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その50.ゆっくりお喋りとか女の子らしい事してみたいけどそういう事はやらせてくれないらしい。女の子っぽい行動たまにはしてみたい……

 突然笑顔を見せられれば、戸惑ってしまうのは仕方ない。

 あまり笑わない人だな、って思った拍子にお礼と共に笑顔を見せられてしまい、それはまさに不意打ちであった。


 顔、赤くないかな?


 アタシの顔を不審そうに覗き込んでくる百合果さんの蒼い瞳から慌てて目を逸らす。


 顔を近付かれるのは止めて欲しい……。

 何故か恥ずかしくなってしまう。


 アタシ、女なんだけどな……。


 しかし本当に綺麗な人だ。

 何故ミホさんがこの人を狙っているのか、亜里沙というへーじに抱きついていた少女とどう知り合ったのか。

 気になる事は山ほどあるけど、無理に詮索する気はない。

 誰かが助けを求めるならば私は助けるだけだ。

 だけど……へーじにこんな綺麗な親戚が居たのはビックリだ。


 ……、へーじの事、沢山知ってるのかな。

 へーじの事をもっと知りたいと思う自分が居た。

 自分の事を話さないへーじについて、この綺麗なおねーさんとお喋りがしたいと思った。

 へーじの好きな食べ物とか、へーじの子供の頃とか。

 なんでも良いから、そんな他愛ない話しがしたいと思えた。

 へーじの知り合い、というのに興味を持ったのだ。



「あ、あの百合果さん?」

 一応年上の方なようなので敬語は入れている。

 それくらいの話しならしても良いよね。

 

「何?」

 さっきの笑みが嘘のような適当な発言。

 折角美人なのに何か勿体ない気がする……。

 少し俯いて考える素振りをしてしまう。

 聞いて良いものなのか、悩んでしまった。

 まるでアタシがへーじの事を気になっているみたいじゃないか、という思いが生まれたのだ。

 ……実際そうだけど。


 意を決して、顔を挙げたと共に口を開く。


「へーじの事について……」

 そこでアタシの言葉は詰まった。

 言葉を止めたアタシに由里果さんは不審そうな眼を向ける。

 アタシは目を見開く。

 アタシが見ている視線は由里果さんを超えた後ろ。

 いつから居たのか解らない。

 さっきまではいなかった筈なのに……ッ!


 百合果さんの後ろに大きな男が居た。

 両手を広げ、今にも百合果さんを捕まえようとするかのように。


「どうしたの?」

 腕組みをして片眉を挙げる仕草を見せる百合果さんは気付いている様子は無い。

 百合果さんの言葉に返答を返す暇は無かった。

 男の大きな二の腕が。

 挟みの様に由里果さんに向けて動いた。


「百合果さん!!」

 大声を挙げ、思いっきり床を蹴り上げた。

 百合果さんとの距離は3,4歩だが、男の挟み込む動きに追いつくかは微妙だ。

 後ろの男を蹴り飛ばす!? ダメだ由里果さんが邪魔をしてる!! 百合果さんを突き飛ばす!? アタシの位置は男と対峙する位置、百合果さんを真正面から突き飛ばすのは不可能! 横に突き飛ばすまでも男の両手が邪魔をする!

 厳しい位置!

 

 間に合うか!?


「へ?」

 間の抜けた声を漏らす百合果さんにアタシは飛び込んで行く。


 間に合え!!

 へーじの知り合いを。


 傷つけさせるわけには行かない!!





短いですが、ここはどうしても切りたかったんで仕様と思ってください。

仕様って言葉、使ってみたかっただけですサーセンww



※一部百合果の名前が亜里沙になっている事に気付きました。

しょうもないミス申し訳ありません。

縁とか亜里沙とか百合果とか似た発音が多いと偶にこんがらがりますw


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