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嘘告だと知っている僕、拒否しても問題ないと思ってたら泣き去られてしまった

作者: 世界の住人

短編小説初投稿となります。

まだ小説作成には慣れておらず文章も上手くありませんがご覧いただけると幸いです。

僕、須藤海斗(すどうかいと)現在放課後、忘れ物を取りに教室に戻っている。

「俺の記憶力のなさはどっかで何とかしないとな…」

何かとすぐ忘れてしまう自分に文句を言いながら教室に近づくと声が聞こえた。

バレないように覗いてみると仲良し女子2人組だった。

「取りに行きずれぇ…」

まぁ幸い仲良し女子2人組は窓の近く、自分の席は廊下すぐ近くだ、サッと行ってサッと帰る。

すぐに実行に移した、2人組に気づかれることなくとることができた。

後は帰るだけ、そう思った矢先こんなことが聞こえた。


「じゃあ由香(ゆか)の罰ゲームは嘘告ね、相手は…」


「このクラスの須藤海斗とかでいいじゃない?The普通って感じだし」


「由香がいいんだったらいいけど、じゃ頑張ってね由香」


「うん、わかった、早く済ませたいから明日するね」


このクラスで由香って確か…佐々木由香(ささきゆか)か、なんか小学校が僕と同じだった人だ。

そして嘘告の相手が須藤と。

ん?須藤?同学年で1人しかいない須藤?!The普通で須藤?僕?!


―数時間後―


「なるほど普通過ぎて見事嘘告の対象にされた訳か」


友達の倉敷志熊(くらしきしぐま)と一緒にゲームをするついでにボイスチャット機能で今日の出来事を話してみた。

「嘘告される身のことも考えて欲しいもんだ」


「でその告白どうすんだ?」


「まぁ断る、小学校が同じでも話したことも無いし、嘘告だし俺が恋愛やっても相手を困らすだけだからな」


「お前じゃそうだな、まぁとりあえずそん時は俺も呼んでくれ見てみたい」


「見せもんじゃないだろ まぁいいが」


―次の日の昼―


昨日話した志熊と教室で昼ご飯を食べていた時


「そういやあれどうなった?」


「あれ?…あぁ嘘告か、まだなんもない 聞き間違えたかね?」


「あぁ…えと聞き間違いじゃなさそうだ」


志熊が1点を見つめていた。

僕も見てみると昨日の2人組がこっちに向かってきていた。 ほぼ無関係の人もいるのに突撃してくるのは怖い


「ちょっとしぐっちーそっちのザ・普通な男借りていい?」


由香さんでは無いもう1人の木村朝日(きむらあさひ)とかだった人が尋ねてきた

ていた。


「レンタル料初回限定無料です どうぞー」


そういやこの2人は結構仲良かったんだった。

てか勝手に許可してんじゃねえぞ志熊

ついでにレンタル料ってなんだよ、僕は物か


「わかったしぐっち〜じゃあ由香頑張って!」


「あっ…海斗くん?だったっけ、あの…ちょっときて欲しくて…」


「あっ…了解です…」


やべ、多分どっちも陰キャ気質だ。あんま知らん人だと喋れない人だ。


そんなこんなでほとんど会話もなく連れられていったら人の数がどんどん少なくなっていった。

ちなみに志熊とさっきの木村とかいう人は別々で尾行してきてた。結構志熊の方は分かりやすかったけど由香さんは気づいてないみたいだった。必死になってなにかを復唱してたけど聞こえなかった。


そんなことを考えてたら由香さんが止まった、どうやら着いたようだ。 ちょっと見渡すと今は使われてない校舎の奥だった。もちろん尾行してきた2人を覗いて人はいない。

由香さんがこっちを向いてきた。


「海斗くん。 あの…ずっと前から好きでした!付き合ってください!」


嘘告じゃなかったらOKしてたな…

まぁ嘘告だと知っててあんまり恋愛する気も無いし。


「そこまで面識がある訳でもないので…まぁ付き合うことはできません すいません」


よしこれでもう二度とないであろう告白というものが終わってしまった。断り方が雑だがまぁ心残りはない

立ち去ろうと思ったら由香さんの様子に気がついた。

目と耳が赤くなっててなんか泣きそうな感じだった。

そう泣きそうだったのだ。まずいことをしたという予感を感じながらどうするべきかと内心慌てていた時由香さんの頬に1滴の雫が流れたと同時に由香さんは走り去って行ってしまった。

あだ?


「これって嘘告だった…よな?」


―数十分後―

放課後、先程の惨状を見ていた2人と共に話し合いをしていた。

最初に由香さんと話しておこうとも思ったがなんと言えばいいかも分からず結局話せず帰ってしまった。

「ひとまず…全員あれが嘘告という想定だったと」


「よくよく考えたら由香が自分から須藤を選んだ時の時点でこの状況は回避できたのかもだね」

木村さんが言った


「とりあえず何かしらはしようぜ 須藤」

志熊が言った


「だよなー、でも由香さんもう帰ったし…」


まじでやっちまったぜ


まぁ何とかして今日中に話しておくべきである。

学校で話すことができない以上面と向かって話すのは無理そうだがかと言って文書や電話ではしっかりと話せる気がしない。やはり面と向かって話すべきだ。



まぁ面と向かって話すといっても住所も何も知らない訳だが。

ちなみに木村さんも知らないみたいだった。

最近の方々はスマホがあるから家の把握などしなくていいみたいだ 。 やばい(2回目)

今日は授業が早く終わる日のため、まだ時間はあるが、なにも思いつかない。


そんな複雑な気持ちで帰路を辿っていたら小学校が見えた。小学生の時に通っていたところで帰る時は毎回前を通る。

そういえば由香さんもこの学校だった。


ふと小学生の頃を思い出していた


1〜6年生まで思い出せる限りのことを思い出した。

その時に、ある出来事を思い出した。

6年生ほどだったか、1回由香さんが泣いてしまった時があった。

下校途中にクラスの男子に好きな子をバラされたとかだったけな?



―数年前―


「やっと学校終わったー」


「じゃあ今日も校庭な」


「わかったー」


まだ無邪気な子供全開でいられた頃

卒業の日が続くなか下校時はいつも同じような景色だった。

今日は違ったが



「ねぇちょっとやめてあげなよ!」


「やだね 由香の好きな人バラしてやるからな」


今日はやけに騒がしいな

特に仲の良い友達もいない僕はこの光景を他人事として見ていた。

まぁこれはしっかりと自分も関係していたことなのだが

この時点では知る由もなかっただろう。


家に帰った後、珍しくおつかいを頼まれた後、家への帰路を辿っていたときある公園でひとり泣いている女の子を見つけた。

当時は女の子が誰か気にしていなかったが今思えばあれは由香さんだった気がする。


「あの…どうしたの?」


「えっ…あっ……」


僕が声をかけると女の子は半分泣きながら黙りこんでしまった。

あっこれやばい

そう思ったは僕は何とかしようと覚えたての土下座しようとして頭を地面に勢いよくぶつけた。


「いてっ」

力加減を間違えたせいですげぇ痛く手で頭を抑えた


この様子を見ていた由香さんから少し笑みがこぼれた

そしてすかさずおつかいの品物が入っているバッグからあるお菓子を取り出した。

母にお釣りでなにか買っていいよと言われたから買ってみたハート型のクッキー。

それを渡すと由香さんは完全に泣きやみ、そして…


―今―


なぜこんなことになったのかをやっと思い出した。

もっと早く思い出してれば

ずっとをそう思いながら走った。

目的地はあの公園、泣いていた女の子もとい由香さんと一番最初に話したあの場所に向かった。

途中見つけたコンビニでハート型のクッキーも買った。

準備は万全、あとは上手くやるだけだ


あの5年前と同じ日、何の変哲もない日だが僕と由香さんにとっては特別な日。



ハァ…ハァ…


息切れしながらも着いた公園。

ここに由香さんがいるという確証もないが今は天が味方してくれることを祈るしかない。


深呼吸しながら公園を見渡すと5年前と同じ所で由香さんがいた。

そこで僕は近づくとすぐさま勢いよく土下座をした。


「すいませんでした!!!」


今度は頭も痛くなく完璧な土下座だった。

そしてポケットからハート型のクッキーを取り出して由香さんに差し出しながら


「あの…無責任ですけど、あの時の約束を果たすために来ました!」


5年前、ハート型のクッキーを渡した後の事

クッキーを受け取った由香さんは泣いていた理由を話してくれた。

理由はやっぱりクラスの男子に好きな人をバラされたからだったらしい。


そして由香さんはもうひとつのことも話してくれた。


自分の好きな人が 須藤海斗 とということも。


実質的な告白だったが由香さんは卒業後引越し、遠くの中学に進学する予定だった。


まだスマホも持っていなかった時、だから僕たちはあることを約束した。


いつかまた会ったとき、今日と同じ日に再度告白することを


このようにして至った今日


僕がさっきの言葉を言い数秒たったあと


由香さんは急に泣きだしそして抱きついてきた。


「忘れられたと思った…」


泣きながら由香さんは安堵していた。



―1年後―

僕たちはハート型のクッキーを持ってまた公園に来ていた。

あの後無事付き合うことができ特に悪いことも無く1年間を過ごすことができた。

ちなみに今でも僕は自分の記憶力のなさを恨んでいる。


「あの時はほんとに焦ったんだからね。」


「ほんとごめん、まじでなんであんなに大切なこと忘れてたんだろ…」


「まぁでも、嬉しかったよ あんなに必死になって何とかしようとしてくれて」


「ああしたおかげでこうなってくれたって考えるとほんと良かった。」


「そうだね。」


僕たちはこの後も末永く幸せ暮らすことが出来た。



見て下さりありがとうございました!

星評価やいいねをしてくださると助かります!

今後もこのような短編小説を投稿していく予定なのでこれからもよろしくお願いします!

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