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覚醒者学校の唯一無二の生徒  作者: 霧野夜星


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第〇〇十話 岩井ダンジョン戦

「今、発表したパーティは、今回だけの臨時のものだ。いきなりパーティを組めといわれても困るだろうからな。それと臨時パーティだと、戦利品の分配でもめることが多いから、岩井ダンジョンで入手した物は、全部、換金して分配してもらう。岩井ダンジョンで手に入る物は、覚醒者ショップで買えるから、もめるくらいなら換金したほうがいい。では岩井ダンジョンで注意するモンスターだが……」


 担任の先生は、岩井ダンジョン攻略授業を始める。


(よかった。自分達でパーティを組めといわれたら、どうなっていたことか)


 学校側がパーティを決めてくれたので、クラスに信頼できる友人のいない星斗は安堵する。そしてその授業が終わって休み時間になると、星斗の席に宇佐美智也がやってきた。


「本条君、同じパーティだよね」

「ああ、そうみたいだ。よろしく頼む」

「こちらこそ」


 星斗が立ち上がり、智也と話していると、そこへ朝比奈アンリと佐藤美亜もやってきた。


「ここが第四パーティの集合場所? 私は朝比奈アンリ。よろしくね」

「私、佐藤美亜っていいます。これからよろしくお願いします」


 天才(S)を持つアンリと、おとなしそうな雰囲気の美亜が、星斗達に挨拶する。


「俺は本条星斗だ。よろしく」

「俺は宇佐美智也。一緒にがんばろう。まあ、朝比奈さんがいれば、もう勝ったも同然だけど」

「いやいや、岩井ダンジョンは複数のモンスターと戦うことになるんだから、みんなで役割を分担して連携しないと」

「確かにそうですね」

「じゃあ、さっそくパーティの役割を決めましょ。ああ、私は剣も魔法も使えるけど、前衛のほうが戦いやすいかな」

「俺も前衛がいい。一応、魔法も使えるけど、物理攻撃のほうが得意なんだ」


 アンリと星斗は、前衛での戦いを希望する。


「朝比奈さんと本条君も魔法が使えるのか。俺は攻撃魔法しか使えないから後衛をやるよ」

「私も後衛がいいです。私は回復魔法でみんなを支援します」


 智也と美亜は後衛を希望する。


「前衛が二人で、後衛が回復と攻撃魔法の二人、バランスがいいパーティね」

「先生が、そういうところを考えて選んでくれたんだろう」

「なるほどね。ああ、本条君。この前のことは秘密?」

「えっ? ああ、あれは……」


 星斗が召喚のユニークスキルについて話すかどうか考えていると、智也が星斗とアンリを見ながら話す。


「へー、秘密を共有してるってことは、二人はそういう関係?」

「なっ! ち、ちが……」


 アンリは慌てて智也の言葉を否定する。


「天ヶ崎ダンジョンで、朝比奈さんが俺のスキルを見たってだけだよ。それでそのスキルは秘密にしなくていい。岩井ダンジョンでも使うつもりだし。で、そのスキルというのはモンスター召喚で、俺はリビングアーマーを呼び出せるんだ」

「おお、モンスター召喚か! それは凄い! 戦力的に五人パーティと一緒だ」

「確かにね。じゃあ、全員の役割は決まったし、解禁されたら、すぐに岩井ダンジョンに行く?」

「俺は行きたいけど、みんなはどう?」

「俺も行くよ」

「私も」

「決まりね。じゃあ、その日のために色々準備しておきましょ」


 それから数日後、岩井ダンジョンが解禁される日になり、その日の午後、星斗達四人は、学校のバスに乗って岩井ダンジョンまでやってきた。岩井ダンジョンの建物の周囲には、ほかのダンジョンと同じように、色々な施設が建てられていた。


「ここが岩井ダンジョンか。ここにいるのは第七覚醒者学校の生徒ばかりだから、また貸切ってるみたいだな」


 星斗は買ったばかりの騎士シリーズを装備していて、今回は背中のリュックは持ってきていなかった。


「ここも自衛隊が巡回してるから、万が一の時も安心ですね」


 美亜は、皮の胸当てとバックラー、そして白いマントを身に着け、棒状の武器、メイスを手に持っている。


「じゃあ、中に入りましょ」


 美しく装飾された剣と、真っ赤な鎧を装備しているアンリは、ダンジョンの入口にいる覚醒者協会の職員に生徒手帳を見せて中に入り、星斗達も彼女に続いて中に入る。

 岩井ダンジョンは石のブロックで作られた迷宮で、その通路は、複数対複数の戦いも普通に可能なくらい広かった。さらに入口近くには転移の石碑があり、ダンジョンの奥深くから一瞬で戻ってくることもできた。


「そうだ。これからの方針なんだけど、最短距離で地下八階のボス部屋を目指すか、ダンジョンの隅々まで探索しながら地下へ降りていくか、どっちがいい?」

「俺はどっちでも」

「私も」

「俺もどっちでもいいから、リーダーが決めていいよ」


 魔導士の杖と、灰色の魔導士のローブを装備している智也が、アンリにそう言う。


「えっ? 私がリーダー?」

「そりゃあ、一番強いし、装備も凄そうだし」

「ああ、これはお姉ちゃんが用意してくれたの。私が早く強くなることがライジンギルドのためになるからって。でもほんとは過保護で心配性なだけなんだけど」

「ああ、ライジンギルドのギルドマスターなら、スキルブックも凄いのを持ってるよね」


 アンリの姉は、国内第三位ライジンギルドのギルドマスターで、高難易度のダンジョンを攻略してるので、星斗はそう考えた。


「うん。だから私はレベルはまだ低いけど、スキルはいっぱい持ってるよ。ほんとは自分で見つけた装備やスキルブックで強くなるのがいいんだろうけど、お姉ちゃんに甘えちゃった」

「へー、そんなに凄いなら、やっぱリーダーは朝比奈さんだよね」

「んー、まあいいか。じゃあ、最短距離で進みましょ。それでボスを倒してから、ゆっくりとこのダンジョンを周回してもいいし」

「わかった。じゃあ、後衛の俺がマップを見ながら進むよ。前衛はモンスターを警戒しながら進んで」

「了解」

「じゃあ、リビングアーマー! 召喚!」


 星斗は召喚の魔法陣からリビングアーマーを呼び出す。


「おお、それがモンスター召喚か!」

「本条君、そのリビングアーマーって、強さはダンジョンのと一緒?」


 アンリはリビングアーマーを見ながらそう星斗に聞く。


「いや。リビングアーマーは、俺と同じレベルになるんだ。だから野良のより強いよ」

「へー。それならずっと一緒に戦えるね。じゃあ、攻略を始めましょう」


 星斗、リビングアーマー、アンリが先頭に立ち、その少し離れた後を、智也と美亜がついていく。すると一階の通路の先から三体のシルバーウルフが出現した。


「Dランクのシルバーウルフだ!」

「ここで待ち構えましょ」

「了解」

「私は少し下がってます」


 星斗達はその場にとどまり武器を構えると、三匹のシルバーウルフが彼らを目指して突撃してきた。一方の星斗、アンリ、リビングアーマーは、迫ってきたシルバーウルフを狙って、それぞれの剣で斬撃を放つ。


「ギギャア!」

「ガガッ!」

「グガッ!」


 星斗達の斬撃によって大ダメージを受けた三体のシルバーウルフは、その場に倒れて消滅した。その様子を見ていた智也と美亜が驚く。


「つよっ、俺の魔法の出番がなかった」

「私の出番も、しばらくなさそうです。それにしても、朝比奈さんが強いのは知ってましたけど、本条君もこんなに強いとは」



 次回 ランクアップ に続く

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