第三十五話 シャドウアサシン戦
「まずい!」
マグマドラゴンが吐き出した火炎岩が、自分達に向かって飛んできているのを見た星斗は、急いでアンリの前に出て魔法の盾を構える。
「本条君!」
「ぐあっ!」
星斗が構えた魔法の盾に火炎岩が激突し、彼はその衝撃で全身に大ダメージを受けてHPを大きく削られる。
「だ、大丈夫!?」
「な、何とか……」
星斗はアイテムボックスからハイポーションを取り出して飲む。すると失ったHPが徐々に回復していく。
「ふぅ」
(危なかった。この氷河の鎧の火属性攻撃半減と、鈴木さんのガードブースト、それと俺の物理耐性のおかげで助かった)
「よかった。本条君、ありがとう」
星斗がハイポーションで回復していくのを見てアンリは安心する。
「何とか防げてよかっ……ん?」
その時、星斗の目の前に、
シャドウアサシン
ユニークスキル
影術(A) 短剣術(B) 気配察知(C)
どれを誰にコピーしますか?
とウィンドウが表示された。
「むっ!」
そのウィンドウを見た星斗は、周囲にシャドウアサシンがいないか探す。
「どうしたの?」
「シャドウアサシンが近くにいる!」
(とりあえず、影術を妖狐にコピーだ)
妖狐
ユニークスキル(2/3)
回復魔法(B) 影術(A)
(スキルの確認は後だ。奴は……)
「そこか!」
星斗は彼の十メートル以内にある影を見つけ、その方向を見て炎の剣と魔法の盾を構える。するとその影の中からシャドウアサシンが飛び出してきて、それと同時に星斗は走りだす。
「!」
「ハイオーラブレード!」
影から飛び出してきたばかりのシャドウアサシンに、星斗の魔力の斬撃が命中し、彼に続いて走ってきていたアンリが、持っていた赤竜の剣に光をまとわせて斬撃を放つ。
「聖光斬!」
「ガアアアアアアア!」
二人の剣技を連続で受けたシャドウアサシンの体がよろめく。
「二人とも! 離れて!」
成田のその声を聞いた星斗とアンリは、急いでその場から離れ、
「ボルトカノン!」
「サンダーウェーブ!」
成田が雷系最上級魔法を放ち、ダークエルフが雷系中級魔法を放つ。
「ガガガガガガガ!」
二人の雷魔法が直撃し、全身が感電したシャドウアサシンは大ダメージを受けて倒れ、そのまま消滅した。そして宝箱が出現する。
「やった!」
「倒した!」
「ふぅ、何とかなった」
(今のダークエルフのサンダーウェーブ……私のより威力が高かった。多分、魔力激化を持ってるのね。私でも持ってないのに)
今のダークエルフのサンダーウェーブを見て、成田はそう考える。彼女は雷魔法(S)を持っていて雷系最上級魔法も使えるが、魔法の威力が上がる魔力激化は持っていなかった。
「あさみ! こっちはまだ終わってないよ!」
緊迫したシャドウアサシンとの戦いが終わって気が緩んでいる成田に、マグマドラゴンと死闘中の明日香が叫ぶ。
「わ、わかってるわよ!」
「本条君はこっちに来て手伝って!」
「は、はい!」
「シルバーナイトとダークエルフはそのまま待機だ」
「はっ」
「了解です」
(シャドウアサシンとマグマドラゴンを倒したら、シルバーナイト達の戦闘熟練度が大幅に上がるはず。まあ、ダンジョンに入ってから召喚しておけば、もっと稼げたんだけど)
星斗はシルバーナイト達が、自分と同じくSランク覚醒者の足手まといになるかもしれないと思って召喚してなかった。
「お姉ちゃん! 私は?」
「アンリちゃんはそこで待機!」
「ちぇっ」
「本条君はこれを使って」
走って明日香の所に来た星斗に、彼女はアイテムボックスから取り出した剣を渡す。
「炎の剣じゃ奴に大ダメージを与えられないから、こっちのほうがいいわ」
「はい」
「それで本条君は、ウェンディゴと戦った時のように奴の後ろに回って」
「わかりました」
星斗は、走りながら炎の剣をアイテムボックスに収納して、明日香から渡された宝石で装飾された剣を装備する。
オリオンの剣 攻+80
(さっき本条君は火炎岩を受けても倒れなかった。氷河の鎧のおかげだろうけど、思ってたより彼は強い)
一方、星斗はマグマドラゴンの十メートル以内に接近したので、彼の目の前にウィンドウが表示される。
マグマドラゴン
ユニークスキル
竜麟(A) 最大HP激化(A) 力激化(B)
どれを誰にコピーしますか?
(竜麟来た! 竜麟を俺の物理耐性に上書きする!)
ユニークスキル(10/10)
ユニークスキルコピー(B) 竜麟(A) 剣術(A)
気配察知(B) 力激化(A) 氷魔法(A) 召喚(A)
アイテムボックス(B) 取得経験値増加(A) 幸運(A)
竜麟(A)
物理耐性40%。
魔法耐性40%。
(よし! これで物理攻撃だけじゃなく、魔法にも強くなった。後はマグマドラゴンに集中する……)
「氷結斬!」
星斗は明日香達と戦っているマグマドラゴンの隙をついて氷の魔法剣で攻撃する。
「大破壊斬!」
星斗の冷気の斬撃を受けて意識が後方にいったマグマドラゴンに、島が高威力の大剣術の必殺技を放ち、それが明日香が破壊したうろこ部分に命中して大ダメージを与える。
「ガアアアアアアアアア!」
その一撃を受けてマグマドラゴンの動きが鈍る。
「やっと奴のHPの底が見えた!」
「もう一息よ!」
「まだ奴は火炎のブレスを使ってない! それだけ気を付けて!」
明日香が仲間達にそう叫ぶ。マグマドラゴンは、彼女達がマグマドラゴンを取り囲んで攻撃していたので、火炎のブレスを使わなかった。火炎のブレスは強力な広範囲攻撃だが、クールタイムがあって連続では使えないので、その使いどころを考える必要があった。
「ボルトカノン!」
動きの鈍ったマグマドラゴンに、成田の雷系最上級魔法が命中する。
「まだ倒れないの! ならハイオーラブレード!」
明日香が、マグマドラゴンのうろこがはがれた個所を狙って魔力の斬撃を放つ。
「ガアアアアアアアアアアアアア!」
その一撃が致命傷となり、マグマドラゴンは床に倒れてそのまま消滅する。そして星斗はレベルが36から38になり、その場に宝箱が出現した。
本条星斗
レベル 38
HP 614 MP 351
力 101 防御 89
魔力 97 速さ 90
ユニークスキル(10/10)
ユニークスキルコピー(B) 竜麟(A) 剣術(A)
気配察知(B) 力激化(A) 氷魔法(A) 召喚(A)
アイテムボックス(B) 取得経験値増加(A) 幸運(A)
スキル
オーラブレード 魔法障壁 アイスバレット
クリエイトウォーター モンスター召喚
クリーン 気温調節 ハイオーラブレード
竜麟斬り 氷結斬 簡易鑑定
フロストスピア コールドストーム
装備
オリオンの剣 攻+80
魔法の盾 防+24 魔法耐性20%
氷河の鎧 防+60 火属性攻撃半減
怪力の指輪 攻+10
防壁の指輪 防+10
麻痺無効の指輪 麻痺無効
次回 ランクアップの宝珠 に続く




