異世界になじむ。
レリィの顔が曇った様な気がして、俺は戸惑った。良くなかっただろうか。
「あの…答えづらかったら別に良いんだけど…」
「…人々が望み、本人に了承がとれると稀にこの世界にくる人がいるらしい。それかもね。」
心なしか、声が冷たい気がする。
そう思っていたら、レリィが、急に笑顔になって言った。
「外で遊ばない?この辺の森はすんごい楽しいんだよ!」
俺もう高校生だし、そんな年齢じゃないんだけど……。でも、たまには、そういうのも良いかな。不思議と俺はそんな気持ちになった。
俺は了承した。
扉を開けると、暖かい空気が入ってくる。外は緑色で、その中にオレンジやピンクが入っている感じだ。南国の様な雰囲気がある。だが、異世界だと確信出来る点が1つ。
月が明るい。これだけきくと、現実世界でもありそうだが、これは、異常だ。太陽並みに明るい。
でも、月だと分かるのは、直視出来るからだ。太陽並みに明るければ、直視出来るはずが無いのだが、出来る。それがどうにも変な感じだった。
少し進むと、いわゆるRPGとかでいそうなスライムとウルフみたいなのがいた。(本当にその名称かは分からないが。)レリィとは普通に話している様だったから、俺も話しかけようとした。
しかし、何故か、逃げられてしまった。
え?もしかして、別の世界から来た俺は嫌、とかそんな感じか?俺はもやもやしながら、先へと進んだ。
森を抜けていくと、野原があった。きれいなお花畑だ。シロツメクサ…だったっけ、?そんな感じの名前の花に似ている花が沢山ある。
レリィが座ったから俺も座った。
レリィが、
「花かんむり、作ろっ!」
と屈託の無い笑顔をしたのを見て、俺もつられて笑った。
俺は作り方を知らなかったので、レリィに教えてもらった。
「ここをね、こう編み込んで…」
教わると、すぐに出来るようになった。意外と簡単なんだな。すると、レリィが
「ねえ!どうしたらそんなに上手くなんの!もうボクより上手いじゃん!」
そうなんだろうか。そう言えば、昔から手先だけは器用で、家庭科は常に5だったっけ。そのせいで、小学校の頃から女の子っぽい、とか言っていじめられたけど。嗚呼、嫌なもの思い出してしまった。
「そんなこと無いよ。レリィも上手いじゃん」
俺らは、楽しく遊んでいた。
いつからだっただろうか。次第に魔物達が一匹、二匹と寄ってきた。気づいたら、友達になっていて、一緒に遊んでいた。さっきまでのよそよそしさはどこへやら…?いや、俺が思ったより時間がたっていたのか。
次第に、お腹が空いてきたので、昼食を食べた。
レリィが作ったらしい。
「めっちゃ美味しい!レリィは料理も上手いんだな」
「いやいや、そんなことないよ」
そんな会話をしていた気がする。
俺は今、幸せだ。断言できる。人生で一番って言っても過言ではないかもしれない。
生まれてから、人生下降形だった。それが、初心にかえった感じで、楽しい。
夕食後、俺はレリィの書斎を訪れた。
色んな物が置いてあって、面白い。キョロキョロしていると、ふとあるペンダントに吸い寄せられた。
「これはね、ボクの一族に伝わっているペンダントなの。ボクも持ってるよ。これは、力の根源みたいな物で。これが無かったら死んだも同然な位大事なんだ。綺麗でしょ?」
力の根源…?たとえか?確かに、綺麗だ。見てると元気が出てくる。
……ふう。今日はなんだか忙しかった。でも、
(楽しかったな……)
そう考えながら眠りに着いた。
次の日。朝起きると妙に静かだった。
「おーい!レリィー!いるのかー?」
返事が無い。
ただのしかばねのようだ。
……っじゃなくて!ついRPGネタがでてしまった。
外にいるのか…?
扉を開けると、鉄の様な臭いが漂ってきた。
なんだ…?どうなっている…?
いちゃいちゃしてるだけ。
俺もウルフもふりたい…
何となく駆け足な第2話。