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作者: 西行美乃

それは青と白、そして灰が交じる空であった。

深緑の山、手入れのされていない水、たおやかな木々の中の腰掛けに私は座る。来るかもわからぬ待ち人をただ待っていた。着信はない。しかし口元の一枚の布越しの風に潤いを感じていた。時折聞こえる自転車の音にも心を驚かされているような小心者にとって、このような時間は至福である。或いは日頃の圧迫と緊張、孤独とで疲れていたのかもしれない。着信があった。まだ返すべきではない。深く伸びをする。

先程より橋から日が顔を覗かせ始めた。何れ潮時であろう。もう少し待とうと思う。足が熱い。痺れも出てきた。不摂生なのは承知しているが、これ程であるとは思わなかった。楽しみは過ぎ、今こうして君たちにこの場所のことを教えている。返信をした。待ち人は来そうもない。日が隠れる。私と同じ心持ちらしい。

用事をを済ませてしまおうと立ち上がる。上手く歩けない。相変わらずである。立ち眩みがする。変わっていない。どうやら座り込み過ぎていたようだ。深く息を吸う。先客より先に、私はこの場を後にした。


初投稿です。これからも私が見た風景を綴っていけたらいいなと思っています。

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