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間幕 はじまりのりゅう

77話で買った子ども向けの本の内容です。読み飛ばしても大丈夫です。

 さて、買ってもらった本でも読んでみるか。


 ──────────────


 昔、世界には空も海も無く、双極の龍だけがいました。


 二匹はとても仲が良く、いつも一緒に遊んでしました。


 ある日二対の龍が神様に頼まれてて、空と海と大地。そして、そこに暮らす生き物を創っていると、どんな生き物を自分達の世界に住ませるかで、喧嘩になってしまったのです。


 片方の龍が言いました。


「我らの世界にふさわしいのは、強きものだ」と。


 それに、もう片方の龍が反論します。


「いや、弱きものがふさわしい。我々は強いのだから護ってやるべきだ」と。


 二つの龍は大変仲が良かったので、久しぶりに神様が世界を見に来ると、創世の龍達が喧嘩をしているではありませんか!


 神様は大変驚き、こう言いました。


「世界はこんなにも広いのだから、両方住まわせてもいいんだよ」と。


 しかし、神様は来るのが遅過ぎました。


 既に数千年争った後なのです。二龍はいがみ合い、嫌いあい、憎みあってしまったのです。


 最初に空を創った『天龍』は、へそを曲げて、強きものを沢山作った後すぐに、天に戻ってしまいました。


 最初に大地を創った『地龍』は、弱きものをゆっくりと創りました。その時間で、弱きものに天龍が残していった強きものにも負けない知恵を与えたのです。


 知恵ある弱きものを創った地龍は、存分に時間をかけ、時間をかけ過ぎて飛ぶことを忘れてしまったので、翼が退化してしまったのでした。


 天まで飛べなくなった地龍は、翼のないものを大層愛したそうです。


 それを天から見ていた天龍は、今までに無い程に怒り狂いました。


「空の支配者が翼を捨てるとはなにごとか!」

「違うよ。捨てたんじゃない。愛したんだ」


 しかし、怒り狂っている天龍には、地龍のどんな言葉も響きませんでした。


「翼を失った龍など、龍に非ず。空の裏切り者め!私はお前を永遠に許さないだろう」


 そう言い残した天龍は、天に帰り、天龍が帰って直ぐに、強きもの達が暴れだしたのです。


 天龍は信じていました。弱きものを全て無くし、元に戻せば、きっと地龍も天に戻ってくるだろうと。


 しかし……天龍の思惑は大いに外れ、強きものが弱きものを殺しだしたら、今度は地龍が怒りだしてしまったのです。


 これには天龍も大層驚きましたが、引くに引けなくなった天龍は「元はと言えば、お前が悪いのだ!」と、更に怒ってしまいました。


 それから数億年。


 久しぶりに神様が世界を見に来ると、そこは美しい景色と恐ろしい未知で溢れていました。


 しかし、はじまりの龍達の姿は何処にもありませんでした。


 二龍の力は強過ぎたので、ちょうど良いと思い、神様はそのまま世界を支配しました。


 おしまい。


 ──────────────


 えっ!?ここでおしまいなの!?大雑把過ぎるだろ神話……。いや、子供向けだったか。

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