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その9.亜里沙(ありさ)

 今日は始業式。

 学校は午前で終わりだ。

 ……何か今日一日でえらく変人な方々と沢山知り合いになった気がする。

 もう今日はサッサと帰りたいわ。

 ほんっとに……。

 というわけで。

 今日は帰る!

 何があっても帰る! それも猛ダッシュで! 即効だ!


「アッハッハー? へーじー帰んのー?」


 気合いを入れている所に性悪女が声を掛けてきやがる。

 発端がミホである事は多い!

 僕を呼び止める性悪女を無視し。

 教室を出た。

「あれー? へーじー?」

 っと、不思議そうにするミホの声が聞こえたがそれもスルー。


「よ! へーじ!」

 廊下で挨拶をする変態男には笑顔で「近寄るな」、と一蹴。


「お……俺何かしたっけ……」

 っと、半ばショックを受けた様子のアズキには少し悪い気がしたが、今はそんな事を言ってられない。



「へーじ! ヘェェェジ!」

 遠くで僕の名前を叫んでいる大きな体を持つ別の意味の変態を確認。

 ……まだ僕に気付いていない。

 遠回りして帰る為に閥の階段へ向かう。

 学校の裏側にある階段。

 あまり人に使われない階段だ。

 今、僕以外階段を降りる人間はいないわけだ。

 人がいないってサイコー!

 何て思いながらルンルン気分の僕は、ホップステップジャン~プ♪ みたいな感じで階段から跳んだ。


 2,3段上から飛び、見事に着地する。

 筈だった。


 グキ。

 嫌な音がしました。本当にありがとうございました。


 僕はその場で痛みに悶えゴロゴロゴロゴロと転がる。

 着地に失敗したァァァー!。

 見事に失敗し、足を挫いていた。

 痛い! 死ぬ! 痛い! もうダメ!

 クソが……クソがァァァー!

 誰にも関わってないのに何で不幸な目に!! 何故!

 涙目になりながらも僕は立ち上がる。


 っく、負けるもんか!


 三階が僕らの学年だ、二階が二年生、一階が一年生。

 今僕が居る所は2階。

 取り合えずはトラブル暴力女が来る前に離れないと!

 僕は足を庇いながら、慎重に降りる事にした。








 色々あったけど何とか下駄箱の所まで来る事が出来た。

 っくそ! 慎重に階段を降り過ぎて結局遅くなってしまった。

 学校が終わった瞬間にクラスを出てきたのにこれだ。

 既に他の生徒達も普通に帰ろうとしている所だった。


 もしかして普通に帰った方が早かった……?

 僕は溜息を零す。

 マァ、変人には合わなかったし、結果オーライってわけだ。


 なんか悲しくなってきた……。



 うん……いいや。

 帰ろう。

 

 自分の下駄箱を開けようとした時、可愛らしい声が聞こえた。


「ねぇ」


 声の先はスグ横からした。

 条件反射で横を向くと、小柄な少女が居た。

 サラサラの黒髪を左右で結び可愛らしいツインテールが似合っている。

 僕をジッと目を細めて見る少女。


 な、何だこの子?


 少女は方眉を上げて見せる。

 その行動の意図は読めない。


「この子なんて名前じゃ無いですよー 亜里沙ありさって名前ですよ、へーじ先輩♪」

 そう言って少女、基、亜里沙という名の少女は僕に笑顔を向ける。


ぐわぁぁぁ! 折角毎日更新してたのに、等々更新出来なかったァァ(TT)

部活の飲み会で遅くなったと言い訳しておきます(汗

現在12時33分……どっちにしても更新が少しズレてしまってゴメンナサイ><

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