16話 致命
痛っ……。
痛い?
まだ、生きてんのか。ステータス!ステータス!
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名前:モノリ 性別:不明
種族:モノリーフ(リーフィリア)
Lv8/10
HP2/65
MP34/34
状態:瀕死
能力:《共通言語理解》《調べる》《触手Lv.9》《薬草生成Lv.1》《植物成長速度Lv.1》《植物鑑定》《水汲みLv.3》《擬態Lv.1》《恐怖耐性Lv.2》《斬撃耐性Lv.1》《打撃耐性Lv.1》《刺突耐性Lv.1》
魔法:《土魔法Lv.0》
称号:意思ある卵 従魔 絞殺好き 逃走者 雑用係
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レベルが一つ上がって、耐性が増えてる……?
吹き飛ばされた後、着地まであっちこっちに、ぶつかりまくったみたいだな。どうも、モンスターにもぶつかったらしい。
耐性が生えてる所を見るに、木の枝とかで、ザックザク切ったり、刺さったりしたんだろうな。
いや〜にしても、良く生きてたな。
植物系モンスターだから、元々打撃耐性が高くて、落下の衝撃を和らげてくれたのかもしれない。それと、木の上の方に生い茂ってる部分じゃなくて地面に叩き付けられてたら、終わってたな。
森王化物過ぎんだろ。なんだアレ。
……そんな事より、アルネアお嬢様達は逃げ切れたのか?称号の従魔が消えてないから、生きてるかな?でも、卵の称号は消えてないし、称号あっても、気休めにしかならんか。
触手も殆ど吹き飛んでやがる。生きてるのは五本だけ、防御に回して無かった部分だけか。まあ、これは直ぐ生えてくるし、ある程度生えるまで休むか。
目玉がふらつかなくなるぐらいまで本数が回復したので、辺りを捜索してみる。HPは、自分に薬草が生えてたのを思い出して、身体に絞ったら、結構回復した。但し、なんかジクジクして、不快である。
……ふむ。
現在地不明。方角不明。距離不明。三拍子揃ってて、どうしようも無いな。
一先ず目標を決めるか。
一つ、お嬢様を見つける。
二つ、森から出る。
三つ、強くなる。
こんなもんだろう。大雑把だが、植物系モンスターの身体のお陰で動き続けられるし、地面から水も吸えるから拠点の確保も要らない。
最強のソロプレイヤーなんじゃないか?
取り敢えず、ありとあらゆる事がどうしようもないので、強くなる事を優先し、モンスターを探して倒す事にした。
何処まで吹っ飛ばされたのか全く分からんが、相変わらず森は深い。なので出てくるモンスターも強いだろう。
待て、落ち着いて冷静に考えたら、俺は植物系モンスターだ。と、いう事は、肉食系モンスター、食物連鎖の上位に君臨する化物に襲われない訳だ。今までは、お嬢様達が一緒だったから襲われてたのか。
そして草食系のモンスターでも、植物系モンスターをわざわざ喰う様な奴しか襲ってこないはずだ。だって、普通の動かない植物を食べる方が楽だもん。
俺単体だと、俺から攻撃しない限り、基本的に誰にも攻撃されないんだな。
じゃあ気を付けるべきはなんだ?考え付く限り、生き抜く事に関してはほぼ無敵だ。
まあ、動きながら考えるか。
なんか、嫌な予感がするんだよな。こう、キュプロクスや森王とは別な感じで。
しばらく歩いていると、目的地が分からないから、彷徨っているとが、正しいのか?何でもいいか。
モンスターを発見した。時間も経って、触手も体力もかなり回復したし、戦ってみるか。
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名前:モノリ 性別:不明
種族:モノリーフ(リーフィリア)
Lv8/10
HP42/65
MP34/34
状態:普通
能力:《共通言語理解》《調べる》《触手Lv.9》《薬草生成Lv.1》《植物成長速度Lv.1》《植物鑑定》《水汲みLv.3》《擬態Lv.1》《恐怖耐性Lv.2》《斬撃耐性Lv.1》《打撃耐性Lv.1》《刺突耐性Lv.1》
魔法:《土魔法Lv.0》
称号:意思ある卵 従魔 絞殺好き 逃走者 雑用係
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ほむ。かなり回復してるし、いけそうだな。
あれは何だろう。地球で言うところのヘラジカ的な見た目だ。
うーん。敵のステータスが視える能力が欲しいな。見た目だけなら、俺の二十倍は強そうだし悩む。
悩んでも意味無いか。視えないものは仕方ない。当たって砕けろだぜ!いや、砕けちゃ駄目だろ。
当たって駄目そうなら、木に登って逃げよう。相手四足歩行だし。
草をはんでいるので、後ろから奇襲する。念の為、触手も地面に潜ませておく事にした。
緊張するな。
今までは、絶対に勝てるか、絶対に勝てない相手としか、戦って来なかったからな。実質初戦闘なんじゃ無いだろうか。
慎重に素早く、触手で脚を絡め取る。ここだ!
よし!フフッフー暴れても無駄だ。観念するんだな。
このまま吊りあげれば……!
なぁ!?馬鹿な!そんなバナナ!
ツノォ!?尖った角で、触手ぶった切りやがった!やっと生えてきたのに。舐め腐りおって、許せん。
しかぁし、ここは、撤退撤退!
食事の邪魔されて、ゴリゴリに怒ってらっしゃる。鹿なのに。
慌てて、近くの木の上に、触手を枝に引っ掛けて登る。気分は、植物系モンスターというより、とってもスパイダー。今回の襲撃は失敗だなんつって。
……………………。
我ながら寒過ぎて凍え死ぬかと思った。
ヘラジカ(凶悪)は、暫く木の周りをウロウロしていたが、そのうち登る手段が無いと諦めたのか、何処かに行った。
今気づいんだけど、触手地面に潜ませたまま俺が今木の上に居る事を考えると、この触手伸びる範囲滅茶苦茶広いな。
本当は、あのまま地面の触手も上げて、ぐるっぐるのシカボールにしてやろうと、思ったんだが、あの角剣かよ。あんなにスッパリ切れるとは思わなんだ。超焦った。
残った触手と、地面に潜ませてたのを回収?して、自分をぐるぐる巻にしておく。
木の上だし、これなら、枝と混ざって良く分からないはずだ。《擬態》のレベル上げ的な感じで、今日は終了しとこう。
次は、体力も触手も全、回復状態で挑むぞ!
覚悟しとけよヘラジカ野郎。いや、ぶっちゃけ食事中に奇襲した俺が悪いんだけどね。
スマンが、お嬢様を探すには進化しないと駄目なんだよ。弱くても駄目だ。
だから、お前らにはなんの恨みも無いが、糧になってもらうぞ。
喰われて栄養として糧になるのも、経験値として、俺の糧になるのも大した差は無いだろう。
森王を見て確信したよ。自然界では、弱い奴が悪い。他に理由は要らない。弱いから、ただそれだけで悪だ。
森には人間の様な文明は無い。なら、強さこそが正義だ。自然界では、強ければ何をしても許される。
いつか、俺が森王に成り代わってやる。
目標の一つに、打倒森王を加えた。
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名前:モノリ 性別:不明
種族:モノリーフ(リーフィリア)
Lv8/10
HP42/65
MP34/34
状態:普通
能力:《共通言語理解》《調べる》《触手Lv.9》《薬草生成Lv.1》《植物成長速度Lv.1》《植物鑑定》《水汲みLv.3》《擬態Lv.1》《恐怖耐性Lv.2》《斬撃耐性Lv.1》《打撃耐性Lv.1》《刺突耐性Lv.1》
魔法:《土魔法Lv.0》
称号:意思ある卵 従魔 絞殺好き 逃走者 雑用係
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