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覚醒者学校の唯一無二の生徒  作者: 霧野夜星


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第四十一話 決勝戦

 星斗は魔法を発動した直後の池田に接近し、彼女に炎の剣を突き付ける。


「池田さん。まだやる?」

「くっ……降参するわ。魔法使いは、ここまで接近されたらもう何もできないもの」


 池田は右手を上げながらそう話す。


「勝者! 本条選手!」

「おおおおお!」

「あいつ、魔法を恐れずに突っ込んてったぞ!」

「さすが優勝候補だ!」

「やはり魔法使いは、一対一では厳しいな」


 星斗と池田の試合を見ていた生徒達が歓声を上げている。


(よし。自然な感じで勝てた。ダークエルフの雷魔法も強くなったし、今回も大成功だ)


 星斗はそう考えながら戦闘舞台から降りて待機席に戻る。


「続いて三位決定戦を行います……」


 戦闘舞台では、準決勝で負けた生徒達のランキングを決める戦いが始まり、それを星斗は待機席で観戦している。そしてほかの待機席には、軽装な鎧を装備していて、手には槍を持っている男子生徒が座っていた。


(後は決勝戦だ。槍使いの彼は槍術は持ってるだろう。彼も優勝候補のひとりだから、ほかに凄いユニークスキルをもってるかも)


 星斗は対戦相手と目を合わせないようしながら、どうやって戦うか考える。その後、三位決定戦が終わり、続いて決勝戦が始まろうとしている。


「第七覚醒者学校、校内ランキング戦、決勝戦を始めます! 滝川選手! 本条選手! 戦闘舞台に上がってください!」


 審判に呼ばれ、星斗と対戦相手の滝川が戦闘舞台に向かう。そして二人が戦闘舞台に上がると、


 滝川光一

 槍術(A) 力激化(A) MP再生(B)


 どれを誰にコピーしますか?


 とウィンドウが表示され、


(おお! MP再生! 戦闘中、減ったMPが徐々に回復していく神スキルだ。これは俺に……いや、今の俺にいらないスキルはない。うーん。魔力激化と速さ激化はダンジョンでコピーできるから、どっちかに上書きしとくか……いや、ここは妖狐の影術に上書きしよう。回復役がMP不足で回復できないとかあってはまずいからな)


 妖狐

 ユニークスキル(3/3)

 回復魔法(B) 魔力激化(B) MP再生(B) 


(結局、影術は使わなかったな。まあしょうがない。MP再生のほうが必要だ)


 この世界では、MPは休憩したり寝たりしないと回復しないのだが、MP再生は戦闘中やダンジョン内を移動中でも、少しづつMPが回復するユニークスキルだった。


「それでは決勝戦! 試合開始!」

「うおおおおおおお!」


 試合開始直後、滝川は槍を構えながら星斗に接近する。


(また連続攻撃でシルバーナイトを呼ばせない作戦か)


 突撃してきた滝川を見て星斗はそう考える。


「三段突き!」


 星斗に槍が届く距離まで接近してきた滝川は、槍で高速の連続突きを繰り出す。それを星斗は精霊の盾で防御する。


「はっ!」

「むっ」


 滝川は最初の二回は星斗の盾を突くが、三回目は星斗の盾で隠れてない彼の足元を狙って突き出した。それを星斗はバックステップでかわす。それを見た滝川は数歩前に出て、また星斗に槍が届く距離まで接近する。その距離は剣は届かないが、槍なら届く距離だった。


(ん? 連続で攻撃してこない。なら)

「シルバーナイ……」

「はっ!」


 星斗がシルバーナイトを呼び出そうとした瞬間、滝川は槍を突き出し、星斗は召喚をキャンセルして精霊の盾で防御する。


「むっ……」


 滝川は一回戦の林のように連続では攻撃せず、いつでも攻撃できる場所で槍を構えて星斗と対峙している。


(なるほど、俺が召喚しようとしたら攻撃して、召喚できないようにする作戦か。これなら息切れすることもない。色々考えるもんだ)


 星斗はこの状況で、どうやって戦うか考える。


(全力の速さで強引に接近すれば勝てるだろうけど、それじゃ俺の生徒レベルを超えた力がばれてしまう。なるべく力を使わずに勝てる作戦は……)

「うりゃあ!」


 滝川は星斗の防御を崩そうと、精霊の盾で隠れてない頭や足を狙って槍を突き出す。それを星斗は精霊の盾で防御したり、かわしたりして対応する。そうしてるうちに彼は戦闘舞台の端まで追い詰められてしまう。


「むっ!」

(これ以上、下がれない。なら次に攻撃してきた時にやってみるか)


 星斗はようやく実力を隠しながら勝つ作戦を思いつく。


「螺旋突き!」


 一方、星斗を追い詰めた滝川は、槍に魔力をまとわせ、その魔力を回転させながら猛烈な勢いの突きを繰り出す。


「うりゃあ!」


 それに対し星斗は突き出された槍を狙って炎の剣を振るう。すると槍に炎の剣が激突し、滝川の槍が彼の手を離れて吹き飛んだ。 


「うわっ!」

「とりゃあああああ!」


 さらに星斗は武器を失った滝川に精霊の盾を構えたまま突撃し、その精霊の盾で滝川を殴りつける。


「ぐあああああああああ!」


 滝川の全身にその強烈な衝撃が走り、彼の身代わりバッチが砕け散った。


「勝者! 本条選手!」

「おおおおおおおお!」

「今のはシールドバッシュか!」

「追い詰められてからの逆転だ!」

「あのモンスター使い。またモンスターを呼ばずに勝ちやがった。戦士としての力も一流か」


 星斗と滝川の戦いを観戦していた星斗達が盛り上がっている。


(ふぅ。うまく勝てた。剣で攻撃すると手加減がばれる可能性があるから盾で攻撃してみたけど、ちょうどいい感じだったな)

「続いて表彰式を行います。校長先生、お願いします」

「うむ」


 第七覚醒者学校の校長の中年の男性が戦闘舞台に上がってきて、星斗に話しかける。


「本条選手! 優勝おめでとう! この優勝賞品は君の物だ!」


 校長は星斗に美しい赤色の宝石のついた指輪を渡す。


 女神の指輪   毒、麻痺、睡眠、混乱状態を無効化


「その女神の指輪は、色々な状態異常を無効化できるレアアイテムだ。ダンジョン探索で、君の助けになるだろう」

「それは凄い! ありがとうございます!」


 星斗は女神の指輪をアイテムボックスに収納し、その後、表彰式が終わって星斗は戦闘舞台から降りる。


「本条君! 優勝おめでとう!」

「おめでとうございます!」

「やったな! 本条君!」


 戦闘舞台から降りた星斗を、朝比奈アンリと宇佐美智也と佐藤美亜が出迎える。


「みんな、見てたのか」

「まあね。それで色々、言いたいことがあるけど、ここでは黙ってるね」

「まあ、優勝したんだし、細かいことはいいじゃん」

「そうですね」


 アンリ達は、星斗が手加減して戦っていたことに気づいていたようだ。



 次回 大規模作戦 に続く

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