第二十七話 アースドラゴン戦
「みんな! 作戦通りに……あっ!」
アンリが、アースドラゴンが大きく息を吸い込むのを見て叫ぶ。
「砂嵐のブレスが来る! みんな! 魔法障壁を!」
「了解!」
「魔法障壁!」
「魔法障壁、展開!」
アンリの指示で、星斗達は全員で球状の魔法障壁を自分の体を守るように展開する。
「ブフアアアアアアアアアアア!」
その直後、アースドラゴンが、口を大きく開けて猛烈な勢いの砂嵐のブレスを吐き出し、それが星斗達全員に襲い掛かる。
「ぐおっ!」
アースドラゴンの砂嵐のブレスによって、魔力が一番低いシルバーナイトの魔法障壁が破壊される。だがシルバーナイトは姿勢を低くしながら銀の盾で身を守り、受けるダメージを最小限にしていた。
「シルバーナイト! 大丈夫か!」
「問題ありません。召喚者殿」
ダメージを受けたシルバーナイトだったが、姿勢を正して剣を構えて戦う姿勢を示す。
「ギャオオオオッ!」
アースドラゴンの砂嵐のブレスに続いて、三体のドラゴニュートが背中の翼を羽ばたかせて宙に浮き、槍を構えながら星斗達へ向かって突撃してくる。
「ブレス攻撃は連続では来ない。まずドラゴニュートを倒すぞ!」
星斗は、風のやいばと魔法の盾を構えながら、飛んでくるドラゴニュート達を待ち構える。アースドラゴンの砂嵐のブレスは強力な広範囲攻撃スキルだが、十分間のクールタイムがあるので、連続では使えなかった。
「ギャギャアア!」
星斗の前に飛んできたドラゴニュートが、持っていた鋼鉄の槍に魔力をまとわせ、高速の三段突きを放つ。それを星斗は魔法の盾で防御して、その直後、
「竜麟斬り!」
彼は竜族の硬いうろこにも大ダメージを与えられる剣技でドラゴニュートの腹部を斬る。
「ギギャアッ!」
ダメージを受けたドラゴニュートは、追撃を恐れて星斗から急いで離れる。その直後、二体目のドラゴニュートが星斗に接近し、魔力を込めた高速の三段突きを放つ。それを彼は何とか魔法の盾で防御する。
(俺一人で二体のドラゴニュートの相手をしないと……)
アンリは、ゆっくりと四つ足で歩いてくるアースドラゴンに向かって走っていき、足止めを開始する。シルバーナイトは、三体のうち一体のドラゴニュートの相手をしているが、星斗のような竜麟斬りなどの有効な攻撃ができないので地道に戦っている。それで星斗は、一人で残り二体のドラゴニュートの相手をしなければならなかった。
「ガードブースト!」
美亜が、仲間全員の防御力を強化するスキルを発動する。すると星斗達の全身が赤いオーラに包まれる。
「防御力アップか! これは助かる!」
美亜のスピードブーストとガードブーストのおかげで、星斗は二体のドラゴニュートと互角以上の戦を続けていく。そこへ、
「ダークスマッシャー!」
「ギャギャアアッ!」
ダークエルフが渦巻く球状の闇を放ち、星斗が相手をしている二体のドラゴニュートの片方に命中する。それを見た星斗は、竜麟斬りでそのドラゴニュートに追い打ちをかけ、まずその一体を倒した。
(俺の新しい魔法を見せてやる!)
「ファイアアロー!」
さらに智也がスキルブックで新たに習得したファイアアローを、星斗が戦っているドラゴニュートを狙って放つ。ファイアアローは、二メートルくらいの火の矢を複数作り出して一斉に放つ火系中級魔法だった。
「ギャギャアアアアアア!」
ドラゴニュートの体に五本の火の矢が突き刺さり、さらにその全身が燃え始める。そこへ星斗が風のやいばで斬撃を放ち、二体目のドラゴニューを倒した。
「よし! シルバーナイト、加勢するぞ!」
二体のドラゴニュートを倒した星斗は、シルバーナイトと合流して最後のドラゴニュートと戦いを始める。
「ドラゴニュートは残り一体。もう少し足止めを……」
「グオオオオオオッ!」
アースドラゴンが、アンリを狙って硬い竜のうろこでおおわれた尻尾を豪快に振る技、ドラゴンテールを放つ。
「はっ!」
それをアンリはジャンプして華麗にかわす。するとアースドラゴンが、二体のドラゴニュートを倒されたことに気づき、目の前の床に二つ、召喚の魔法陣を作り出す。
「むっ! 竜麟斬り!」
その動きを見て、アンリがアースドラゴンの前足を斬りつけ、ダメージを負わせてその召喚をキャンセルさせる。
「ガアアアアアアア!」
「これ以上、召喚はさせない!」
アンリはアースドラゴンの動きをよく見ながら足止めを続けている。
「竜麟斬り!」
「ギャギャアアア!」
一方、星斗が最後のドラゴニュートに止めを差し、とうとう敵がアースドラゴン一体だけになった。
「よし、シルバーナイト、アースドラゴンを四方から攻めるぞ!」
「はっ!」
星斗とシルバーナイトは、アースドラゴンの右側と後方を目指して走りだす。これはアースドラゴンの砂嵐のブレスが一方向だけに放つ技なので、取り囲むように位置取りすれば、同時に砂嵐のブレス攻撃を受けなくて済むからである。
アースドラゴン
ユニークスキル
召喚(A) 竜麟(B) 最大HP激化(B)
どれを誰にコピーしますか?
と星斗がアースドラゴンに接近した時に表示され、
(竜麟も欲しいけど、今回は俺に召喚をコピーだ!)
竜麟は、物理耐性と魔法耐性の両方を持つ優秀なユニークスキルだが、星斗は三体目のモンスター召喚を優先させる。
ユニークスキル(10/10)
ユニークスキルコピー(B) 物理耐性(B) 剣術(A)
気配察知(B) 力激化(B) 氷魔法(B) 召喚(A)
アイテムボックス(B) 取得経験値増加(A) 幸運(A)
(よし、召喚がBからAにランクアップ!)
召喚(A)
モンスターを三体同時に召喚できる。
その後、星斗はアースドラゴンの右側に移動して剣と盾を構え、シルバーナイトもアースドラゴンの後方に移動する。
「朝比奈さん、待たせた!」
「さあ、ここから攻撃を集中させましょ!」
「グオオオオオオオ!」
取り囲まれたアースドラゴンは、アンリを狙って口を大きく開けて鋭い牙でかみ砕こうと迫る。それを彼女は高速の動きで後方にステップしてかわす。
「竜麟斬り!」
その噛みつき攻撃直後のアースドラゴンを狙って、星斗が全力の力を込めた竜麟斬りを放つ。
「ハイオーラブレード!」
「ダークスマッシャー!」
「ファイアアロー!」
「グオオオオオオオオオオオオオ!」
さらにシルバーナイト、ダークエルフ、智也がアースドラゴンに攻撃をしかけて確実にダメージを与えていく。
次回 ライジンギルド に続く




