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46話 新たなる遭遇

 文字通り這う這うの体で、グラの山脈から逃げ出すことに成功した。


 進化も済み、山脈の方角をほうと眺めていると、ドラゴンに良く似た影が、昨日の方角へ飛び去っていった。


 氷王はアレと戦っていたのだろう。お陰で助かった。クズにも使い道があったもんだ。


 氷王のグズめ。あれは、あのシルエットは龍じゃない。亜龍だ。ワイバーンだ!

 ドラゴン擬きも倒せない雑魚め。俺が殺してやる。

 ドラゴンに最も近く、良く似、ドラゴンに至れない劣等種。クズめ!忌々しい。


 龍の名を騙りながらも群れる、悍ましい神の贋作!塵芥め!


 沼地の臭い泥の似非ドラゴンが!氷王共々殺してやるぞ!




 ……?




 いや、待て待て。俺はワイバーン怨みなんて無いぞ。


 どうした?


 なんだこの、強い殺意は。ワイバーンの存在そのものが許せない。この、謎の感情はなんだ。


 確かにドラゴンは前世から好きだ。

 しかし、ワイバーンだって嫌いじゃない。ドラゴンライダーとか、乗ってるのはワイバーンだしな。カッコイイとすら思う。


 ワイバーンへの憎悪は、どっから出てきたんだ?

 この感情は、明らかに憤怒を通り越している。


 ワイバーンの影が完全に見えなくなると、不可解な憎悪は霧散した。


 考えられるのは、直近で魔王のせいだが……魔王がワイバーンという種族を、限定で恨んでいるのはおかしい。納得がいかないというか、理由が無いのだ。

 氷王と同程度の実力しか無いなら、ワイバーンという種族ごと、魔王の力で殺し尽くせるだろう。他の王の系統と、魔王では存在の格が違うのだから。


 分からん世界の事象は、この際置いておこう。


 もしかしたら、この世界の生物は、遺伝子レベルでワイバーンが嫌いなのかもしれないしな!


 しっかしこの体あれだな。移動速度が遅い。


 ふわふわ浮いてるし、風に凄い煽られる。


 触手を地面にぶっ刺して身体を固定しないと、一定以上の風速だと飛ばされるな。危険すぎるこのボディ!


 このまま移動しながら、新しいスキルでも試すか。


 人間に友好を示せるスキルとか無いんだろうか?


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 名前:モノリ 性別:不明


 種族:ラークスフォッグ(霧の湖)


 Lv1/70

 HP513/513

 MP471/471


 状態:普通


 常時発動:《共通言語理解》《隠形Lv.4》《触手Lv.10》《触手棘》《熱感知Lv.10》《魔力感知Lv.9》


 任意発動:《調べる》《薬草生成Lv.7》《植物成長速度Lv.7》《植物鑑定》《水汲みLv.8》《血液吸収》《猛毒Lv.1》《噴霧Lv.3》《情報開示Lv.3》


 獲得耐性:《恐怖耐性Lv.10》《斬撃耐性Lv.6》《打撃耐性Lv.5》《刺突耐性Lv.6》《火耐性Lv.2》《風耐性Lv.2》《水耐性Lv.7》《土耐性Lv.5》《雷耐性Lv.2》《氷耐性Lv.8》《邪法耐性Lv.6》


 魔法:《土魔法Lv.2》《水魔法Lv.3》《氷魔法Lv.4》《魔導の心得Lv.2》《魔力の奔流Lv.3》


 称号:意思ある卵 従魔 絞殺好き 逃走者 雑用係 危険な棘 馬車馬 耐性植物 読書家 急成長 近親種殺し 魔法使い 看破せしもの 上位種殺し(氷) 奪われしもの 凶性植物 狼の天敵 上位モンスター 魔王の誓約


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 今更だけど、種族名の後のカッコは、生息地なんだな。

 俺が人間の冒険者だったら、モンスターの群生地や生息地が判明してるのは、仕事に凄い役立っただろうな。


 まずは噴霧だよな〜

 噴霧で身を隠しながら移動しよう!


 《噴霧Lv.3》!


 スキルを発動すると、進化によって更に増えた触手という触手から霧が吹き出し、あっという間俺の身体を隠してしまった!


 熱感知で、霧で温度が下がってる範囲を確認するに、半径十五メートルってところだな。半径ってのがヤバい。

 この霧に入って三十メートルは、俺のやりたい放題タイムだ。


 このモンスター強過ぎない?


 色々検証した結果、噴霧器官のある触手を限界まで伸ばして、スキルを使うと、霧が非常に薄く霧というか(もや)といった感じだ。


 霧は体内の水分が無くならない限り、出し続けることが出来る!ただし、出しすぎると多分死ぬ!さっき死ぬかと思った!ヤベぇ!


 もうね、カラッカラよ!カラッカラ!


 HPもMPも減ってないのに、死ぬかと思った!見えないステータス部分怖い。


 水汲みと併用して使うのを推奨する。まあ、噴霧のスキルを持ってるモンスターが、そんなに居るとは思えないけど。


 乾燥地帯なんかの乾いた土地では、出し続けると、とんでもない速度で自滅しかね無い。調べといて良かった。


 休む時は、地面に埋まって、霧は使わずに行こう。まあ、疲れとは無縁なんだけどね。精神だけ人間だから、精神だけ疲れるんだよなぁ……不便。


 何時間?もしかしたら、何日も移動し続けてたかもしれない。


 雪山はとうに見えないし、蒼い森は夏を想わせた。


 異世界、季節感めちゃくちゃだな。こっちではこれが普通なんだろうけど、数日徒歩?浮遊で移動しただけで、こうも季節が変わるもんだろうか?


 星の自転とか気になるけど、神の力で「実は平面です。端に行ったら奈落に落ちます」って、言われても信じるし、おかしくはない。


 ただ、昼と夜が有るから、普通に丸い星だとは思う。多分ね。神じゃないから知らないけど。


 というか、星が丸いどころか、人間が居て酸素らしきものがある事が奇跡だよな。一々気にしてたら、アルネアお嬢様がアルネアお祖母様になってしまいそうだ。


 いかん。


 今なんか一瞬ブルっと来た。アルネアお嬢様は生きてるに違いない。この直感に近い感覚は、従魔ならではと思いたい。まさか、幽霊になってまで地獄耳とか無いよな?止めてくれよ。


 つい移動も止めてしまったな。にしても、もう少し速く動けないかな?


 増えて細くなった触手は、鞭の如くシュビシュバシャキーンって、速さで動かせるのに。


 この触手何本有るんだろう。最初のモノリーフ頃から、数えるの嫌になるほど触手あったけど、これ何処まで増えるんだろう。


 細くしなやかで頑丈になったな。この細さだと、前みたいに洞を覆って隠すとかは無理そうだな。


 オラ!


 ザクっと良い音がして、触手が地面に突き刺さる。うむ。破壊力も申し分ないな。


 や、待てよ。かなり気持ち悪い見た目だけど、行けるんじゃないか?


 オラ!オラ!ザク、ザク。


 オラ!オラ!ザク、ザク。


 オラ!オラ!ザク、ザク。オラ!オラ!ザク、ザク。オラ!オラ!ザク、ザク。オラ!オラ!ザク、ザク。


 速い!速い!


 ムカデみたいで最高に気持ち悪いけど、めっちゃ速い!


 触手で走るの最高に速いぞ!


 これは、革命だな。植物系モンスターの革命児やぜ!


 命名するなら、菊百足って感じだな。アルネアお嬢様やアリアが見たら卒倒すると思う。滅茶苦茶不気味。

 もし俺が人間で、これを見た日には「見たら呪われる」って、伝承を流すのは確実。


 検証して(遊んで)いると、後ろでボトっという音が聴こえた。まあ、耳は無いから音っていうか振動?いや、音も鼓膜を震わせる振動だから、音でもあながち間違いじゃない……のか?


 今はそんな事はどうでもいいな。見られた!殺さなきゃ!


 音?の方向に、意識を向けると三姉妹。


 見た目は、大学生のお姉ちゃんと、双子の中・高生の子供って感じだな。


 近くに籠が落ちている。これを落としたんだろう。


 特筆すべきは、その美しさ。アルネアお嬢様もアリアのお嬢ちゃんも、お嬢様の学校の先生も凄い美人だったが、そんな比では無い。


 隔絶された、人間という生物では到達し得ない、神の愛した美しさ。


 整い過ぎた顔立ちに、華奢な躯体。膨大な魔力と秘匿された弓の技術を持ち合わせた、最も神に近く、最も神聖なる種族『エルフ』


 高貴なる森の守護者達の表情は、恐怖に染まっていた。

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 名前:モノリ 性別:不明


 種族:ラークスフォッグ(霧の湖)


 Lv1/70

 HP513/513

 MP471/471


 状態:普通


 常時発動:《共通言語理解》《隠形Lv.4》《触手Lv.10》《触手棘》《熱感知Lv.10》《魔力感知Lv.9》


 任意発動:《調べる》《薬草生成Lv.7》《植物成長速度Lv.7》《植物鑑定》《水汲みLv.8》《血液吸収》《猛毒Lv.1》《噴霧Lv.3》《情報開示Lv.3》


 獲得耐性:《恐怖耐性Lv.10》《斬撃耐性Lv.6》《打撃耐性Lv.5》《刺突耐性Lv.6》《火耐性Lv.2》《風耐性Lv.2》《水耐性Lv.7》《土耐性Lv.5》《雷耐性Lv.2》《氷耐性Lv.8》《邪法耐性Lv.6》


 魔法:《土魔法Lv.2》《水魔法Lv.3》《氷魔法Lv.4》《魔導の心得Lv.2》《魔力の奔流Lv.3》


 称号:意思ある卵 従魔 絞殺好き 逃走者 雑用係 危険な棘 馬車馬 耐性植物 読書家 急成長 近親種殺し 魔法使い 看破せしもの 上位種殺し(氷) 奪われしもの 凶性植物 狼の天敵 上位モンスター 魔王の誓約


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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新小説からとんできたけどなかなか面白かったです [気になる点] エルフが第三の飼い主候補か....いつか元飼い主たちが勢揃いして私の○○よって言い争うシーンをみてみたいですね [一言] …
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