18話 進化
凶悪鹿親子を倒した後、血の臭いに釣られて、モンスターが来ても嫌なので、地面を触手で掘って埋めた。例え近くまで来ても、食べる肉が無ければ、帰って行くだろうし。
手近な木に登り、周囲警戒の為に、あっちこっち触手を潜ませておく。警戒も水も飲めるので、一石二鳥だ。
さて、レベルは上がってるよな?あんなに苦労したんだし、一つぐらい上がってるだろ。
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名前:モノリ 性別:不明
種族:モノリーフ(リーフィリア)
Lv9/10
HP30/65
MP34/34
状態:経験値吸収中
能力:《共通言語理解》《調べる》《触手Lv.9》《薬草生成Lv.1》《植物成長速度Lv.1》《植物鑑定》《水汲みLv.3》《擬態Lv.1》《恐怖耐性Lv.2》《斬撃耐性Lv.1》《打撃耐性Lv.1》《刺突耐性Lv.1》《血液吸収》
魔法:《土魔法Lv.0》
称号:意思ある卵 従魔 絞殺好き 逃走者 雑用係
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経験値吸収中って、まあ間違えなく、この血液吸収だろうな。いつから俺吸血植物になったんだ。
……って、もしかして、地中に埋めた鹿親子のせいか!水と一緒に吸収しちゃたのね。
それにしても、流石モンスターと呼ばれるだけはあるな。血液で経験値吸収できるなんてな。
能力欄が増えてきて見づらいな。なんか、ソート機能的なの無いんだろうか?念じれば……あ、表示変えられるな。
ここを、こうして……出来た!
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名前:モノリ 性別:不明
種族:モノリーフ(リーフィリア)
Lv9/10
HP30/65
MP34/34
状態:経験値吸収中
常時発動:《共通言語理解》《擬態Lv.1》《触手Lv.9》
任意発動:《調べる》《薬草生成Lv.1》《植物成長速度Lv.1》《植物鑑定》《水汲みLv.3》《血液吸収》
獲得耐性:《恐怖耐性Lv.2》《斬撃耐性Lv.1》《打撃耐性Lv.1》《刺突耐性Lv.1》
魔法:《土魔法Lv.0》
称号:意思ある卵 従魔 絞殺好き 逃走者 雑用係
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今気付いたけど、触手って能力であって身体じゃ無いのな。だから千切れても痛くないし、直ぐ生えてくるのか。
任意発動じゃないのは当然だろうな。任意で効果切ったら、目玉と葉っぱだけの気持ち悪い何かになってしまうもの。
薬草生成って任意なのね。いや、一向に上がんねーなとは思ってたんだけどね。勝手に生えてくるのかと思ってた。
最初の薬草は、サービス的な感じなんだろうか?エメム草だったかな?
能力使ってみるか。
薬草生成と念じると、頭の中に五枚の葉っぱが浮かんでくる。どうも、一枚毎に何を育てるか選べるようだ。
俺の目玉にくっついてる葉っぱは、牧場ゲームの畑かなんかかよ。
レベルが一しか無い影響か、選べるのは最初に生えてた薬草だけだったので、五枚全部同じ設定にしておく。
よし、出来た。
次は植物成長速度を、一枚目の所に使ってみよう。
発動っと……。
あ、これ身体ほんの少しだけ怠い。ステータス見たらMPちょっと減ってるし、自分の栄養を分け与えてる感じなんだろう。
MPの使い過ぎには要注意だな。MP尽きたら、動けなくなるか、移動速度が最低になる可能性が出てきた。
これは、要検証だな。戦闘中に動けませんとか、仲間がいればいいけど、現状では的もいいところだしな。
色々能力を検証しつつ、体力回復&触手回復を待っていると、急に目の前に表示が現れた。
"進化が可能になりました。進化しますか?"
えっ、あ〜まあ、進化するけど。血液吸収の影響だろうな。まあ、それはいいんだけど、地味。
進化へのレベルアップの絵面が凄く地味。いや、植物系モンスターなだけあるわ。スゲー超絶ウルトラハイパードラゴニック地味な進化だな。
鹿と死闘繰り広げた後に進化した方が、圧倒的カッコイイのに、何故こんなにも地味な進化なの?神は俺を見放してるのん?
取り敢えず、進化先の表示を見たいので、ステータスを出そう。
どれどれ?
進化先:エンジェルフォビア・スティンガープラント・マンイーター
碌な進化先がねぇ。
天使恐怖症に刺突植物に人喰い。
つか、リーフィリアはまだなのね。それとも、リーフィリアは系統の表示で進化予定先じゃないのか?
エンジェルフォビア(やや強い。非常に愛らしい。幻覚花粉)
《調べる》さん相変わらず断片的っすね。マジちゃんと表示してください。
スティンガープラント(まあまあ強い。刺々しい。毒)
うわ、怖ぇよ。めちゃくちゃ怖いわ!
マンイーター(それなりに強い。歩く樹。擬態高)
どれが一番強いんだよ!分かんない!
《調べる》先輩雑過ぎて泣くわ。
待て待て、泣いてる場合じゃない。頭をフル回転させろ。俺の強さランクはEランク。それからの進化ならDかCのはずだ。
モノリーフの貧弱っぷりからして、Eでも、下の方だろう。なら、Cはあって下位。なら、Dが一番有り得そうだな。
エンジェルフォビアは、幻覚使いのモンスター。なら、本体は弱いと考える。状態異常専門の魔法使いが、筋肉モリモリなはずないしな。
スティンガープラントは、刺々しいからして、攻撃特化のモンスター。攻撃に特化し過ぎて、防御力は低い可能性がある。両方そこそこ高い可能性もあるけど、リスクを考えよう。
マンイーターは、擬態が高い事から、本体はそんなに強くないだろう。ただ、エンジェルフォビアよりは強いはずだ。
多分だが、エンジェルフォビアが魔法タイプ。スティンガープラントが攻撃タイプなので、マンイーターは、名前に似合わず防御タイプだと推測している。
勿論あってる保証は無い。スティンガープラントが、棘で身を守る防御タイプの可能性もあるし、マンイーターが、滅茶苦茶凶暴な攻撃タイプの可能性もある。
モンスターを狩り続けないといけない事を考えると、一見攻撃タイプが良いような気もするし、連戦を考えるなら、継続戦闘能力が高い防御タイプが良いような気もする。
でも、どうせ異世界に来たんなら、魔法を使ってみたい。この誘惑には、実に逆らい難い。
正直、お嬢様を探す必要が無ければ、この進化先決定だけで、一年近く悩める自信がある。
……危ねぇ!忘れてた!植物系モンスターなんだから、もしかしたら、自力で移動できなくなる可能性がある。
モンスターといえど草だしな。根付いて動けませんとか、十二分に有り得そうだ。植物は基本的に移動しない。自分が歩く葉っぱだから、忘れかけてた。
なら、歩くと明言されているマンイーターに限るか?でも、マンイーターの姿でお嬢様に会ったら攻撃されそう。
いや、無いな。マンイーターは無い。もし、万が一、食事が人間限定されてるモンスターなら、人前に出れない。それに、何かの拍子にお嬢様を喰ってしまうかもしれない。
自力で動けなくなるの覚悟で、エンジェルフォビアかスティンガープラントを選ぶしか無い。
まさか優秀な植物系モンスターに、こんな落とし穴があったなんて。
お嬢様を守るには、幻覚系が効かない敵が居る可能性も考えると、スティンガープラントしかないか。
それに、レベルをガンガン上げたいし、幻覚に嵌った敵をちまちま狩るのは効率悪そうだしな。
決めた。
進化先選択スティンガープラント!
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名前:モノリ 性別:不明
種族:モノリーフ(リーフィリア)
Lv9/10
HP30/65
MP34/34
状態:経験値吸収中
常時発動:《共通言語理解》《擬態Lv.1》《触手Lv.9》
任意発動:《調べる》《薬草生成Lv.1》《植物成長速度Lv.1》《植物鑑定》《水汲みLv.3》《血液吸収》
獲得耐性:《恐怖耐性Lv.2》《斬撃耐性Lv.1》《打撃耐性Lv.1》《刺突耐性Lv.1》
魔法:《土魔法Lv.0》
称号:意思ある卵 従魔 絞殺好き 逃走者 雑用係
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