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39話 vsフロストプラント

少し短め。

 知恵で勝つ!と、豪語したものの、相手はこの雪山に最適化した個体で、こっちは森の個体だ。


 地の利が向こうにあり、なおかつ擬態レベルが俺より高い。俺より擬態レベルが高いということは、俺よりレベルが高い可能性もある。


 俺一人だったら確実に逃げてたな。


「なぁ、氷属性のスティンガープラントって、棘はどんな感じなんだ?」

「分からない。近付か無い方がいいと思うわカルモド。亜種とはいえ、棘に毒がある可能性は高いし」

「可能性って事は、ヒューリアさんも戦ったことは」

「無いわね。過酷な環境に適応したモンスターは、通常の個体よりも、強いのが相場よ」

「それって、レルレゲントよりも強いんですか!」

「えぇリタ。そう思ってた方がいいわ」


 って事は俺がDだから、Cクラスの強さはある訳か。通りで俺の感知に引っかからない訳だ。


 見た感じ触手は俺より少ないな。まあ、俺の触手レベル多分上限値だし、当然ちゃ当然だけど。


 後、熱感知は切っとこう。周りの温度が低いのも有るけど、植物系モンスターに意味は無い。


 魔力感知だけに切り替えるが、地味に見づらい。氷版俺はそんなに魔力が多くないらしい。


 あ、ダメじゃん。熱感知完全に切ると、魔力少ないタウルとかが殆ど見えない。


 作戦を練っていると、ヒュッという音と共に、見づらい氷の触手が一番近いカルモドに飛んでくる。


「ぬお!?!?ダメだ避けづれぇ!」


 カルモドは横に飛びギリギリ直撃は免れたらしい。


「〜『状態異常治療』〜『治癒』」


 ポドル詠唱速いな。多少のダメージは大丈夫そうだ。


「皆距離を取って!レルレゲントは触手を防げるかしら?」


 ヒューリアさんから、指示が飛ぶと、一斉に距離を大きく取った。


 俺も触手を壁のようにして指示に応じる。


「レルレゲントの触手壁の間から狙いましょう」

「分かりました!」


 ポドルとヒューリアが矢に魔法を付与し、リタとカルモドが器用に俺の触手の間を抜いて敵に攻撃する。


 相手の触手は何本か焼き切れたが、俺も驚くスピードで触手が元に戻った。戻ったというより生えてきた?


 《触手Lv.10》を持つ俺より、触手の再生スピードが早いなんてことあるのか!?


 今度は連続で触手が撃ち込まれる。


 壁を作ったり、カウンターで触手を当てたりして防いでいるが、触手の動きが時間を追うごとに悪くなってる気がする。


 撃ち込まれる。防ぐ。撃ち込まれる。防ぐ。


 そんなのを十分以上も繰り返していると、段々と敵の触手を弾けなくなってきた。明らかにこちらの触手だけ動きが悪くなっている。


 何でだ?


 魔法が付与された矢でなんとか相手の核を破壊しようと目論むが、客観的にこうして見ると、茨に囲まれた見えづらい核を射抜くのが、いかに難しいかよく分かる。


 深い雪のせいで回避が困難なので、俺の防御を抜けた触手はタウルが全部引き受けている。

 俺の触手が遅くなってから、明らかに攻撃が後ろに行く数が多くなっている。


 ダメージだと勘違いして、ポルドが状態異常治療や回復を掛けてくれるが、どうも効果は無さそうだ。


 途中埒が明かないので、火力の高い大技をヒューリアに撃ってもらおうと相談してたが、どう考えても、そんなことをすれば雪崩が起きる。

 ポドルとヒューリアの積極的な諫めが無ければ、今頃雪崩の下だったろうな。


 そんなことはいい。いや、良くないけど、今は触手の速度低下をなんとかしないと全滅するぞ!


 クソ!どうすればいい?


 とにかく、攻撃を防ぎながら、ステータスと睨めっこするしか!


 ステータス!



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 名前:モノリ 性別:不明


 種族:スティンガープラント(ヴドァ)


 Lv12/30

 HP126/126

 MP87/87


 状態:普通


 常時発動:《共通言語理解》《擬態Lv.6》《触手Lv.10》《触手棘》《熱感知Lv.6》《魔力感知Lv.6》


 任意発動:《調べる》《薬草生成Lv.3》《植物成長速度Lv.3》《植物鑑定》《水汲みLv.4》《血液吸収》《毒Lv.5》


 獲得耐性:《恐怖耐性Lv.5》《斬撃耐性Lv.6》《打撃耐性Lv.4》《刺突耐性Lv.3》《火耐性Lv.2》《風耐性Lv.2》《水耐性Lv.3》《土耐性Lv.4》《雷耐性Lv.1》《氷耐性Lv.0》《邪法耐性Lv.4》


 魔法:《土魔法Lv.0》《魔導の心得Lv.1》《魔力の奔流Lv.1》


 称号:意思ある卵 従魔 絞殺好き 逃走者 雑用係 危険な棘 馬車馬 耐性植物 読書家


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ステータスを表示させた瞬間、盾にしていた触手が壊れた。


 千切れたのではなくて、壊れた。


 触手が凍り付いていたらしい。


 相手のスキルか!?


 それより触手を回復しないと!


 えーあーどうする?


 これだ!やけクソ気味に《植物成長速度Lv.3》を触手に使うと、いつもに比べ、かなり早く触手が生え揃った。


 敵が使ってたのはこれか!


 進化時の熟練度や移動中の試行錯誤のお陰か、熟練度が溜まっていたらしく、ステータスの表示が《植物成長速度Lv.4》になっていた。スキルレベルアップだ!


 壊れた触手や、明らかに動きの遅い触手を自力で切り離し、新たに生やす。


 そうすると、最初のように防御の速度が追い付いてきた。


 重い触手を切り離した時に、凍り付いている部分があったり、切り離した断面から水が溢れていた。

 雪のせいで水を吸っていたらしい。そして、相手の棘で触手が傷付いた時に、表面に出た水が寒さで徐々に凍り付き、動きを阻害していたようだ。


 疲労の無い植物同士の戦闘に介入するのを諦めたのか、次の敵の為に体力や魔力を温存する為か、俺が防御を立て直すと、ポドルとタウル以外は戦闘態勢を解き後ろに大きく下がった。


 敵はコイツだけじゃないもんな。効率的なのは分かるがちょっと心細いぞ。


 タウルは下がったメンバーに攻撃が行かないようにしてるだけで、戦闘に参加する気は無いらしい。


 俺はタウルを休ませようと、敵との距離を詰める。


 氷の触手と俺の触手で殴り合いだ。


 俺は防ぐばかりで有効打が無く、相手は本能的に攻撃してきているだけなので、俺の核を的確に狙い撃つことはない。

 泥仕合というか、永久機関のようになっている。


 早く決め手を見つけないと、寒さでこちらの仲間の体力だけが延々奪われていく羽目になるな。


 どうしよう。


 相手の核を攻撃しようにも、こちらの棘と相手の棘が干渉しあって、上手く攻撃が通らない。


 せめて、相手の硬い氷の触手を砕ければ良いんだけどな。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 名前:モノリ 性別:不明


 種族:スティンガープラント(ヴドァ)


 Lv12/30

 HP126/126

 MP87/87


 状態:普通


 常時発動:《共通言語理解》《擬態Lv.6》《触手Lv.10》《触手棘》《熱感知Lv.6》《魔力感知Lv.6》


 任意発動:《調べる》《薬草生成Lv.3》《植物成長速度Lv.4》《植物鑑定》《水汲みLv.4》《血液吸収》《毒Lv.5》


 獲得耐性:《恐怖耐性Lv.5》《斬撃耐性Lv.6》《打撃耐性Lv.4》《刺突耐性Lv.3》《火耐性Lv.2》《風耐性Lv.2》《水耐性Lv.3》《土耐性Lv.4》《雷耐性Lv.1》《氷耐性Lv.0》《邪法耐性Lv.4》


 魔法:《土魔法Lv.0》《魔導の心得Lv.1》《魔力の奔流Lv.1》


 称号:意思ある卵 従魔 絞殺好き 逃走者 雑用係 危険な棘 馬車馬 耐性植物 読書家


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