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神前会議

姫柊さんが布団の上に足を崩して座る。ふわりと石鹸の匂いが漂ってきて、少しだけ僕は姿勢を正した。


それにしても相変わらず彼女は薄着だ。身体の凹凸が浮き上がり、グレーのスポーツブラが悲鳴をあげている。下もショーツしか履いておらず、ことの拍子にズレてしまわないか不安になる。


正直、目のやり場に困る。


「えー、では作戦会議を始めます」


早乙女さんが咳ばらいをして、姫柊さんは真面目な顔で拍手する。釣られて僕も拍手をしてしまった。


「まず黒ちゃんがボクらを呼んだ理由は、信仰不足でこのままだと天上の座に帰らなきゃならなくなっちゃうからだよね?」


「は、はいっ!」


胸の前で握りこぶしを作りながら姫柊さんが答えた。早乙女さんがこちらを見て話を続ける。


「そうなると何とかしてプラモデルの信仰を増やす必要があるんだけど、平坂くんなんかない?」


姫柊さんがぱあっとした目で見つめる。正直そんな目で見つめられても困るんだけど……。


「なんかって言われても……とりあえず祈るだけ祈ってみようか?」


「お願いしますっ!」


姫柊さんの方を向いて手を合わせる。姫柊さん凄いです姫柊さん流石です姫柊さん綺麗です。プラモデル最高、プラモデルすごい、プラモデル……ごめんなさい正直あんま知りません。


「お゛お゛ッ♡!きてますきてます!!」


「下品な声出すなっ」


ハリセンで早乙女さんが姫柊さんの頭を叩く。姫柊さんは小さく悲鳴を上げて痛そうに頭を抱えた。


……どこから取り出したんだ。


「ち、違います!なんか平坂くんのが変なんですっ」


「言い訳しないっ」


「平坂くん、早乙女さんにも祈ってみて下さい!」


姫柊さんが少し可哀想になってきたので、僕は彼女の指示に従うことにした。


にしても早乙女さんは何の神なのだろうか?ウサギだし稲葉の何とかみたいな感じなのだろうか。まぁいいか、どうも話したくない様子だったし。


早乙女さんありがとう、早乙女さん凄い、早乙女さんのご飯美味しかったです……。


「ン゛っ♡!」


早乙女さんが高い声をあげて身体をくねらせた。初めて聞く彼女の嬌声に心臓が大きく跳ねた。


姫柊さんがニヤけながら彼女を指差す。彼女の目のクマが一層濃くなったように見えた。


「ふぇへへ、早乙女さんも変な声出してるじゃないですか」


「それはっ……!直接祈られるのは久しぶりだからビックリしただけだよ!」


「ふひ、そうですかそうですか」


「とにかく!近い距離にいる平坂くんとはいえ、1人の信仰ですらこんなに強く感じるのは結構アブナイ状況だかんね!!」


「はいぃ」


姫柊さんが崩れるように身体を横に倒し布団に寝転ぶ。


胸部から腹部にかける曲線と骨の作り出す凹凸が電灯に照らされて主張を強める。思わず視線が引っ張られてしまう。


神々というのはみんなこんなに無防備なのだろうか。それとも姫柊さんがとりわけこうなのだろうか。


「とにかく、僕がどうにかして信仰を増やさないとダメってことね」


「そういうこと。といっても、すぐにアイデアなんて出てこないヨネ……」


僕らの沈んだ空気にショックを受けたのか、姫柊さんのお腹がピクリと動いた。うっすらと腹筋の割れ目が浮かぶ。自堕落な生活をしてそうなのにこの体型とは羨ましい。


「とりあえず僕はプラモデルのことそんなに詳しくないし、試しに何か作ってみようと思うんだけどどうかな?」


「初心者ぁ!?」


布団の女神ががばっと身体を起こして、僕に飛びかかってくる。僕は耐えきれずに床に倒れ込んだ。


「平坂くんは、プ、プラモ初心者なんですね……にぇへへ」


彼女に覆いかぶされる形になる。湿っぽい吐息が唇をくすぐる。早乙女さんの方を見て助けを求めたが、早乙女さんは腕を組んだままフンっと首を背けた。ひどい。


「どうします、ガンプラにします?お城や戦闘機の方が好きですか?それともオリジナル物の方が新鮮みがありますかね?」


興奮で汗ばんだ姫柊さんの匂いが鼻の奥まで届いた。風呂上りから結構時間が経っているというのに、つかまれた両腕と下半身越しに彼女の火照った体温が伝わってくる。思わず唾を飲んでしまった。


「私のお勧めはコトブキヤの無限邂逅メガロマリアシリーズです!組みやすい割に可動範囲も良くて、武装パーツも少ないからサクッと組み終わるのもポイントなんですよ」


姫柊さんが勢いのまま更に身体を寄せた。肩甲骨からのびる彼女の曲線が目に入り、再び僕は目を逸らした。


「あ、あの、姫柊サン…?」


「何でしょう!ツールの質問ですか?あ!値段ですか!気にしなくていいですよプレゼントしますので!!」


「そうじゃなくて、近いというか、胸が当たってて」


ぱっと彼女が上体を起こす。スポーツブラが汗でぐっしょり濡れて濃色になっていた。顔は耳までも真っ赤になり、僅かに震えていた。


「……えっち!!」


彼女の声が聞こえた直後、僕の頬に衝撃が走った。


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