41話 ゴーレム捜索継続
ようやく戦闘を終えた俺は、索敵・捜索はタウル達に任せ、陣形の中央で頭を捻らせていた。
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名前:モノリ 性別:不明
種族:スティンガープラント(ヴドァ)
Lv18/30
HP21/126
MP87/87
状態:損傷(大)
常時発動:《共通言語理解》《擬態Lv.7》《触手Lv.10》《触手棘》《熱感知Lv.6》《魔力感知Lv.7》
任意発動:《調べる》《薬草生成Lv.4》《植物成長速度Lv.5》《植物鑑定》《水汲みLv.6》《血液吸収》《毒Lv.7》
獲得耐性:《恐怖耐性Lv.7》《斬撃耐性Lv.6》《打撃耐性Lv.4》《刺突耐性Lv.4》《火耐性Lv.2》《風耐性Lv.2》《水耐性Lv.3》《土耐性Lv.4》《雷耐性Lv.1》《氷耐性Lv.1》《邪法耐性Lv.4》
魔法:《土魔法Lv.1》《魔導の心得Lv.1》《魔力の奔流Lv.1》
称号:意思ある卵 従魔 絞殺好き 逃走者 雑用係 危険な棘 馬車馬 耐性植物 読書家
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折角自分の上位種を倒して、レベルがズドーン!と上がったのに、ステータスが上昇しない。スキルは上昇したのになんでぞ?
伝説の《調べる》さんを使うか。表示される内容量に差があり過ぎて信用ならないんだよなぁ……。
まあ、原因が有るとすれば、対森王ですら見なかったこのステータスだろう。
損傷(大):称号の付与と基礎ステータス上昇の中断
はぁ〜なるほどな。
スキルは知識に近い扱いなんだな!
右腕を失ったからといって、左腕の動かし方が、分からなくなったりしないもんな。
それと、称号の付与の中止が損傷の大小に関わるってことは、称号は飾りではなく、ステータスの何かしらに影響を及ぼしてる事が推測できる。
それも基礎ステータス系の何かだ。攻撃力とか、守備力とか、素早さ、器用さなんかに掛かってくるのだろう。でなければ、スキルの上昇と共に付与されて然るべきだ。
脚が吹っ飛んだ生物に、韋駄天の称号を与える神がいるとは思えんしな。人間が人間に与える称号なら、名誉の負傷とかで有り得るだろうけどね。
つまりあれか?森王に吹っ飛ばされた時の瀕死表示は、全身打撲みたいなもんで、欠損では無いから、ステータスが正しく上昇したと。そういう事か?事実、そういう事なんだろうな。
この世界のシステム、分かんなさ過ぎてやんなってくる。
《調べる》にムラがある理由も、いまだによく分かんないしな。
取り敢えず、核の損傷を何とかしないと、レベルアップの恩恵があんまり無い。
アイスゴーレムとか、これまた痛覚の無い奴と戦わなきゃいけないんだし、基礎ステータス上昇の中断はエグいな。力づくで押さえつける羽目になるだろうから、基礎ステータスは上げときたい。
後、心做しか移動速度低下も起こってる気が……いや、雪が更に深くなってるのか。
これ、触手で高さの取れる俺は良いけど、タウル達は辛そうだな。後数センチ雪が深くなったら、重装備のタウルは亀より遅くなりそうだ。
まあ、そんな事より、次のモンスターが出る前に回復しないと、死んじゃうので、ポドルを攻撃にならない程度の威力で小突きまわす。
「い、痛いです!やめなさいレルレゲント!」
「もしかして、ポドルに何かして欲しいんじゃないのか?」
「そうですの?」
そうですわ!
体の荊棘に隠れた核の部分を開いて、中を見せる。
「スティンガープラントは体内の核が本体だから、治して欲しかったのね」
その通りだよ!流石上級魔導師ヒューリアさん!雪崩の心配のせいで、攻撃魔法撃てなかったのは許す!雪崩起きたら一巻の終わりだから、許すもクソもないけどね。
「魔法じゃ治せそうにないわ。ヒューリアさんアイテムを使っても?」
「アリアお嬢様の従魔よ。もし、使わずに死んだら、なんて報告するつもりよ」
「そいつぁおっかねぇな……」
「私もあの火魔法は喰らいたく無いかなぁ」
「でも、欠損だろ?上級ポーションなんて幾らすると思って」
「アリアお嬢様大事にしてるから、出してくれるわよ」
「そうですよね!じゃあ、使っちゃいますね!MPも大分減りましたし、上級ポーションもここで使っちゃうので、大怪我には気を付けてください」
「俺らが慎重になる分、頼むぜレルレゲント!」
任せろカルモド!
ピンク色の、日本で見れば明らかにヤバそうな液体を、核に直接ドボドボと掛けられていく。
薬草をすり潰して作るのだろう。ドロッとしていて、飲まなくて済んで良かったと心から思う。口がなくて良かった。
現金だな俺。
かけられた部分から治っていくのが分かる。なんか痒い気がするのは、人間の頃の残滓だろう。
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名前:モノリ 性別:不明
種族:スティンガープラント(ヴドァ)
Lv18/30
HP168/168
MP137/137
状態:普通
常時発動:《共通言語理解》《擬態Lv.7》《触手Lv.10》《触手棘》《熱感知Lv.6》《魔力感知Lv.7》
任意発動:《調べる》《薬草生成Lv.4》《植物成長速度Lv.5》《植物鑑定》《水汲みLv.6》《血液吸収》《毒Lv.7》
獲得耐性:《恐怖耐性Lv.7》《斬撃耐性Lv.6》《打撃耐性Lv.4》《刺突耐性Lv.4》《火耐性Lv.2》《風耐性Lv.2》《水耐性Lv.3》《土耐性Lv.4》《雷耐性Lv.1》《氷耐性Lv.1》《邪法耐性Lv.4》
魔法:《土魔法Lv.1》《魔導の心得Lv.1》《魔力の奔流Lv.1》
称号:意思ある卵 従魔 絞殺好き 逃走者 雑用係 危険な棘 馬車馬 耐性植物 読書家 急成長 近親種殺し 魔法使い 看破せしもの 上位種殺し(氷) 奪われしもの 凶性植物
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おぉ!
……おぉ?
基礎ステータスに影響が有る可能性が高いと知った今、称号の付与は嬉しいけど、明らかにやべぇのが幾つかあるな。
モノリーフの頃から、レベルアップだけでは説明できない不自然なHPMPの上昇があったけど、称号のせいだったんだ事が分かって良かった。積極的に集めていきたい。
が、凶性植物とか、絶対良くないでしょ!
凶性だよ?いや、凶性ってなんだよ?!
とにかく、この近親種殺し・上位種殺し(氷)・凶性植物は《調べる》さんを使うか。明らかにヤバそうだもの。
《調べる》!
いけオラァ!
近親種殺し:(近親種を倒したものへの称号。称号進化)
上位種殺し(氷):(上位種に打ち勝ったものへの称号。水・氷系統への称号進化)
凶性植物:(仲間を能動的に危機に晒した、凶暴で悪意的な植物への称号。強い個体へ至る可能性。称号進化)
称号進化!
はい。知らない単語でてきましたねぇ。相変わらずムラがあるな《調べる》さん。
称号進化を具体的に出してくれよ。
まあ、そのまま解釈するなら、称号の付与によって進化先が増える。又は、進化先が制限される。だと、思われる。
この場合は水・氷系統の進化先が出るか、フロストプラントに進化させられるんだろうけど、凶性植物のせいで、進化先が絞れないな。
最初がホワイトスライムの卵だったのに、魔力孵化で植物系モンスターになった訳だから、称号進化が魔力孵化より強制力が上か下かが、問題になってくる。
人間が与えた魔力ですら、孵化に影響を及ぼすのに、神的存在から与えられたであろう称号が、影響が弱いか?
ん〜普通に否だな。弱いはずが無い。
凶性植物が、人間に優しい進化先かなぁ……?あんまりヤバいのだと、街に入れないだろうし……祈るか。
結局重要な場面全部祈ってる気がする。神頼み多いよな。己で運命を切り開くのが勇者なら、運命に振り回されるのがモブキャラクターか。
まあ、進化先が表示されてから悩めばいいだろう。
体力が全快し、念願の魔法も手に入れたので、疲労の色が見える五人に変わり、先頭を行くことにした。
「レルレゲント先に行きたいの?」
魔力感知も上がったし、土魔法も確かめたいからね。というか、先に行かれて経験値減ってもやだし。
「そうだ、どうせなら触手を盾にしながら移動できる?」
どういう感じだろ?取り敢えず格子状にして、触手の太い部分で雪かきしながら、前へ少し進んでみる。
「レルレゲント!お前天才だな!歩きやすい!」
「格子状だから、向こうの景色も見えるしね!」
そうだろうそうだろう。存分に褒め称えるのじゃぞ?
アイスゴーレム捜索を雪かきしながら進め、途中アイスウルフの群れ?小隊?みたいなのにちょくちょく遭遇し、触手で弾き倒しながら一日目のアイスゴーレム捜索を終えた。
アイスウルフは連携こそ厄介なものの、少数だと数の利を触手の多さが覆してしまうので、体感的に十体以上の大型の群れで無ければ、一方的に蹂躙出来てしまう。
三体から五体の小さな群れに多く遭遇するので、ちょうど大きな群れから、独立する時期なのかもしれん。
倒しやすくて助かる。
倒したアイスウルフを、アリアに手土産として持って帰ろうとして、全部触手で持ち運んだら全部で二十体以上になってしまった。
二十体丁度になるように、他のは《血液吸収》で経験値にしてしまおう。
よし、こんなもんだな!さて、レベルは如何程に?
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名前:モノリ 性別:不明
種族:スティンガープラント(ヴドァ)
Lv23/30
HP152/220
MP76/172
状態:普通
常時発動:《共通言語理解》《擬態Lv.8》《触手Lv.10》《触手棘》《熱感知Lv.7》《魔力感知Lv.7》
任意発動:《調べる》《薬草生成Lv.4》《植物成長速度Lv.7》《植物鑑定》《水汲みLv.6》《血液吸収》《毒Lv.8》
獲得耐性:《恐怖耐性Lv.7》《斬撃耐性Lv.6》《打撃耐性Lv.4》《刺突耐性Lv.5》《火耐性Lv.2》《風耐性Lv.2》《水耐性Lv.3》《土耐性Lv.4》《雷耐性Lv.2》《氷耐性Lv.3》《邪法耐性Lv.4》
魔法:《土魔法Lv.1》《魔導の心得Lv.2》《魔力の奔流Lv.2》
称号:意思ある卵 従魔 絞殺好き 逃走者 雑用係 危険な棘 馬車馬 耐性植物 読書家 急成長 近親種殺し 魔法使い 看破せしもの 上位種殺し(氷) 奪われしもの 凶性植物 狼の天敵
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おぉ〜!
連携してくるモンスターと戦ったのは初めてだから、経験値が大きかったのかもな。
数もかなり倒したし、血液吸収が、意外といい経験値になってるのかも。
アイスウルフばっかり出てくるから、片っ端から倒してたら、天敵に認定されてしまった。経験値美味しいです!
狼の天敵を調べる!
狼の天敵:(ウルフ系のモンスターに5%の与ダメージボーナス。ウルフ系のモンスターからのヘイト上昇)
うん。色んなモンスターの天敵になりたいね!ヘイト上昇って、単体で生きてく時には要らないけど、従魔。主人の壁役としては優秀な称号だな。
アルネアお嬢様の元に戻る前に、天敵獲得しまくりたいな。
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名前:モノリ 性別:不明
種族:スティンガープラント(ヴドァ)
Lv23/30
HP152/220
MP76/172
状態:普通
常時発動:《共通言語理解》《擬態Lv.8》《触手Lv.10》《触手棘》《熱感知Lv.7》《魔力感知Lv.7》
任意発動:《調べる》《薬草生成Lv.4》《植物成長速度Lv.7》《植物鑑定》《水汲みLv.6》《血液吸収》《毒Lv.8》
獲得耐性:《恐怖耐性Lv.7》《斬撃耐性Lv.6》《打撃耐性Lv.4》《刺突耐性Lv.5》《火耐性Lv.2》《風耐性Lv.2》《水耐性Lv.3》《土耐性Lv.4》《雷耐性Lv.2》《氷耐性Lv.3》《邪法耐性Lv.4》
魔法:《土魔法Lv.1》《魔導の心得Lv.2》《魔力の奔流Lv.2》
称号:意思ある卵 従魔 絞殺好き 逃走者 雑用係 危険な棘 馬車馬 耐性植物 読書家 急成長 近親種殺し 魔法使い 看破せしもの 上位種殺し(氷) 奪われしもの 凶性植物 狼の天敵
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