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Kiss

作者: shiro
掲載日:2022/01/25


青い空、白い雲。

高く飛ぶ鳥たちと、真っ白な壁の小さな教会。

私たちは今日、ここで、永遠の愛を誓う。




「――健やかなる時も、病める時も――」

「はい、誓います」


これまでお世話になった、たくさんの人たち。

豊かな髭の、穏やかな神父さん。

可愛らしいリングガールに、オルガン奏者。


私はこんなにもたくさんの人に支えられて生きているのだ。

今日を迎えるまで、それ以上にもっともっとたくさんの人に出会い、生きてきたのだ。私という人生を。

この日を、迎えるために。


「――誓いますか」

「はい、誓います」


神父さんではなく、まっすぐに彼を見つめた。

マリアベールを選んだのは、この瞬間にまっすぐ彼を見つめたかったから。

薄いベール一枚さえも挟まずに、彼を見つめていたかったから。




たくさんの記憶が蘇る。

彼と出会ってから過ごした、あたたかい日々。

彼と出会った、あの日。

お母さんと喧嘩して家を飛び出したあの日も、家族で出かけた幼いあの日も。


そして、この世界に生まれ落ちた日も。




誰にも言ったことはないけれど、私は彼と出会うために生まれてきたのだ。

それを、幼い頃から知っていた。わかっていた。

彼すら知らない、私だけの真実。


私という人間を形成してくれた、たくさんの出会い。

彼の元へ導いてくれた、たくさんの人たち。

世界はとても、優しいと思う。


ねぇ神父さん、「誓いますか」なんて、本当は笑っちゃう。

笑っちゃうくらい、当たり前のこと。私の生まれた、私の生きる、意味。

やっと出逢えたんだ。やっとここまできたんだ。



少し照れながら微笑む彼に、私も笑いかける。

私が一生、ついてるよ。

誓いの言葉なんてチープに思えちゃうくらい、どんな時も、味方でいるよ。

あなたがあなたでいられるように。


そう唇に想いを乗せて、そっと目を閉じた。











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