ぼんやりと過ごす
学校を終えた後の一日は、加速的に早く過ぎていく。
どの部活にも所属していない俺は、同じくどの部活にも所属していない連中と雑談した後、特にどこに寄るでもなく帰宅の道を進んだ。
四時を過ぎたあたりで、未だに一人で空を眺める茅場を残し、加賀野と共に校門をくぐるとすぐさま別れた。特に用事がなければ、一緒に帰ることも、どこかに寄ることもない。
「……帰ったら、ゲームでもするかな」
もちろん、恋愛シュミレーションゲームだ。……あれ? 恋愛アドベンチャーだっけ? まぁ、いいや。ともかく、成人指定から全年齢指定に移植されたゲームのシナリオを堪能しよう。
小説や漫画も良いけど、最近はそう言ったゲームを楽しむことが多い。
……誰かと遊びに行くこともなくもないのだが、いかんせんお金がかかる。常日頃から遊ぶには、一般的な男子高校生兼オタクの俺のお小遣いは、鉄砲を相手にナイフしか持っていないくらいに心もとない。
「……個人的には、夜に一、二時間オタク用の時間を取れたらそれでいいんだけどなぁ」
もてあます時間を唯一の趣味にあてて、ここ最近は毎日を過ごしている。
……部活にでも入れば、このもてあます時間は無くなるのだろうけど。
「とはいえ、目新しいものが無かったから、特に入部しなかったわけだが……」
一か月前の各部活のオリエンテーションを思いだした。様々な部活があったとはいえ、好奇心をそそられる部活はなかったことに言い知れぬ虚脱感に襲われたものだ。
――俺はオタクとは言え、漫研や文芸部に入りたいわけではない。運動部も、自由が利かなそうで嫌だったし、他の文化部も好奇心がそそられるものはなかった。
……今度ダメもとで、何か新しい部活でも作ろうか。そのためには、俺が興味のあるものは何かと言うことを知らなければいけないのだが。
――などと、今後のことを考えながら歩いている内に、影に彩られた町並みの中から見慣れた我が家が目の前に迫っていた。うぅーん……今日は上の空の時間が多いなぁ。