第〇〇四話 討伐報酬
星斗は渾身の連続攻撃で腕が疲れ、攻撃を止めていったんリビングアーマーから距離を取ろうとする。その時、今まで防戦一方だったリビングアーマーが突然、前に出て右手の拳で突きを放った。
「うおっ!」
星斗はとっさに鉄の盾を構えて、その拳の攻撃を受けとめる。すると最後の力で全力のパンチを放ったリビングアーマーの体がよろめく。
「今だ! オーラブレード!」
その隙を逃さす、星斗は魔力の斬撃を放ち、リビングアーマーの兜を打ち砕く。
「ガアアアアッ!」
それが致命傷になり、リビングアーマーは床に倒れて鎧がバラバラになった。すると星斗はレベル7になり、地面に倒れたリビングアーマーの体が消えて、その場に宝箱が出現した。
「おお! これがボスの討伐報酬か!」
星斗がその宝箱の蓋を開けると、中に指輪がひとつ入っていて、彼はその指輪を取り出す。
「これは……何の指輪かわからない。呪われた装備じゃないよな。いや、呪われた装備品なんて、初心者用のダンジョンでは出てこないだろう。よし。装備して確かめてみるか」
星斗は謎の指輪をはめてステータスボードを表示する。
本条星斗
レベル 7
HP 90 MP 45
力 23 防御 20
魔力 15 速さ 22
ユニークスキル(3/10)
ユニークスキルコピー(B) 物理耐性(C) 剣術(C)
スキル
オーラブレード
装備
ロングソード 攻+12
鉄の盾 防+6
鉄の鎧 防+10
守りの指輪 防+5
「おお! 守りの指輪か! これは当たりのほうだな」
ダンジョンボスの討伐報酬の宝箱の中身はランダムで、何がもらえるのかは決まっていなかった。ただボスの強さに比例して、宝箱の中身の価値は変わるようになっていた。
「よし、狩野ダンジョンクリアだ。今日はもう帰ろう」
星斗は地下三階から一階へ戻ってダンジョンから出て、家に帰ってその日が終わる。そして次の日の朝、
「そろそろ魔石を換金しておこう」
星斗は授業が始まる前、学校の一階にある魔石買取カウンターへやってきた。
「魔石の買取、お願いします」
「はい。少々お待ちください」
星斗はそこにいる事務員に、これまで集めた魔石(極小)十一個を渡し、スマホの電子マネーで二万二千円を手に入れた。
「いい小遣いにはなるけど、自分の武器や防具を買うとなると気が遠くなるな」
魔石の買取スペースのとなりには武器や防具を売る場所があるのだが、まだ開店してなかった。この第七覚醒者学校はまだ開校したばかりで、武器屋は準備中のままだった。
「強いモンスターがいるダンジョンならもっと稼げるから、自分で装備を買うのは、レベル上げしてそこにいけるようになってからだ。だからこのお金は使っちゃおう」
星斗はこのお金を何に使うか考えながら教室に向かう。その後、担任が教室に入ってきて授業が始まる。
「そろそろ狩野ダンジョンをクリアした者が増えてきた。よって今日の午後から次の北山ダンジョンが解禁される。今日はそのダンジョンの情報を教えよう。まず出現するモンスターだが、キラースネークというEランクモンスターがいる。元々、蛇は熱感知能力を持っているが、キラースネークはユニークスキル、気配察知を持っているから……」
(キラースネークが気配察知か。これはコピーしないと……)
星斗は次のダンジョンの授業を作戦を考えながら聞き、それが終わって午後になる。狩野ダンジョンをクリアした生徒達は、学校から出ているバスに乗って、二つ目のダンジョンとなる北山ダンジョンにやってきた。ここは学校から少し離れた小高い山に入口がある洞窟型ダンジョンだった。星斗は生徒手帳を出入口にいる覚醒者協会の職員に見せて中に入る。
「先生の言う通り、洞窟だけど中が明るい」
洞窟型の北山ダンジョンの中には、ところどころに光る岩があり、懐中電灯などの明かりは必要なかった。そして洞窟の通路は、モンスターと十分戦えるくらいかなり広かった。
「これなら普通に戦えそうだ」
星斗はロングソード、鉄の盾、鉄の鎧を装備して、学校から配布された北山ダンジョンの地図を見ながら進んでいく。すると洞窟の通路の先に体長が六十センチくらいの巨大な蜘蛛のEランクモンスター、ハンタースパイダーが現れた。
「蜘蛛のモンスターか。こいつはユニークスキルを持ってない。糸の攻撃だけ気を付ければ倒せるはず」
星斗は鉄の盾を構えながらハンタースパイダーに近づく。するとハンタースパイダーが彼に気づき、蜘蛛の糸を飛ばしてきた。それを星斗は右によけて回避する。
「うりゃあ!」
さらにハンタースパイダーに接近した星斗は、ロングソードを振り上げ、全力で振り下ろす。その斬撃がハンタースパイダーの頭部に直撃し、その一撃が致命傷となってハンタースパイダーはその場で倒れ消滅した。
「ふぅ。一撃で倒せた。授業で蜘蛛の糸を飛ばしてくるって聞いてなかったらやばかったな」
その後も星斗は洞窟を進んでいく。すると体長が三メートルくらいある巨大な蛇のEランクモンスター、キラースネークを発見した。
「来た! キラースネーク!」
星斗は鉄の盾を構えながらゆっくりとキラースネークに接近し、十メートルくらいまで来ると、
キラースネーク
ユニークスキル
気配察知(C)
コピーしますか?
とウィンドウに表示され、
「もちろんコピーだ!」
星斗は新たに気配察知を習得した。
ユニークスキル(4/10)
ユニークスキルコピー(B) 物理耐性(C) 剣術(C)
気配察知(C)
気配察知(C)
周囲十メートル以内の人間とモンスターの
存在と位置を知ることができる。
「十メートルか。ランクが上がれば、もっと広い範囲を感知できるようになるのかな」
「シャーー!」
「むっ、来るか!」
星斗に気が付いたキラースネークが、地面を這いながらゆっくりと近寄ってくる。
「キラースネークは毒を持っているから、噛まれないように気を付けないと」
星斗はダンジョンに入る前にキュアポーションを学校から三本、支給されていて、ポーションと共に腰のウエストポーチ型のポーション入れに携帯していた。
キュアポーション 毒状態を治療する
「シャーー!」
星斗に接近したキラースネークは、口を開けながら飛び跳ねて星斗に噛みつこうとする。それを彼は鉄の盾で弾き、その直後、キラースネークの頭部を狙ってロングソードを振り下ろす。その斬撃がキラースネークの頭部に命中して、またしても一撃で倒した。そして動かなくなったキラースネークの体が消えて、その場に青色の魔石が出現した。
「おっ、極小魔石もゲット! それにしてもEランクモンスターなら急所を狙えば一撃で倒せるようになった。これも狩野ダンジョンでレベルが上がったおかげだ」
次回 北山ダンジョン戦 に続く




