第〇〇六話 天ヶ崎ダンジョン戦
「魔法障壁というのは、敵の魔法から身を守るバリアのことだ。つまり次の天ヶ崎ダンジョンでは、魔法を使うモンスターが出現する。だから魔法障壁習得を必須にした」
第七覚醒者学校の一年一組の教室で、ダンジョン攻略の授業が続いている。
「それで魔法障壁の習得方法だが、明日から一階の覚醒者ショップが開店する。そこで、この魔法障壁のスキルブックを買って使えば習得できる」
担任の先生が、魔法障壁のスキルブックを手に取って皆に見せる。
「知ってる者もいると思うが、スキルブックはページを開くだけで新たなスキルを習得できるダンジョン産のアイテムだ。ああ、魔法障壁のスキルブックは一冊、四万円だ。狩野ダンジョンと北山ダンジョンを周回して、レベル上げのついでに稼いでくれ」
(やっべ。持ってるお金、漫画を買うのに使っちゃった。まあ、また稼げばいいか。それにスキルブックが四万円なら安いほうだ)
星斗はスキルブックは高いと聞いていたので、その値段を聞いてほっとする。そして授業が終わって午後になり、星斗は平日の午後、北山ダンジョンを周回し続け、レベル10まで上げることに成功した。その間、宝箱からはポーション、キュアポーション、鉄のナイフ、魔導士のローブなどを手に入れて、集めた魔石と共に売却して四万円を手に入れ、第七覚醒者学校の一階の覚醒者ショップにやってきた。
「欲しいスキルブックがいっぱいあるけど……」
覚醒者ショップの店内のガラスケースの中の棚には、色々な種類のスキルブックが並んでいた。店内には、ほかにも武器や防具がたくさん展示されているが、どれも星斗にはまだ買えないような値段だった。
「スキルブックはやっぱり高い。今は買えないな」
星斗はカウンターで店員に魔法障壁のスキルブックが欲しいということを伝えて、四万円を払って購入する。
「早速、使ってみよう」
星斗は覚醒者ショップから廊下に出てスキルブックを開く。するとスキルブックから魔力があふれ、それが彼の全身を覆った後、その魔力とスキルブックが消える。
「これで習得したのかな」
星斗はステータスボードを表示してみる。
本条星斗
レベル 10
HP 125 MP 67
力 34 防御 28
魔力 22 速さ 29
ユニークスキル(5/10)
ユニークスキルコピー(B) 物理耐性(C) 剣術(C)
気配察知(C) 力激化(C)
スキル
オーラブレード 魔法障壁
装備
第七覚醒者学校の制服 防+1
守りの指輪 防+5
力の指輪 攻+5
魔法障壁
使用者の体の周りに、
球状の対魔法バリアを生成する。
強度は使用者の魔力に比例する。
消費MP 15
「おお! 習得してる! これで次のダンジョンに行ける!」
そして三番目のダンジョンが解禁される日の午後になる。星斗は、第七覚醒者学校から出てるバスに乗って天ヶ崎ダンジョンにやってきて、その巨大な塔を見上げる。
「でかっ! 近くで見ると、思ってたよりでかいな」
天ヶ崎ダンジョンは、全六階の塔型ダンジョンで、その中は迷路のようになっていた。
「人も多い。さすがに今までのダンジョンよりランクが高いだけある」
塔の一階の入り口付近には、多くの自衛隊員や覚醒者協会の職員がいて、さらに塔の周囲には、自衛隊の待機所と救護施設、覚醒者協会の魔石買取所、覚醒者ショップ、売店なども建築されていて、これまでのダンジョンとは様子が違っていた。
「それにしても、このでかい塔のダンジョンを貸切るとか、覚醒者学校って凄いんだな」
これまでの狩野、北山、そしてこの天ヶ崎ダンジョンは、第七覚醒者学校が一か月の間、貸切っていた。それで、ほかの覚醒者学校の学生や、学校に所属してない覚醒者達は入場することはできなかった。これはダンジョン内で起こる様々なトラブルを回避するためだった。
「よし、入るか。ここには魔法を使ってくるモンスターがいる。絶対、コピーするぞ!」
星斗が塔の入口に向かうと、入口の近くに巨大な石碑があった。
「これが転移の石碑か」
転移の石碑とは、ダンジョン内にもこれと同じものがあって、そこからこの場所に瞬間移動できる魔法の石碑だった。天ヶ崎ダンジョンには三階と六階に転移の石碑があり、一度行った石碑の場所に行き来できるようになっていた。
「これのおかげでボスを倒したらすぐに戻って来れる。今までのダンジョンはボスを倒しても、歩いて外にでなきゃならなかった。まあ、このダンジョンはそれだけ中が広いということか」
星斗は転移の石碑の横を通って塔の中に入り、塔の一階を学校からもらった地図を見ながら進んでいく。すると通路の先に、剣を持った全身鎧のDランクモンスター、リビングアーマーが出現した。
「うおっ、狩野ダンジョンのボスがいきなり!」
星斗は鉄の盾を構えて身構える。そこへ彼に気づいたリビングアーマーが剣を振りかざして走ってきてその剣を振り下ろす。それを星斗は鉄の盾で受け止める。
「うりゃあ!」
すかさず星斗は、ロングソードでリビングアーマーの右手を狙って斬撃を放ち、リビングアーマーの剣を落として、さらに振り下ろしたロングソードを振り上げるように振るい、リビングアーマーの鎧を切り裂いた。
「ガガガガガ!」
その斬撃によって、リビングアーマーは床に倒れて鎧がバラバラになって消滅した。
「ふぅ。前のボス戦の時より楽に倒せた。レベルが上がったことと、力激化のおかげだな。さて、先に進もう」
その後、星斗は一階を探索しながら、灰色の毛並みの狼型のモンスター、シルバーウルフや、ハンタースパイダーより体が大きなヒュージスパイダーなどのDランクモンスターを倒しながら進んでいく。そしてそれらのDランクモンスターは魔石(小)をドロップした。
「小さい魔石は五千円で売れる。もっと集めて強い武器と防具を買おう。いや、その前にスキルブックも……」
そんなことを考えながら星斗が一階を進んでいくと、通路の先に、青白い冷気の塊が人の形をして浮遊しているDランクモンスター、アイスエレメントが出現した。
「来た! 魔法を使うモンスター!」
次回 召喚 に続く




