その79.パンツの色は縞々です。
教室に行ってもミホはいなかった。
ど、どうしたんだろう。
でも確かに学校に行ったのは見てたんだけどな。
いつもなら嫌でも関わってくるミホがいない……。
何だろう……少し不満。
取り合えず熱心に何かのファイルを見てるアズキに話しかけてみる。
「なんだよ! 今良いとこなのに!!」
「何がいいとこなのかは知らないけどさ、ミホ見てないかな? ちょっと探してんだけど……」
「あーアイツ? 一年生の廊下で写真ばらまいてたけど」
「な、何ぃ!? 人が心配してやってる時に何やってんだアイツは!!」
どうやら心配損だったらしい。
あ・の・性悪女めぇぇぇぇ!
「あー行った行ったもう話しかけんなよ! 俺は忙しいんだ!!」
しかしコイツは何を熱心に見てるんだ?
ニヤケ面なアズキの後ろからファイルを覗いてみる。
……僕が百合果だった時の写真が大量に、大量に……。
パンチラ写真とかどうやって撮った、んだ……ァァァァァ!?
なななななな何でそんな物までェェェァァァ!?
「ウ、ウヘヘ……百合果タンのパンツ、パンツ萌えぇぇ~……」
「ぼ! 没収没収!! 何見てんだこのクソヤロー!!」
「て、テメェ返せコラァ!? 俺達の秘蔵のアルバムを!! その写真を買う為にどれだけ同士達と金を作ったと思ってんだ!!」
取り上げたファイルを持ちながら固まった。
「……ど、同士って何だ?」
「我等モテる奴らブッ殺したい隊改め……百合果様親衛隊だ」
思わずズッコケてしまった。いや本当普通に。
「お前暫く見てないと思ったらあの変態部隊の一員だったのかァ!?」
「隊員じゃない! 隊長と呼べ!」
「……ん?」
どの覆面かまで特定出来ました。
「あ。」
間の抜けた声がアズキから漏れる。
お互いがそこで普通に固まった。
「……お前かァァ!! あのパンツ見せて下さいとか言ってた変態赤覆面は!!」
凄い勢いで殺意が沸いた。
「変態赤覆面じゃ無い隊長と呼べェェェ!!」
「ウルセェェェェェェ!! こ、殺してやるこのヤロー!!」
近場にある椅子を掴むと変態赤覆面向けて振り被った。
「……っていうか何で俺がパンツお願いしたの知ってんだよ」
凄く冷静に言われてしまった。
「……あ。」
今度間の抜けた声を溢したのは僕だった。
椅子を掴んだまま固まる。
「ま、まさかお前!!」
「……」
黙ってそのまま椅子を振り被った。
「お前も覆面のひとりプギャァ!?」
……うん馬鹿で良かった。
取り合えずバレて無かったようだ。
なんであの時パンツまで女物にしてたんだ僕は……。
しかし急いでミホに会って写真全部消さないとな……
っと、このファイルどうしよ。
いいや僕の机に入れといて、と。
よし! 一年生の廊下だな!? 急げ僕!!
「ん? おーいへーじー? 机からなんか落ちたぞー?」
後ろからアホサクの声が聞こえたがいまいち聞き取れなかった。
無視無視。
今は急いでミホの捜索だ!
きっといつも通りのミホなんだ。 速く、いつもの様に怒ってやる。 あの性悪女め。
そろそろ溜まっているほかの小説を出して行きたいですね。