部活見学
高校剣道の試合は基本的に4分の3本勝負で2本先制したほうが勝ちとなります。
武道場で待っていると真と光も来た。
「誰もいないんだねー」
「そうだな」
「で、それだれなの?」
「俺らと同じ入部希望者らしい」
そう伝えると真と光は小松にあいさつをしにいった。
数分後、道場に1人の教員がやってきた。
「「「ちわっ」」」
「おー。お前ら防具持ってきてんのか?」
「僕たち4人は持ってきてません」
「俺は教室にあります」
「じゃあ持ってるお前は今から防具持ってきて着替えろ。他は適当に見学しとけ」
「「「はい」」」
「ごめんな。俺が一歩リードさせてもらうわ」
そう言い小松は着替えにいった。
ウザいなぁそう思っていると光が
「うざい」
と小声で呟いたので4人で笑った。
顧問の先生に聞くと先輩たちは3人しかいないらしく、そのうち2人は辞めたがっているらしい。それを聞いて心の中でガッツポーズをとった。
その後、3年生のキャプテンの指揮の元、練習が開始された。
はっきり言うと弱かった。先輩達も小松も弱かった。
基本が出来てないし振りが遅い。そんなことを思っていると顧問が話しかけてきた。
「どうだ?」
「なにがです?」
「あいつらの実力だよ」
「普通じゃないですか?」
「そうか」
練習後に小松が俺たちに話しかけてきた。
「先輩たち強かったわ」
「おつかれ」
「まぁ俺も負けてなかったけどな」
うぜぇな。
「そうか」
「お前ら全員集合しろ!」
顧問が俺達を呼ぶ
「明日試合するから」
「「「えっ?」」」
「今日防具持ってる組と持ってきてない組で分けるからな。わかったか」
「「「はい」」」
「じゃあ解散」
「「「ありがとうございました」」」
俺達はファミレスに来ていた
「めんどくせーなー」
「さっそくだね」
「試合どうすんだよ」
「フルボッコでしょ!!」
「うるさいチビ」
「えぇーでもそれ以外ないでしょ」
「確かにね」
「ってか先輩たち辞めてくれるかな?」
「その問題もあったね」
「でもまぁ辞めたがってるって言ってたし大丈夫でしょ」
「辞めさせるためにフルボッコで決定だね」
「結局それになるのか。ダリィ」
「はいはい。じゃあそれで決定ね。」
「防具どうする?新しいのにする?」
「だな。胴の色でばれるのも嫌だしな」
「了解。光もそれでいい?」
「うん。アップどうする?」
「軽くだね。怪我しない程度にかな」
「あの人たちアップで実力わからないでしょ」
「だな。じゃあこれで決定だな」
家に帰ると2つ下の弟が待っていた
「おかえり」
「ただいま」
「学校どう?てか部活どう?」
「学校は普通。部活は今日見学したけどみんな弱かった」
「そりゃ兄ちゃん達に比べたらみんな弱いでしょ。こっちは大変だよー」
「なにが?」
「兄ちゃんたちが理由も言わずに辞めるからみんな大混乱。高2の先輩たちは後輩いないからキレるし、俺らの1つ上の先輩は兄ちゃんたちがいないことにすげー悲しんでるし大変。すげー理由聞かれるんだからな」
「それは悪いな」
「せめて連絡先ぐらい教えてあげなよ。全員電話番号とアドレス変更って徹底しすぎでしょ」
「それは無理だ。ごめん」
「わかってるよ。俺兄ちゃんの学校に行ったらレギュラーになれる?」
「はぁ?2年後だぞ?」
「俺は兄ちゃん達に混ざって試合するのが夢なんだよ」
「このまま頑張ればなれんじゃない?ってか今の環境だと俺らが弱くなってるから来る意味なくなるよ」
「それは頑張ってよね」
弟にも迷惑をかけてるのか
そんな気持ちになりながら明日の試合に備え眠りについた。
如月遥 きさらぎ はるか
如月葵の弟
中学2年生で葵たちが通っていた中学校に通っている。
現在の悩みは兄たちが辞めた理由を聞かれること