姫柊彩華という女神
どうも皆さん、姫柊 彩華です。実は私には最近気になる男の子がいるんです。
そう。この前初春荘の管理人になった平坂くんです。
出会って2日で惚れるだなんてチョロいって?
うるせー、こっちは生まれてこのかた男と喋った事ないし、初めての人がいきなり手取り足取りプラモ教えて下さいって言ってきたら惚れるっつーの。私と同じオタクっぽい感じだし、大人しそうだし?
それにー、平坂くんの祈りってなんか魂の奥にガツンとくる感じで、あんなんされたら誰だってキュンとしますよ。さひ――早乙女さんだってメスの顔になってましたし。
というか?夜通し2人でプラモ作ってますから?実質えっちですよあんなの。メフィストさんは2人の愛の結晶なんすよ?だから私はチョロインじゃありませーん。
それに今部屋には平坂くん1人しかいないんです。
え、私ですか?
そりゃもう、シャワー浴びてますけど?
平坂くんが私の色香で目を覚ましたときには、火照った下着姿の私が同衾して添い寝しているわけですよ。あんなスケスケの下着なんて生涯使うことないと思ってましたけど、時は来たれりなんですよ。
それで平坂くんが私を押し倒してー、初めてなので優しくして下さいって私がうるる目でお願いしてー、あとはもうもう一人のメフィストさん作りましょうって流れなんですよ。
だから私はチョロインじゃなくてヒロインってわけ。それじゃこれから官能小説なので?お子様はグッナイってことで。
恥ずかしいし緊張しますけど、女は愛嬌・女神は度胸ってことで!いざ、ウェルカム・マイ・ハズバンドっ!!
「あ、黒ちゃんお風呂入ってたんだ……ってなにその恰好」
「あぇ……?」
早乙女さんが平坂くんを膝枕していました。あれ?
「なかなか帰ってこないから心配してきたらこの通り、疲れて寝ちゃってたんだよね」
フワフワした白い右手で平坂くんの頭をやさしそうに撫でています。平坂くんも気持ちよさそうに寝返りをうって、早乙女さんの下腹部に顔を押し当てました。……えっちでは?
「こら、そういうのはダメだって」
困ったような声色ですが、早乙女さんの顔は満更でもなさそうです。
ぼ、母性で負けてる――。
平坂くんが再び寝返りを打ちました。息がしづらかったのか、それとも私の色香に釣られたのか、理由は分かりません。しかし少しだけ瞼が開いて、彼の目がちらっと私を見ました。
気のせいかもしれませんが、目と目があったと思います。でもすぐにプイッと振り向いてまた早乙女さんのお腹に顔を埋めちゃいました。
「ふふ、フラれちゃったね」
可愛い息子を愛でるような表情で早乙女さんが見てきます。
でも私気づいちゃったんです。平坂くんの耳が真っ赤になってるの。
ひひ。ふひ、うひひひ。
やっぱり平坂くんも男の子なんですね。早乙女さんには母性で負けたかもしれませんが、えっちさでは私に軍配があがると。
同衾できたら確実にゴールインですねこれ。パイルダーオンしてゲッターチェンジです。あー今日はこれでシコ寝しよ。3杯はいける。
「そいや、平坂くんが作ってたプラモデルは完成したの?」
「ふへ……愛のけっしょ……じゃなかった、完成しましたよ、ええ」
「そ、そうなんだ」
そうだ!写真撮ってトゥウィタ-に上げちゃおっと。えーと、『こんにちは姫柊です。プラモ初めての子と一緒につくりました。ぶいぶいっ』と。
……うへへ、これ匂わせかな。フォロワーに彼氏持ちって思われないかな。思われたいな。あ~~これだけでもイケそう。
「なんか変なこと考えてない?」
じっと早乙女さんがこっちを睨んできました。早乙女さんはこういう勘どころが良くてときどき怖いです。
「そ、そんなことないですよ?では私は肌のお手入れしてくるので!!」
「あやしい……」
ふぅ。危ないところでした。それにしても今夜が楽しみです。早く夜にならないかなぁ。




