第四十九話 撤退
「あの三人、私達とは次元が違う強さだった」
「そうね。どうやれば、あんなに強くなれるんだろう」
明日香と島が、戦いが終わって浅井と話しているライトウィングギルドのエースパーティの三人を見ている。彼らは前回の大規模作戦にも参加していたが、その時はSランクモンスターが出現しなかったので、本格的な戦いをしていなかった。
「みなさん。とりあえず、撤退したみんなと合流しましょう」
この場にいる十一人のSランク覚醒者と星斗は、歩いて撤退していったほかの覚醒者や自衛隊がいる場所に移動して彼らと合流し、浅井が自衛隊の幹部と話す。
「フェンリルには逃げられました。こちらに被害はありません」
「それは何よりです。それで、これからどうしますか?」
「フェンリルの出現で、作戦の練り直しが必要です。今日は作戦を中止したほうがいいでしょう」
「わかりました。では撤退しましょう」
フォルネウス討伐部隊が、作戦を中止して撤退していく。その後、討伐部隊は解散し、ライジンギルドのギルドメンバー達は、来た時に乗ってきた車がある場所に戻って、車に乗って帰っていき、運転している島が皆に話す。
「ああ、作戦は失敗したけど、参加したメンバー全員に政府から報酬がでるからね」
「いくらもらえるんですか?」
「本条君は覚醒者ランクCだっけ?」
「はい」
「なら五十万だったかな」
「うおっ! 五十万! ん? ランクで変わるんですか?」
「そう。大規模作戦の報酬は、覚醒者ランクで変わるの。ちなみにSランクは二千万もらえるわ」
「二千万!!!!」
「一瞬、高いと思うけど、防衛費と考えたらそれでも安いのよ。だって自衛隊の戦車のミサイル一発がそのくらいって言われてるし」
「そうよ。こっちは命がかかってるんだから、もっとくれてもいいのに」
「今回の作戦が成功してれば、倍、もらえたんだけどねー」
明日香と島がそんな愚痴を話している。
「覚醒者ランクか。あまり重要だとは考えてなかったけど、上げておいた方がいいのか」
「まあ、ランクを上げてもデメリットはないからね」
星斗は今度はアンリと話す。
「それに高難易度ダンジョンに入る時、ランクが低いと入口で止められるでしょ」
「ああ、入口で覚醒者カードを見せてから入るのは、そういう意味もあるのか」
「ん? パーティメンバーに高ランクがいれば入れる、とかのダンジョンの入場条件は、授業でやってたでしょ」
「それは聞いてなかった。考え事してたか、ウトウトしてたかだな。まあ、そういうことなら、次の目標はランク上げにするか」
そんな話をしながら星斗達は車で帰っていき、無事、帰宅してその日が終わる。そして時が過ぎて休日の土曜日になり、星斗はひとりで電車に乗って真宮寺ダンジョンまでやってきた。彼はまず近くにある覚醒者ショップに入る。
「ダークエルフの装備でいいのがあれば買っておこう」
星斗は今まで稼いだ資金で、妖精の杖と妖精のローブを購入し、アイテムボックスに収納する。
妖精の杖 攻+28 魔法強化15%
妖精のマント 防+25
その後、星斗はダンジョンの入口でCランク覚醒者カードを見せて中に入る。真宮寺ダンジョンは洞窟タイプのダンジョンで、上層にCランクモンスターが出現し、下層にBランクモンスターが出現して、最下層にいるボスがAランクモンスターだった。
「シルバーナイト! ダークエルフ! 妖狐召喚!」
星斗は入口にある転移の石碑を少し過ぎた所で三体のモンスターを召喚し、ダークエルフに先ほど購入した物を渡して装備させる。
「ちょうどいい。自分とみんなの今のスキルと装備を確認してみよう」
星斗は全員分のステータスボードを表示する。
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星斗 レベル41
ユニークスキル(8/10)
ユニークスキルコピー(A) 竜麟(A) 気配察知(B)
全能力激化(S) 召喚(A) アイテムボックス(B)
フレスベルク流魔法剣術(A) 女神ノルンの加護(A)
スキル
オーラブレード 魔法障壁 アイスバレット
クリエイトウォーター モンスター召喚
クリーン 気温調節 ハイオーラブレード
竜麟斬り 氷結斬 簡易鑑定
フロストスピア コールドストーム
炎の剣 攻+70 火属性武器
精霊の盾 防+35 魔法耐性30%
氷河の鎧 防+60 火属性攻撃半減
怪力の指輪 攻+10
防壁の指輪 防+10
女神の指輪 毒、麻痺、睡眠、混乱状態を無効化
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シルバーナイト
ユニークスキル(3/3)
剣術(A) 力激化(A) 防御激化(B)
スキル
オーラブレード ハイオーラブレード
魔法障壁 竜麟斬り
装備
銀の剣 攻+40
銀の鎧 防+30
銀の盾 防+22
大地の腕輪 防御力+15%
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ダークエルフ
ユニークスキル(3/3)
闇魔法(B) 雷魔法(A) 魔力激化(A)
スキル
ダークボルト ダークスマッシャー
サンダーボルト サンダーウェーブ
サンダーストーム 魔法障壁
装備
妖精の杖 攻+28 魔法強化15%
妖精のマント 防+25
大魔力の指輪 魔+10
魔力の首飾り 魔+8
麻痺無効の指輪 麻痺無効
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妖狐
ユニークスキル(3/3)
回復魔法(B) 魔力激化(B) MP再生(B)
スキル
ヒール エクストラヒール キュア
スピードブースト 魔法障壁
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「シルバーナイトは、次の上位種族に変化すれば、自動的に装備が強くなるはずだ。妖狐は装備できる物が覚醒者ショップで売ってなかった。ダンジョンで何か手に入ればいいんだけど」
装備とスキルの確認をした星斗は、三体のモンスターと共に真宮寺ダンジョンを進んでいく。するとスケルトンナイトやリザードマンなどのCランクモンスターが出現したが、今の彼らの敵ではなく、すべて倒して魔石を回収しながら進んでいく。
「Cランクモンスターの魔石より、Bランクモンスターの魔石のほうが高く売れるし、ランクも早く上がる。上層は最短距離で進んで、下層で稼ごう」
星斗達は地図を見ながら上層の洞窟を進んでいき、上層と下層の中間地点にある転移の石碑がある場所までやってきた。ここまでに星斗が欲しいユニークスキルを持っているモンスターは現れなかった。
「いったん地上に帰って少し休憩するか。その後、本格的な狩りだ」
星斗達は転移の石碑で一階の入口に戻り、ダンジョンを出て休憩した後、また転移の石碑のある場所まで戻ってきた。
「ここからは宝箱を探しながらダンジョンを隅々まで探索していこう。ついでに欲しいユニークスキルを持ってる奴が現れればいいんだけど」
星斗は地図を見ながら下層を進んでいく。
次回 検証 に続く




