第二十四話 ドラゴニュート戦
「ギャオーーーーーッ!」
Bランクモンスター、ドラゴニュートは、雄たけびを上げながら背中の翼を羽ばたかせて宙に浮き、鋼鉄の槍を構えながら星斗達へ向かって飛行していく。
「スピードブースト!」
それに対して、美亜が仲間全員の速さを上昇させるスキルを発動し、星斗、アンリ、シルバーナイトが、前衛に立って剣や盾を構えて迎え撃つ態勢になる。そしてドラゴニュートが星斗の十メートル以内に近づくと、
ドラゴニュート
ユニークスキル
槍術(B) 速さ激化(B)
どれを誰にコピーしますか?
と星斗の目の前に表示され、
(今回はパス)
と彼が意志を示すとウィンドウが消える。
「ギャギャギャア!」
一方、ドラゴニュートは、鋼鉄の槍に魔力をまとわせ、星斗を狙って槍術の物理スキル「三段突き」を繰り出す。その三度の高速突きを、彼は魔法の盾で防ぐ。
「ぐっ!」
(防御してこの衝撃か)
星斗は防御激化を失って物理耐性だけしかないので、ドラゴニュートの槍スキルによってダメージを受ける。
「ハイオーラブレード!」
その直後、シルバーナイトが、星斗への攻撃後の隙を狙って強大な魔力の斬撃を放つ。それがドラゴニュートの体に命中したが、その全身を覆う硬いうろこによって、大きなダメージは与えられなかった。
「ギャオッ!」
一方、攻撃を受けたドラゴニュートは、続けて攻撃されるのを防ぐため、後方に飛んで星斗達から距離をとる。
「さすが竜族ね。竜の硬いうろこには普通の攻撃では駄目みたい。なら!」
アンリは距離を取ったドラゴニュートに向かって高速で接近する。今の彼女は美亜のスピードブーストによって、高速の動きが可能だった。
「竜麟斬り!」
アンリはジャンプしながら対竜族用の剣のスキルを発動し、その斬撃が宙に浮いているドラゴニュートの腹部の硬いうろこを切り裂く。
「ギギャアアアアアア!」
腹部を斬られ大ダメージを受けたドラゴニュートは、地面に着地してよろめく。その隙をねらって今度は星斗がドラゴニュートに高速で接近する。
「竜麟斬り!」
「ガアアアアアッ!」
星斗も剣術(A)をコピーした時に習得したスキルを発動して竜族の硬いうろこを切り裂き、さらに大ダメージを受けたドラゴニュートは床に片膝をつく。
「準備完了!」
その直後、智也の魔法発動の準備が整い、星斗とアンリは急いでドラゴニュートから離れる。
「フレイムピラー!」
ドラゴニュートの足元から直径二メートルくらいの燃え盛る火の柱が出現し、ドラゴニュートの全身がその火に包まれる。
「ダークスマッシャー!」
さらにダークエルフが渦巻く球状の闇を放ち、それが高速で飛んでいく。
「ギャギャアアアアア!」
そのダークエルフの闇系中級魔法が止めとなり、ドラゴニュートは倒れて消滅し、その場に魔石(大)が出現した。
「Bランクでも、みんなで力を合わせれば、普通に倒せるな」
「でも、もっと下層ではBランクモンスターとCランクモンスターが一緒に現れたり、Bランクが二体同時に現れたりするらしいから、このダンジョンは簡単にはクリアできないよ」
星斗はまだ余裕があったが、智也は授業でこの先のことを聞いていたので少し不安になる。
「その時のために、今のうちにレベル上げと資金稼ぎしましょ」
アンリは魔石(大)を収納し、彼らはモンスターと戦いながら八王街ダンジョンを進んでいき、地下十階まで到達する。
「地下十階には転移の石碑があるから、そこが今日の目標ね」
星斗達はモンスターを倒しながら、最短距離で地下十階の転移の石碑のある部屋までやってきた。彼らはここまでに、宝箱から「クリーンのスキルブック」「夜目のスキルブック」「氷河のマント」「魔法の胸当て」「怪力の指輪」などを入手し、星斗はレベルが23に上がっていた。
「今日はここまでね」
転移の石碑を使ってダンジョンを出た星斗達は、報酬の分配をして、星斗は「怪力の指輪」と「漆黒のマント」を手に入れた。さらに彼は覚醒者ショップでダークエルフ用に魔導士の杖を購入した。
怪力の指輪 攻+10
魔導士の杖 攻+8 魔法強化5%
漆黒のマント 防+15
そして次の日の午後、星斗達は転移の石碑で八王街ダンジョンの地下十階に戻ってきた。
「さて、今日は地下十一階に進む?」
「授業で、この先はBランクモンスターが複数同時に出てくるって言ってたので、ちょっと怖いです」
「俺達は地下五階から十階まで二日で行けたけど、普通は何日もかけて少しずつ進むよね。本条君と朝比奈さんが強いから、難なくここまで来ちゃったけど」
美亜と智也は、このまま進むのは不安な様子だった。
「じゃあ、しばらくは五階から十階で、レベル上げと資金稼ぎと宝箱探しをして、今より強くなってから十一階に進むっていうのはどう?」
「俺もそれがいいと思う」
「俺も」
「私もです」
星斗と智也と美亜は、アンリの提案に賛成する。
「わかった。じゃあ、しばらくは、今より強くなることを目標にしましょ」
それから星斗達は、数日かけて地下五階から十階までをマップを見ながら隅々までまわり、宝箱を回収しながら出現したモンスターを倒していく。その結果、星斗はダンジョンを出てからの分配で、「簡易鑑定のスキルブック」「大魔力の指輪」「黒鉄の鎧」「黒魔導士の杖」などを手に入れ、彼はレベル26になった。
本条星斗
レベル 26
HP 327 MP 238
力 74 防御 65
魔力 71 速さ 66
ユニークスキル(10/10)
ユニークスキルコピー(B) 物理耐性(B) 剣術(A)
気配察知(B) 力激化(B) 氷魔法(C) 召喚(B)
アイテムボックス(B) 取得経験値増加(A) 幸運(A)
スキル
オーラブレード 魔法障壁 アイスバレット
クリエイトウォーター モンスター召喚
クリーン 気温調節 ハイオーラブレード
竜麟斬り 氷結斬 簡易鑑定
装備
風のやいば 攻+45 風属性武器
魔法の盾 防+24 魔法耐性20%
黒鉄の鎧 防+35
怪力の指輪 攻+10
守りの指輪 防+5
麻痺無効の指輪 麻痺無効
簡易鑑定
アイテムや装備品の名前がわかる。
その詳細まではわからない。
消費MP 5
ダークエルフ
黒魔導士の杖 攻+18 魔法強化15%
漆黒のマント 防+15
大魔力の指輪 魔+10
魔力の首飾り 魔+8
「ここまでで俺達、だいぶ強くなったな」
「はい。私も資金もたまったので、今日、ガードブーストのスキルブックを買おうと思ってます」
「全員の防御力が上がるスキルか。それは頼もしい。俺も装備も整えたし、レベルも上がったし、これなら地下十一階にも行けるはず」
智也と美亜は、この数日のダンジョン攻略で強くなったことを実感し、少し自信が出てきたようだ。
「じゃあ、明日から地下十一階に進みましょ」
星斗達は万全の準備をしてから、次の日の午後、八王街ダンジョンの地下十階の転移の石碑の部屋まで戻ってきた。
次回 ライトウィング に続く




