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088●わかい! & 089●ゆたかな空気の中で
088●わかい!
ジンとカナタが帰って来た。
ユリが走り出す。
丘の上から一気に。
ジンが走る。
駆けあがる。
ふたりが抱き合い、もつれあい、
草の中で転がった。
089●ゆたかな空気の中で
「それでどうだったの、向こうの王様?」
「エルドラン王は傑物だったよ、ウィルフレッダ。話をよく聴く。しかし、用心を忘れない。」
「ふ~ん。でも、ともかく戦いが終わってよかったよね。」
「うん。そうなんだけど、ね・・・。」
「君にしては歯切れがわるいなあ。何か気になることがあるの?」
「今回は、天災に立ち向かうための撤退、ということだね。国力を派兵に向ける余裕はない。」
「でも、ってこと?」
「そう。野心を持っているのは、王ひとりではないだろうからね。」
シンプルな家。
飾り気のない家具。
だが、そこには確かに、ゆたかな空気が流れている。
その中でロイとウィルフレッダは、
次に訪れる変化の兆候を、静かに感じ取り始めていた。




