朝に電気ついてるのはそゆこと
「伽乃様!伽乃様!!お目覚めですか!?」
「駄目だよ。昨日は珍しく五時まで耐えたから、多分起きてない」
「ご、五時・・・?」
「外で待ってて。起こしてくる。伽乃さーん。入るよー」
煌々と桃色の髪を照らすライトで、全てを察した夕灯はベッドで静かに寝息を立てる少女を、いかにして起こそうか考える。
(1、ただ声をかける。こんなのでは起きない。
2、正直に要件を叫んで危機感を煽る。起きそうではあるが後で殺されそう。
3、優人の声を耳元にかける、からの
「グヘッ!!」
「おはよう。ちょっと急用」
「意外に強行じゃないか・・・私は女の子だよ」
腹を手でさすりながら伽乃は起き上がった。
「急用。あなたの大好きなツイッターをすぐ見るべし」
「そんなの言われなくても朝のルーティーンだよ」
「遅刻半歩手前の時でも見てるもんね」
どうでもいい冗談を挟みながらも、夕灯は伽乃に彼女の携帯を突きつけ、ネットの閲覧を強要する。
「朝の七時だよ-・・・ネット界隈の元気な時間は深夜だって言うのに、大事件でも起きた?」
ブツクサとホーム画面、からのツイッターのアイコンをタップし、トレンド一覧へ飛ぶ。
「・・・・・・」
「・・・着替えれる?」
「うん。え、お母様たちは
「父さん母さん兄ちゃん奏にぃ全員会社飛んでった」
「その飛ぶってガチでヘリ飛行なんだよな・・・」
「支度でき次第、会社来て欲しいって」
「わ
「うちは会社でも和装だよ」
「・・・・・ヤクザのうちじゃねーんだからさぁぁ」
「じゃあ、あとお願い。俺も着替えてくる」
「かしこまりました」
夕灯が伽乃付きの女中に片手をあげると同時に、彼女らが入れ替えで部屋に入ってくる。
手でライトを遮りながら、ベッドでスマホを見つめる少女に近づく。
「伽乃様、あの・・・」
「よし、着替えよう。よろしくお願いします」
伽乃はスマホをベッドにぶん投げると、女中に頭を下げる。
伽乃は毎朝自らの世話をしてくれる、いわゆる伽乃付きの女中とすら、現状仲が深まっていない。
しかし、こんな社会、こんなタイミング、協力不可避。
「ほんなら、今日は簡易型でいかしてもらいますえ!」
「おたのもうします!」
※着付け大得意、京都で元舞妓の女中さん・京都が舞台の漫画大ファン
女中はクローゼットから薄い桃色の袴を取り出す。
伽乃のお決まりの袴。
ベッドでは、一枚の画像と共に強烈な一文が添えられた投稿が朝一番に照らされたライトを反射していた。
桃とも白とも言い難い特徴的な髪にセーラー服、漫画のヒロインと錯覚出来るほどの圧倒的なビジュアル。一部界隈では「三次元の天使」と評される、財閥の令嬢。
の前で顔を真っ赤に染めて顔を逸らす弱冠19歳の次期社長の姿が収められていた。
♯三次元の天使 ♯佐藤伽乃 ♯妻藤燈夜 ♯妻藤グループ ♯佐藤財閥 ♯県立邦青




