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覚醒者学校の唯一無二の生徒  作者: 霧野夜星


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第三十六話 ランクアップの宝珠

「ふぅ。今回は、かすり傷程度で勝てた」

「私達が前回より強くなってる証拠ね」

「まあね」

(それもあるけど、本条君の存在も大きい気がする)


 明日香と島が、マグマドラゴンを倒して出現した宝箱の前でそんな話をしていると、そこへ鈴木も合流する。


「俺はボロボロだけどな」


 マグマドラゴンの正面で戦っていた鈴木は、戦いが終わった後、フルポーションを飲んで現在も回復中だが、鎧や盾が、へこみや傷だらけになっていた。


「明日香さん。この装備はどうしますか?」


 宝箱のそばに星斗も来て、明日香にそう質問する。


「あっ……ええと……」


 いきなり星斗に話しかけられ、明日香は動揺してうまく話せないでいる。


「もう。戦いが終わると、いつもの人見知りに戻るんだから。ああ、本条君。この大部屋のすぐ先に転移の石碑の部屋があるんだけど、念のため、ダンジョンから出るまでそれを装備してて」

「わかりました」


 明日香の代わりに島がそう答え、星斗は後衛のアンリやシルバーナイト達がいる場所に歩いていく。アンリ達はシャドウアサシンからドロップした宝箱のそばに集まっていた。


「シルバーナイト、ダークエルフ。お疲れ。戻っていいぞ」

「はっ」

「では」


 シルバーナイトとダークエルフが、帰還の魔法陣で帰っていく。


「本条君、凄いわね。お姉ちゃん達が苦戦するマグマドラゴンと戦えるなんて」

「この装備のおかげで、何とかついていけたんだよ。俺の装備とは全然違う」

「まあ、普通の学生が装備するようなやつじゃないからね。私の赤竜シリーズもそうだけど」

「二人とも、そろそろ宝箱を開けるわよ」

「あ、はい。お願いします」

「さて、何が入ってるかな」


 成田が宝箱を開けると、中に緑の宝石で装飾された指輪が入っていた。


「これは……風の精霊の指輪ね」

「ああ、速さが上がる装飾品ですね」

「そう。これはアンリちゃんが収納しておいて」

「はい」


 成田がアンリに風の精霊の指輪を渡し、彼女はそれをアイテムに収納する。


「おお! これは!」


 一方、明日香達もマグマドラゴンがドロップした宝箱を開け、鈴木が驚きの声を上げる。


「何?」

「あっちに行ってみましょ」


 成田、アンリ、星斗が明日香達がいる場所に走っていく。すると島が青く光る丸い石のような物を右手にを持っていた。


「あっ、ランクアップの宝珠!」

「そう。これはAランクのやつみたい」

「なんだ。Aランクか」

「ランクアップの宝珠というのは?」


 星斗が、Aランクと聞いて残念そうにしてる成田にそう聞く。


「ああ、その宝珠は、使用者のユニークスキルのランクを上げてくれるレアアイテムなのよ」

「えっ!? ランクを!」

「そう。でもランクアップの宝珠には種類があって、それはBランクのユニークスキルを、Aランクに上げるやつなの」

「そんなアイテムがあるんですか」

「まあね。はぁ、AランクをSランクに上げる宝珠ならよかったのに」

「Sランクアップの宝珠なんて、まだ見つかってないでしょ」


 星斗と成田の会話に、島がそう言って加わる。


「でもAランクがあるんだから、Sランクのもあるはずよ」

「あったとしても、Sランクモンスターがドロップするんじゃない。Aランクモンスターが、Aランクアップの宝珠をドロップするみたいだし」

「それじゃ、私達には入手は絶望的か」

「それはしょうがない。ああ、これは貴重なアイテムだから、私が持ってくわ」


 そう言って島が、自分のアイテムボックスにAランクアップの宝珠を収納する。明日香や島もアイテムボックスを持っているが、スキルブックで習得したもので容量が少ないので、ダンジョンでの戦利品をすべて収納することは難しかった。


「さあ、転移の石碑のある部屋に進みましょう」


 星斗達はこの大部屋を出て地下三階の通路を進んでいく。その途中、星斗は先ほど入手したユニークスキルを確認する。


 影術(A)

 影を使ったスキルを使うことができる。


 影縛り

 武器を相手の影に突き刺すと、

 その相手の動きを止めることができる。

 使用者と相手の魔力の差で効果時間が変わる。

 消費MP 20


 影隠れ

 影の中に入ることができる。

 影の中にいると気配を完全に消せる。

 ただし自分の影には入れない。

 消費MP 30

 

 影移動

 影隠れを使用中、

 影の中を移動することができる。

 

(妖狐のユニークスキル枠が空いてたから、そこにコピーしちゃたけど、これはよかったのか……あの時、ゆっくり考えてる時間がなかったからな。まあ、いらないなら、ほかので上書きすればいいし、とりあえずいいか)


 星斗は妖狐のステータスボードを閉じて明日香達についていく。


(そういえば、本条君。影の中にいるシャドウアサシンの位置がわかってた。最初に出現した時も一番早く気づいてたし、気配察知みたいなスキルを持ってるのかも)


 アンリは、前衛の三人と一緒に歩いている星斗の後ろ姿を見ながら、そんなことを考えている。


(それに八王街ダンジョンで戦ってた時より、かなり強くなってる。成長が早くなるスキルも持ってるのかもしれない。というか、本条君はどれだけ強力なスキルを持ってるんだろう)


 星斗はこの天満ダンジョンでユニークスキルのランクを上げ、さらにレベルも上がったので、前のダンジョンを攻略していた時よりさらに強くなっていた。


(やっぱり本条君は、何か未知スキルを持ってる可能性が高い。もしかして通常スキルを強化できるユニークスキルとかかな。それとも……)


 アンリが星斗のことを考えながら地下三階の通路を歩いていくと、彼女達は転移の石碑のある部屋に到着し、そこから全員で天満ダンジョンの入口に戻ってきた。


「はー! やっと戻って来れた!」

「今回は疲れたな」

「マグマドラゴン戦だけが予想外だったわ」

「さあ、本部に戻りましょう。本条君も車に乗って」


 星斗は装備していたオリオンの剣などをアイテムボックスに収納して、天満ダンジョンの入口近くの駐車場に駐めてある白い六人乗りの車に乗り、鈴木が運転して全員でライジンギルドの本部があるビルにやってきた。


「まずは倉庫に行きましょう。そこで戦利品の分配をするわ」


 星斗達はギルド本部にある倉庫にやってきて、彼とアンリと島は、天満ダンジョンで手に入れた戦利品をテーブルの上に取り出す。


「じゃあ、明日香。分配を決めて」

「そうねー」


 明日香はテーブルの上の戦利品を見ながら考える。


「まず本条君」

「はい」

「今回はあなたのおかげで色々助かったわ。それで炎の剣と氷河の鎧をあげてもいいんだけど」

「あっ、明日香。私、本条君にシャドウアサシンから守ってもらったから加点してあげて」


 明日香が星斗の報酬を考えているところへ成田がそう言い、続いてアンリも話す。


「あっ、それなら私も本条君にマグマドラゴンの火炎岩から守ってもらった」

「むむむ。それは大幅に加点しなくちゃね……ならこれか」


 そう言って明日香は、テーブルの上のAランクアップの宝珠を手に取って星斗に渡した。



 次回 新たな力 に続く

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