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ぽわんっと、丸い膜が弾けると中から虹色にチカチカした、女の形をしたものが出てきた。
......クラス、全員が息を飲んだ。
「...、こんにちは、かの?」
喋り始めるとふにゃっとしていた輪郭がくっきりと見え、虹色の女がかなりのグラマラス美女であることに気付く。
ごくり。
「いやぁ、すまんのぅ。ちょいとしくじっちまっての。まあ、喜べ、お前達をほかの世界に転生させてやるぞ?」
...グラマラス美女は語尾に星でも付きそうな感じにそんなことを抜かした。
何が何やらよく分からない。
取り敢えず。
(誰だお前!!)
「誰だお前!!!」
誰かにセリフ取られた...。
まあ、言いたい事を言ってくれたので良しとしよう...。うん。
「かかっ、威勢がいいのう。...ふむ、我が誰か、か。そうじゃのう...神、のようなものだと思うて良いぞ。」
(神か...、取り敢えず納得しとこう、次に聞きたいのは何故こんな事になったのか、だな。)
よし、いうZ
「なるほど、貴方が神だと言うのはひとまず納得しよう。では、何故、僕達は転生しなくてはならないのか教えて頂きたい。」
「...あー、それは、のう。その、ちょいと、な。その、狙いが外れたというか、思いもよらぬ方に行ったというか...」
女神らしき美女は明後日の方を向いて頬をポリポリとかいていた。
(いや、何が!?)
「あの、きちんと理由を聞かせて貰えませんか?」
「あー、うん。仕方ない。...他の奴らと石弾き遊びをしていたのじゃがの、当てようとした石から大きくそれてしまったのじゃ、あっ、と思ってなるべく小さくして軌道を外らしたのじゃがの、一個間に合わんくてお主らの学校というものにぶつけてしもうたのじゃ。いやぁ、悪かったの!!」
すまんすまんと片手を前にして、頭にもう片方の手を当てながら全く悪く思ってなさそうに物凄く軽く謝られ、イラッとしたが、美女の言っていた言葉を頭の中で反芻する、つまり、ここにいるクラスメート達は隕石で死んだのか!?
てゆうか、被害これだけとかありえなっ!!
おい、まて、石弾きをしていたと言ったがそれが学校に衝突したってことは、隕石?!!
つまり、メテオストーンで死んだのか!!
ふおおお、凄い!!死んじゃったけどテンション上がるわ!!
そして、異世界転生だと、ktkr!
次の言葉をワクワクしながら待つ。
「つまり私達は貴方の過失で死んだということかしら?」
「つまりは、そうゆーことじゃの!」
胸で腕を組み、誇らしげに言った。
...なぜ、そこでドヤったのか甚だ不思議でならないが、そんな事より、異世界情報はよ!!
「まあ、それで、悪い事したな、と思ってな、転生させてやろうと思った次第じゃ。あっ、地球に生まれ変わらせてやっても良いぞ?...ただし、記憶は抹消するがの。かかっ」
ふふっ、愚問だ、勿論。異世界に決まってる!
...、いや、落ち着け、自分。
冷静に、あくまで冷静にだ!
「異世界はの、想像を具現化出来る世界じゃ、向いてるやつは想像力逞しいもの、自分の思考を信じられるもの...あとはそうじゃな...」
⦅今の声が聞こえたもの⦆
「...じゃな。ふむ、あとは質問などあるかの?」
まあ、色々いきなり過ぎて質問とか思い浮かば無いのだろう。誰も何も言わなかった。
グラマラス美女はキョロキョロと見渡したあと、息をすい
「よし!じゃあ、異世界に住むか、地球に生まれ直すか聞くでの!地球にまた、生まれたいやつは手を挙げよ!」
そぉーと、1人が挙げるとだんだん人数が増えていた。
「ふむ、ひーふーみー......28人じゃな。」
過半数以上が地球に生まれ直すらしい。
という事は残るは8人。
男が5に女が3。
うむうむとグラマラス美女は満足げに頷くと
手を振り上げ。
「えいっ!!!!」
と、言い放った。
すると、手を挙げていたものが頭からさーと粒子になり、天に昇っていった。
少し、グロかったが原型を留めなくなってからは綺麗だった。
「うむ、じゃあ、わしは行くの!...ではな!!」
と言って、グラマラス美女はぽわんと消えていた............。
.........ちょっと待てえええぇぇぇぇ!!!!!
えっ?なんか、もっと説明とかないの?
このまま、放置?
いまの分かってる情報、地球じゃない、想像が具現化する世界、しかわかってないんですけどおおおおぉぉぉ!!!