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その5.無視されるのって辛いよね、解ります。

 少年は一歩後ろに下がると刀を降ろした。 


 少年は軽く眉を顰める。

「……フン、あんたが噂の縁先輩か」

 


「気安く呼ぶんじゃ無いわよ、殺すわよ」


 ……わぉ。

 縁さん、いえ、縁様が凄い怒ってらっしゃる。

 声はドスが利いていて素敵に無敵。

 そんなアナタは恐怖です怖ッ!。

 

 こんな怒っている縁様、いえ縁お嬢様は久しぶりかもしれない。

 少年と縁お嬢様がにらみ合っている。

 空気が凍っていく気がした。


「……へーじ」

 突然名前を呼ばれてドッキンコ。


「な、何!? 縁お嬢様!?」


「は? お嬢様?」

 あ、心の声が、ミステイク。


「いや、何? 縁」


「えと……怪我無い?」

 何いきなり。

 いつも君にやられてる方が相当なダメージなのですが。


「君のいつもの攻撃に比べたら数倍マシだから安心して良いよ」

 心配してくれている様なので解り易く自分の安否を教えた。


「…………あっそ!」

 あれ!? 解り易く言ったのに何か怒ってる!? 何故!?


「サッサとどっか行ってくれるかな!? 邪魔だからッ!!」


 ム、流石にここまで言われる筋合いは無い筈だ。


「解ったよ、サッサと行けばいいんだろ!」

 僕も少し強気な言い方で返してしまう。


「……へーじの馬鹿」


 こら、聞こえてるぞ暴力女!

 相変わらず怒るタイミングが解らん子だな……。

 立ち上がり、その場を離れようと背を向けた。


 その時。


 ブォン! と風を切る音が聞こえた。


 反射的に音の鳴った方向、つまり縁の方に振り向くと、男が縁に向けて刀を振り下ろしていた。

「ゆか……!」


 縁の名前を叫ぼうとした時、僕の焦りは杞憂に終わったのが直ぐに解る。

 縁は体を横にすると、振り下ろされる刀を簡単に避けた。

 目の前を本物の刀が通り過ぎて行っているというのに、縁は眉一つ動かさない。

 怖くないのか? あいかわらずとんでもない子だ。


「無視してんじゃねーぞテメェ」

 縁が避けなければ刀は頭から斬られていただろう。

 その躊躇の無さにゾッとする……。

 無視されたのがそんなに気に食わなかったのか、少年はギラついた瞳を

 こ、コイツ……さすがの縁もこんなのが相手なのはマズイんじゃ……。

 そう思い不安の視線を縁に向けた。


「へーじ呼んだ? 何? アタシがやられるとでも思った?」

 縁は僕の心配をよそに、自慢げにフフン、と鼻を鳴らしていた。


 ……いやいや空気を読め縁お嬢様。


 今ね? あの男は自分が無視されたのを怒ってらっしゃるんですよ。 解ります?

 それをね、またね、無視したら、ほら、ね?


 僕の考えも知らずに縁は何やら嬉しそうに、っていうかまだ自慢気にしている。

 解ったから前を向け、前を。

 ほら見ろ、男の表情が更に怒りで赤くなってんじゃ無いの。


「て、テメェ! 良い度胸じゃねーか!!

 ほらほら、何かそれらしい怒った感じ出してんじゃん! 君のせいだよソレ!


「うっさいわよアンタ!! アタシは今へーじと話してんの!!」

 駄々をこねた子供の様に、めんどくさそうに縁は少年を睨む。

 はーい直球地雷ですねー。

 火に油、基火にダイナマイトを投げ込みましたー。

 僕は知りませーん。 勝手にして下さーい。


「殺すぞクソ女ァ!!」

 男の顔は、正にクリリンに不意打ちをされたフリーザーといった感じの表現だ。

 ん? 解らない? じゃあ、のび太に反撃されたジャイアンみたいな感じで在る。


「うっさいわねー……サッサと沈めてあげるからかかってきなさいよ、器物破損、銃刀法違反、校内への私物の持ち込み、それら諸々含めて風紀委員として制裁を加えてあげるわよ!!」

 か、かっこいい……縁お嬢様、カッコイイです。 女ならつい惚れてしまいそーだ。

 良い感じの決め台詞を決めた後、戦闘の構えを取った。

 素手で構える縁に対し、一年生は刀を水平に構えてギラギラと怒りの視線を光らせている。


 周りの空気が固まる。

 回りで見守っていた生徒達は野次馬根性そのままに二人を囲んで輪を作る。

 僕もその野次馬に混じる形で二人を見守った。



 その時。


 チャイムが鳴った。

 空気の読めない間の抜けた音が全体に広がる。

 キーンコーンカーンコーン、という学校特有の音が緊張感を消し去っていくのが解った。

 周りで固唾を呑んで見守っていた生徒達は散り散りに去っていく。

 見れないと思ったらスグに去っていくこの野次馬精神は何なんだ……。


「……ッチ、興ざめだ」

 男はそういうと刀を下げた。


「……風紀委員としてアンタは見捨てて置けないけど、時間が来たのなら仕方無いわね」

 そう、時間が来たのだ。

 風紀委員として時間は守らなければならない。

 風紀を守る為に自分が風紀を乱していれば正にミイラ取りもミイラなわけだ。

 そういう所はしっかりしている縁。


 男と縁は同時に背中を向け合った。


 縁とまた目が合ったが、フン! という感じでそっぽを向かれてしまった。

 まだ怒ってんのか君は……。


 ハァ、と溜息を付くと下に何かいるのに気づいた。

「……ん?」


 足元に……野次馬達に踏まれまくってボロボロのサクが居た。

 というか僕も普通に無視してサクを踏んでいた。

 そして気づかなかった。

 僕も縁の事は言えないかもしれない……。


「へ……へーじ……」

 そんな弱り切った声で僕の名前を呼ぶな。

 そして半泣きの目で僕を見るな。


 取り合えず、サクを無視して新しい教室に向かった。


 後ろから悲痛なサクの叫び声が聞こえるが、無視。


 サク……反省しろ。

実家に帰った日。


良い感じに喉が渇いた時の話し。

冷蔵庫に茶色い液体が入ったものを発見!


私「ウヒョーお茶だー!┌(。Д。)┐ あはは♪ 」


パック毎一気飲み。


私「ブヘァー!?Σ(゜Д゜|||)」←吐いた。


母「あー! アンタ何うどんつゆ飲んでんのー! 本当勘弁してよー!」


私「こ……こっちが勘弁して欲しいわ……紛らわしいorz]



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