!」

「…マイカ姉さん…」

「な…泣くほど嬉しかった?それなら、こっちも嬉しいな。大切にしてね」

「ああ、大切にするよ」

「ところで、あたしの素顔、どう?キレイ?」

「ん〜…やっぱり、あんまりみんなの区別、つかないんだよ。ごめん」

「そっか。…ね、カイガさんの素顔も見たいな。それ、最後に取ってくれない?」

「ごめん。これ、取れないんだ」

「華麗様も死んじゃったのに、まだなりきり?あたしが言うのもなんだけど、カイガさん、律儀すぎ!」

「そういうわけでもないんだけど…ま、いいか」

「カイガ君、おにぎりを持ってきたよ。帰り道に食べとくれ」

「ありがとうございます」

「ね、おじいちゃん、15年ぶりの、あたしの素顔はどう?可愛い?キレイ?」

「…な…何という事だ…」

「?おじいちゃん??」

「カイガ君!お願いだ!花凛を…切ってくれ!!」

「もうお礼を使うんですね?わかりました!」

「…カイガさん?…おじいちゃん…どうして…?」

「カリンさん、すまない。モンスさんのお願いを一つ聞くことになってたんだ」

「それ…だけ?なんで…」

「さあ?…モンスさん、何でなんです?」

「花凛のその顔…華麗そっくりなんだよ!!」

「なるほど。オレには区別つかないんですが、それがどうかしたんですか?」

「…ワシが華麗を始末したかった理由…それは、アイツが強かったからじゃあない。アイツが、妻に言い寄っていたからだ!…まさか、花凛が妻と華麗の子供だったなんて…酷すぎるだろう!!」

「なるほど、内輪揉めですか。…カリンさん、それが理由らしいです…って、もう死んじゃいましたか」

「妻が『花凛』という名を推してきた時に気づくべきだった…花凛…華麗から取った名だったとは…」

「丁度お礼も済ませましたし、オレは行きますね」

「15年も…ワシは何をさせられていたんだ…あまりにも酷い…」

「あ、そうそう。これは回収していきますね」

「…!待ってくれ!その帽子は、妻の形見なんだ!!」

「仕方ないですね…では」

「ぐはっっ…なぜ…だ…」

「なぜって…これはカレーから聞いたんですけど、帽子っていうのは、そもそも王が持つ物なんだそうです。で、今のこの国の王は、前王のカレーを倒したオレなんです」

「恩を…仇で返すのか…?」

「確かに、あなたには感謝しています。傷も治してくれたし、何も悪くないカリンさんを殺すのは、ちょっとどうかなと思ってたんで。あなたへのお礼という形で済んだのは良かった。あと、そもそもオレのいた国が滅んだのはあなたが原因ですし」

「ワシが言わなくとも…花凛を殺す気だったのか…?」

「それは少し違いますよ。オレは、この国の全員、殺すつもりです」

「なんだと…?君には、帰る場所があるのだろう?なぜそうする必要がある?」

「最初はそのつもりでした。仇を討ったら、帰ればいいと。…でも、気づいたんです。オレが王になったんだから、オレが仲間を連れてきて、この国を支配したほうがいいって」

「ためらいはないのか…同じ人間だぞ…」

「カリンさんにはためらいはありました。でも、あなたのおかげで終わったので。あと、あなたも薄々気づいてると思いますけど、言葉は通じても、オレ達は別の種族なんです。あなたたちを殺すことに、ためらいはないですよ。…多分、カレーも同じ気持ちだったんだと思います」

「そうか…残念だ…」


「オレ一人で全員相手にするのは大変だし、先に仲間を連れてくるか。おにぎりよし、帽子よし、忘れ物はないな。…うっ…なんだ…この感じは…オレは…猿人のことが…好きになってしまっている…?なぜだ…そうか、回復の帽子の所有者になったからか…。おそらく、カレーのヤツが言っていたのは、このことだろう。…しかし、まいったな。どうやら、『他種族が好きになる』性癖が身についてしまうらしい。…モンスさんがあそこまでオレを治療してくれたのも、このせいなのかもな。あーあ、仕方ない、この国のヤツらはしばらく生かしといてやるか」



「カイガ!おかえり!心配したんだよ??怪我はない?」

「みんな、ただいま。怪我はないよ。仇もとってきた。新しい帽子も手に入れたんだぜ?」

「凄い!今日はお祝いしなきゃ!お母さーん!カイガ、帰ってきたよーー!!」

「カイガ兄ちゃん、それは?」

「ああ…これは…」

「ひっっ!誰??」

「オレの姉さんと父さんだ。オレが倒したヤツがかなり異常なヤツでさ。オレ達を殺した後、こうやって仮面にして、国民に被らせてやがった」

「なんなの…ソイツ…ヤバ…」

「ま、もう倒したから大丈夫だ。みんな、もう怖がることはないよ。近いうちにまた大正国に行って、他の人のも、全部回収してくる」

「カイガ…辛かったろう」

「おじさん、ありがとう」

「こっちの大きな包みはなんなんだい?」

「ああ、それはそのままにしておいてほしいかな。後で実験したくて」

「そうか、わかった。さ、辛気臭い話は終わりだ。お祝いの準備、始めないとな」

「楽しみにしてます。オレの帽子のチカラで飛んで戻ってきたから、お腹めちゃくちゃ空いてるんで」



「ねー、カイガ。何してるの?」

「お、いいところに来たな。ちょっと実験に付き合ってくれ」

「え〜」

「後でお菓子やるからさ」

「それを先に言ってよ!で、何すればいい?」

「ああ、これを付けてみてくれ」

「変な感じ。前がよく見えないし、鼻に引っかかるし」

「だよな。やっぱりオレ達には、仮面は向いてないよな」

「…変なカイガ。…ねぇ、いらないならもらっていい?」

「ああ、『二つ』あるから、適当に持っていって、遊んでくれ」

「やったー!フリスビーにしよっと!」

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