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104話 謁見

 バランシア王国〜王都イミル〜


 ー謁見の間ー


「よくぞ来た勇者達よ」


 ドラ〇エの王様かな?


 まあ、アレクとアリアの家の地位が有りながら、謁見に漕ぎ着けるまで一週間かかったので、王様と会うのってすげぇ大変なんだなと思いました。まる。


 そういえば、俺は元日本人だから、一週間って言ってるけど異世界だと、どう数えるんだろうな?それとも雑翻訳スキルで、一日とか一週間に聞こえるんだろうか?

 アリアとかが、後何日でどこどこに着くわよ。みたいな言い方してたような気もするな?まあ、いいか。前世の個人としての記憶が殆ど無いせいか、アルネアお嬢様以外に執着が持てないんだよな。

 植物系モンスターの時間感覚は曖昧なので、気付くと夜とかになってるし。時間感覚というか、全身の感覚が研ぎ澄まされてるのって、戦闘中だけなんだよな。流石モンスターだわ。戦うことに特化し過ぎでしょ。


 なんか、高位の神官とか、王宮魔導研究所の所長とか、王宮図書館の司書長とか、色々来て勇者だと断じるまでに時間が掛かった感じだ。まあ、いきなり来て「俺が勇者だ!」とか言われても「はぁ?」って、なるに決まってるので、こればっかりは致し方ないな。俺が言われたら不審者として引っ捕らえるまである。


 というか、テイムされてるとはいえ、モンスターを謁見の間に入れるって、相当思い切ったよな。いくらアリアでも、王様相手に我儘言ったりしないだろうけど……しないよな?


 ちなみに、俺はアルネアお嬢様の髪飾りとして謁見の間に入っているので、近衛兵の間でどんな話になってるかは知らないけど、多分アルネアお嬢様の頭から離れたら攻撃されると思われる。


 王様が一言話したあと、王様の横にいる人が、丸まった紙を広げると喋りだした。大臣的な奴かな?


「まずは、火山の異常活動の調査ご苦労だった。請け負ったヴァンガードの支部からの報酬以外に、橋の開通の働きを認め、ここに報酬を渡す。なお、弦炎と思われるモンスターの死体は確認できなかった」


 !?


 はっ!やらかした!確かに地面に倒れ伏してるのは見たけど、死んだかどうか確認した訳じゃない。倒した時点では、皆疲れ切って俺の上でぐったりしてたからな。弦炎を倒したからと言って、他の炎系統のモンスターが煙のように消える訳じゃないから、慎重かつ迅速に撤退したから……クッソ!生きてた?あんな強いのが?


 ……冗談は止してくれよ。


 いや、確認されてないって事は、他のモンスターの餌になったとかも有り得るか?骨ごと丸呑みにされたとか?

 頼むからそうであってくれ、あんなのともう一度戦うとか絶対嫌だぞ。


 弦炎の強さを思い出したのか、あのアリアまでもが苦虫を噛み潰したような表情をしている。


 その後も長ったらしい謝辞やなんやらを大臣のおっさんが述べたが、弦炎の話から全く頭に入ってこない。


「最後に、お前達は王直々にお言葉を賜わる栄誉を与えられた。心して聞くように」


 俺が知ってるアニメの王様とかだと、割とフレンドリーだったりするんだけどな。とか思ったけど、良く考えたらあれは異世界人とかにであって、自国の貴族にフレンドリーに接してる王様とか威厳ゼロかよ。


「お前達に余から直接伝えねばなるまいと思ったのだ。お前達も、城塞都市ウルカ・オンルゥが陥落したのは、記憶に新しいだろう。その後、北の貴族達と頻繁に連絡を取っていたのだが、ディム・ヘンリー・ホルン辺境伯領との連絡が途絶えた。とはいえ、モンスターについで周辺諸国の蠢動もあり、国軍を動かすことは出来ない。故にお前達に調査を頼みたいのだ」

「王の御心のままに」

「バランシア王国は、お前達を正式に勇者と認める!既に各地に早馬を飛ばしておる。各地での助けになるだろう。大臣アレを」

「ハッ!」


 命令と共に大臣のおっさんが、豪奢な装飾の小箱を運んで来た。慎重に開けられたそれは、珍しい輝きを放つ一枚の硬貨のようにも見えた。


「それは、我が王家の紋章が彫られたもの。関所や街に入る際、最優先で通されるだろう。そのメダルの効力は、王命そのものである。そのメダルを使い、まずはエルフに接触してもらいたい。ホルン辺境伯領の調査はその後だ。今エルフは、モンスターの攻勢に苦心しているという。今後の王国の立場を考えると、是が非でも恩を売っておきたいのだ。分かるな?」

「最善を尽くす事をここに誓います」

「うむ」


 バランシア王国の状況は、あまり芳しくないらしい。しかし、モンスターの襲撃は分かるが、周辺諸国の蠢動って、人間同士で争ってられるのか?周辺諸国どんな国力してんだ。


「ひとつよろしいでしょうか?」

「私が答えよう」

「ありがとうございます。では、大臣。周辺の小国が我々に手を出せるとは思えないのですが……」

「西の野心家の王は、知ってるな?」

「取るに足らぬ蛮族だと聞いておりますが」


 ちゃんと話してると、まるでアレクじゃないみたいだ。アリアと話してる時の気弱さは全く感じられない。あっちが素だろうから、この喋り方とかすごい疲れるんだろうな。嫌がって理由がわかる。緊張するってだけじゃないんだな。


「そこが、傭兵をそれも大量に集めているらしい」

「傭兵を使って攻め込んでくると?」

「……公式な話では無いが、魔王の軍勢と手を組んだとの噂もある」

「人と魔王の軍勢が!?」

「そこでエルフなのだ!エルフの魔法……いや、エルフの軍隊そのものが魅力だ」

「エルフが人間に手を貸すでしょうか?」

「そのための恩であり勇者だ。他国の勇者が王命でエルフに手を貸すとなれば、いくら森に護られたエルフとはいえ、政治的に無視はできまい。それに、エルフはモンスターの手も借りたいほど困り果てているらしい。あのエルフがモンスターを使役していたという情報が、各地で出ているのだ」


 あ、それ多分俺だわ。エルフの為に街を襲ったり、エルフに着いて歩いてたのを、誰かが目にしたんだろう。切羽詰まってたし、流石に遠目に見られただけで、こちらに害意がなかったとかなら、流石に全部は制御出来ないからな。


 そっかー見られてたかー。


 確かに隠れる系統のスキルだって、見つけづらくなるだけで、姿形が透明になって見えません!みたいなもんじゃ無いからな。


 そんな事より、ついにエルフのところに行くのか。アルテミスの協力は取り付けられると思うが、どうしてもエルフの里の謎を暴かなきゃならない。俺の考えが正しければ、ハイエルフはアルネアお嬢様の敵だ。


 龍の巫女ハイエルフ。


 もし、あいつらが敵なら、なんで俺達を集めさせたんだろうか?それも、俺の知り合いばかり……アルテミスも事情を話せば分かってくれると思うが、流石に最後の光がアルテミスなんてことは無いよな?

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 名前:モノリ 性別:不明


 種族:ラークスフォッグ(霧の湖)


 Lv66/70


 HP337/739

 MP3/644


 状態:魔力残量低下


 常時発動:《共通言語理解》《隠形Lv.7》《触手Lv.10》《触手棘》《上位感知Lv.6》


 任意発動:《調べる》《薬草生成Lv.10》《植物成長速度Lv.10》《植物鑑定》《水汲みLv.10》《血液吸収》《猛毒Lv.4》《噴霧Lv.8》《情報開示Lv.9》《指し示す光》


 獲得耐性:《恐怖耐性Lv.10》《斬撃耐性Lv.9》《打撃耐性Lv.9》《刺突耐性Lv.10》《火耐性Lv.5》《風耐性Lv.5》《水耐性Lv.10》《土耐性Lv.8》《雷耐性Lv.5》《氷耐性Lv.10》《邪法耐性Lv.9》《不快耐性Lv.5》


 魔法:《土魔法Lv.6》《水魔法Lv.8》《氷魔法Lv.6》《魔導の心得Lv.6》《魔力の奔流Lv.6》


 称号:意思ある卵 従魔 絞殺好き 逃走者 雑用係 危険な棘 馬車馬 耐性植物 読書家 急成長 近親種殺し 魔法使い 看破せしもの 上位種殺し(氷) 奪われしもの 凶性植物 狼の天敵 上位モンスター 魔王の誓約 エルフの盟友 殺戮者 看破の達人 導かれしもの 光を集めるもの 斧の精霊(?) 罠師 害鳥駆除 鳥類の天敵 虐殺者 怨敵を討つ者 復讐者 亜龍の天敵 天敵殺し


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