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七話 僕の沽券と階

独自の解釈、願望入りなので悪しからず(笑)

あまり進みませんがどうぞ。

――—————

—————

———ガク。

———姉さん、僕もう結婚できないかもしれません。

や、姉さん以外は——って違う!


「すみません、私はこれから少し用事がありしばらく席を外させていただきます」

「や、いいですよ、その女王様なんでしょう」

なれないワンピースにガウンという今の恰好になるまで着せ替え人形のように何回も着せ替えられた。

そう何回も脱がされたのだ!

女性に!羨ましいって思った人、変わる?

色々とすり減るよ———ほんとに——。

それはもういい笑顔で!脱がされたら。

お、女の人——こ、怖い。

何人ものメイド達に服を剥ぎ取られ着せられた僕のダメージは限界すれすれだ‼

せっかく素の僕でいられると思ったのに次は女装って――どんな罰ゲームだよ。

断固拒否――なんてさせてくれなさそうだし。

「―—」

「な、なんです?」

着せ替えられ黙って見つめる彼女の視線と沈黙に耐えられず問いかけてみるが僕はひどく後悔した。

「いや、違和感ないなと」

悪気もなくトドメの一撃をくらわしてくれる彼女。

「それは男として——大ダメージです」

中性的な顔だから仕方ないが、僕はれっきとした男なんだ。

女装が似合ってうれしい事なんてあるはずない。

「は、すみません」

思ったことがそのまま口に出たようで慌てたように口に手を当て謝罪するが遅い。

「い、いいです、そんなに長い間いるつもりないから」

 とっとと適当に思い出?核を作って帰してもらう。

 あっちに帰っても僕が言わなきゃいいんだから。

墓場まで持っていこう——うん、姉さんには絶対言えない。

おもちゃにされる。

「あ、今までの最短は三か月ほどです」

「―—さ、三か月なら」

彼女の帰還までの最短期日―—少しひるむがまだ大丈夫なはずだ。

「あ、でもそれは最低のメモリー基準でして、基本的には長くいてもらうだけメモリーはしっかりするので一年は――鏡様?」

———無理だ!!

一年も、女―————はは。

薄い笑いしか上げられない程思考が可笑しくなってきたが、男としてこれだけは!

「―——た、頼むから、ズボンにしてください、男装を好む女ってことで頼むから」

僕なりの譲歩で限界ラインだ!

いいじゃないか?

女でもズボン履くだろう。

むしろジーンズとはの比率の方が多い気がする。

数えた訳じゃないからわからないが。

男みたいな女設定でいいだろう。

僕の身からしたら女として見らて接されるだけでも凄いダメージなんだ。

女装なんて真っ白な髪に当初長かった髪で選ばれた幼稚園の頃の劇の姫以来ーー姉さんは確か騎士だっけ。

俺が姉さんが傍にいれば何でもいいといったから自業自得なんだが、うん、姉さんの男装はむしろありだった。

男として女の姉さんに負けるのは悔しいが、実際しばらく女の子に囲まれてたっけ。

逆に劇が終わっても皆に衣装を何度も着せられていた俺はいい思い出なんてないが。

言っとくが好き好んでやる男はいないとは言わないし、そいつらは否定しない!

だが!僕は断じて違う!

「あら、残念です、ではまた後程手配しておきますね」

本当に残念そうにする姫様。

まるであの劇の時の光景の再現だ。

「な!」

今すぐにじゃないの!

暫くこのひらひらワンピースのまま。

「貴方の護衛の者が来ますので詳しいこの世界の事はその者にお聞きを、ではまた。イブ様」

「な、なんですかその呼び名!」

ちゃんと名乗ったじゃないですか――あぁ、男の名前だからですね。

そうですね、イブで反応できるのかな。

「イブ様ですから、それと男だとばれないようお願いいたします」

そういって背を向けた彼女に向かって声を掛ける。

「また後でいろいろ聞くから―——シルビアさん」

女王様とか——相手にイブ様呼ばれるのに変な感じ、実際僕の女王様ってわけじゃないんだからさん付けで許してもらおう。

「―—はい」

彼女が驚いた顔をしていたがすぐに笑顔に戻り出て行った。

やっぱりさん付けでもまずかったかな?

ま、いっか。




「失礼いたします、イブ様」

暫くしてからそんな声が掛かったと思ったら扉が開き長身で細身の男性?が入ってきた。

その髪は金髪に緑の瞳——そして

「―—エルフ?」

長いその特徴的な耳でついそう呟いていた。

「はい、わたくしエルフのCHIMERAでエリアスと申します。警備隊をしておりましたが本日付けでイブ様の護衛役を任じられました」

「え?その、細腕で?」

実際僕より少し太いってだけで細い。

「イブ様はご存知ないのですね、この世界のCHIMERAは通常よりも力に秀でていまして、イブ様が心配されているような失態は致しません」

成程人以外の遺伝子を持ってるから見た目に反して強いと。

「へえ、そうなの、―—ごめんなさいね馬鹿にしたわけではないの」

姉さんやちょっかいかけてきた女子の口調を頭の中で総動員して必死に女口調を心掛ける。

「いえ、私も妹にからかわれて同じような経験をしているので、気にしておりません。イブ様もこちらの服がお似合いで」

妹に細身な事をからかわれているらしいが、この僕の女装をほめるとは紳士だが、ばれてはいけないが複雑だ。

「いや、いいよお世辞にも似合ってないし、ズボンがすきなんです。格好はまた後で変えてもらえるからそれまで我慢してくれないかな?」

女装なんて目に毒だろう。

知らないとはいえ、結構てんぱってるんだけど。

「いえ、本当にお似合いですよ。ですがイブ様がそうお望みなら招致いたしました。」

本心から言ってた!

や、やめて―———————。

僕の男としての沽券がプライドが―——この数時間ですり減っていく。

これからもすり減り続けるだろう事を考えると嫌になってくる。




「それで、私はどうすればいいんです?」

シルビアさんはまだ帰ってこないし?

確かエリアスさんにこの世界の事を聞けと言われたけど。

「はい、まずはこちら身分証を」

そういってエリアスが僕に差し出したのは真っ白なカードだった。

「は?カード?」

 つい受け取ってしまうが――。

 何も書かれていない?

しかしそのカードにいつの間にか現れた光達が数匹入ったと思うと僕の名前が表示された。

「はい、これは光達を利用した身分証で神様やごく一部の愛されたものにしか起動できない身分証です。

心界の光たちを利用した施設を使え、もう少しこの世界を知ってからになりますが、エレベーターをお使いになられます」

「は、エレベーター?」

「ここは王城といわれる神の血が強いものしか過ごせない心界に守られた塔兼王城なのです。」

 塔――そっかここは塔の中なのか。

「最上階にはイブ様が召喚された召喚台があります。この世界で最も宇宙の手前まで行った建造物で、実際召喚台は宇宙空間にあると噂されておりますし」

実際に召喚台を見えるのは召喚主のシルビアさんと血の濃い者たち選ばれた少数のみで自分達は見たことはないそうだ。

「ああ、あの星空が見えた――宇宙空間だったのか」

惜しい事したなーーま、あの時はそんな余裕なかったし。

「はい、あの場所は召喚時に限られたものしか入れません、儀式のとき以外は宇宙空間まで光たちは来てくれませんので、真空ではイブ様やアダム様であろうと無事ではすみませんので召喚されてそのまま亡くなられては元も子もありませんから」

さらっと恐ろしい事を言うエリアスさん。

「で、ですよね、今まで死人は――出たことあるの?」

「いえ、現在の召喚式での失敗はないですよ、皆さま召喚され歓迎をうけたのちメモリーを置いて帰られました」

「そ、それを聞いてほっとした。で、ここは?とても広いのだけど?」

実際姫様、シルビアさんの部屋とか思ったけどどうやら違うみたいだし。

「はいここは塔の上層部にあたる階のイブ様専用の階の寝室部屋でございます」

「は、階、私専用の部屋じゃない、階?」

「はいこの塔の上層部の王家の区間に用意された代々のイブ様が過ごされる階です」

「―—ハイテク世界に神扱い——はあ」

急にこんな場所に呼ばれて皆混乱したんだろうな?

大金持ちってわけじゃないけどそれなりの場所に住んでた僕でも気おくれする。

むしろ部屋の端で丸まりたい衝動に駆られているが何とか踏みとどまる。

気が可笑しくなったとは思われたくない。

異世界に呼ばれてこんな思考を残してる僕は大物だろうか?

「イブ様?」

「いや、私がいた世界じゃこんな広い部屋に住んでたことないから」

実際、今まで学校近くのマンションに姉さんと暮らしてたけど。

こんなに高くない普通のマンションで一室だし、階全部じゃないから。

「そうですか、でしたら存分におくつろぎを」

「はい、そうさせてもらいますですが―『ぐぅ―——』―っつ!」

そういえば何時から食べてないんだろう、おなかがなってしまう。

「すみません、気が利かず、まず食事に話はゆっくりと」

「はい、お願いします」

 は、恥ずかしい!

「はい、ですが今日はまだお体が本調子ではないでしょうから?今日は食事をとりながら最低限の説明を」

「あぁ、そうですね」

そういえば僕気絶して寝てたんだった。

少しだるい気がするけどおなかすいたから大丈夫だろう。

おなかがすくのは健康の証拠っていうし。

「では、一度部屋を出ましょうここは寝室部屋ですので」

「あ、はい」

出るって、こんなに広いのにまだ部屋があるフラグが建てられる、ま、イブ専用の階って言ってたし。

 エリアスの開いてくれた扉を潜るとまぶしい光に充てられるが自分以外の影がいくつも動いている。

出た先には真っ赤な絨毯が敷かれ、左右円形に続く廊下に感覚を開けて鎮座するいくつかの扉。

円形だから続いているだろうが、僕だけにこの階全部って――いらない。

部屋を変えてもらおう。

実際落ち着かないし——でも、無理なんだろうな?

イブ専用の代々の部屋だし。

はあ、憂鬱。

そして目が慣れてガラス張りの窓に近づくとさっき見えた影が何か分かったが———?

いったいあれは?

「―——は?人が空を、それになんだか小さな小人?」

翼をもった多様な姿の人たちが僕が見つめるガラスの外側を飛んでいる。

「彼らは天使や悪魔など翼をもつ原種のCHIMERAと精霊のCHIMERA達ですね。イブ様を見ようと上がってきたのでしょう」

成程、翼がある天使とか、悪魔——。

いるんだ、流石ファンタジーのある異世界。

つい疑って隠れて頬ををつまんだが痛かった。

夢じゃないようだ。

「た、高!」

つい彼らが上ってきた下をみると—————。

遥か下の方に雲?

雲の間から見える町も米粒以下だ。

どれだけ高い場所にいるんだ。

——―—こ、高所恐怖症なんだぞ!

こんなに高いとそうでもないけどーー怖いものは怖いんだよ!

「彼らもかなり無理してるようですね」

怖くて目線を目の前の彼らに戻すとエリアスが心配そうにつぶやいた。

「え、あ、ほんとだ笑ってるけどなんか動きが鈍いし顔色が――。」

そんな無理して僕を見に?

やっぱりイブってこの世界ではとっても重要な存在なんだな。

なのに僕でごめん、でも姉さんはだめだ。

「笑いかけてあげてください、そうすれば満足するでしょう」

「―—な————はは」

 自分も怖いが必死にこっちを見つめながら飛ぶ彼らに笑顔で手を振りながら答えるが引きつってるのがわかる。

「暫く窓はあちらからもこちらから見えないように致しましょう」

そういうとガラスが黒く染まり見えなくなった。

——ほ。

正直ほっとした。

「――高い場所はお嫌いですか」

 そんな様子に気付いたエリアスが気遣って声を掛けてくれた。

「はい、ごめんなさい」

見えないとか絶叫マシンとかはいいんだけど、観覧車や高層ビルのガラス張り床やエレベーターなんて論外だ。

それくらい高い場所がダメなんだ。

「いえ、イブ様の世界にはここまで高い場所はないときいてますし、怖いものは怖いですから」

「そ、そういってくれると助かります、それにしても翼があるにしてもこんなに高くまですごいですね」

自分の世界では雲の上は気温も極寒で空気も薄い筈、この世界はどうか知らないけど。

「結構無理してたみたいですが大丈夫ですよ、CHIMERAは丈夫で彼らは貴族でイブ様に微笑んでもらえたのですから」

「え、私?」

あんな引きつった笑顔に何かご利益があるのだろうか?


エリアスが引いた扉の中には大きめのテーブルと入口近くに画面のある機械が設置されていた。

「こちらがお食事の場です、この機械にカードを読み込んでいただきお望みの食事にタッチして頂ければ」

 エリアスさんが言った機械のパネルにカードをかざすとたくさんのメニューが表示される。

僕に合わせて日本表記になっているようだ。

ちなみに周りからは見えないようになっているらしい。

イブの情報は最高機密らしいから、それに今回は僕って特例が来ちゃったからなおさらだろうけど。

「わ!焼き魚定食だ!」

ついそのボタンをタッチしてしまうが次の瞬間にはテーブルに焼き魚定食がいい匂いを放ちながら鎮座していた。

僅かに光が見えたような、あの光って万能なんだ。

むしろどこから湧いて出るんだ?

「―—リューリヤの昔のメニューですね」

エリアスさんが僕の椅子を引きながら問いかける。

「リューリヤ?」

ここはラーシアだったはず、聞き覚えがない。

「はい海に囲まれた小さな島国で今はドラゴンの血筋が納めています」

島国、まさに日本みたいだな、並行世界って言ってたから以外に接点が多いのかもしれない。

ん?——今オタク心をくすぶる単語が!

「なに!この国にはドラゴンが!」

ドラゴンは男にとってあこがれ、僕だって男の端くれだ、会ってみたい!

「は、はい、もうしばらくして落ち着いたらリューリヤやほかの国からも使者が訪れるはずです」

「使者?」

「はい、この国以外に心界の核の劣化版といいますか規模の小さい心界を持つ国の使者たちです」

成程、ここの本物よりは質は落ちるけど同じような心界を持つ国の人たちが来ると。

ってことは?

「その人たちが来るのは核を貰うため?」

「その通りです。使者がその国ごとに核を持ち帰る使命を帯びていますし、祝いに来るのが習わしなので、帰還までには見えるはずですよ、ドラゴン以外の種族にもCHIMERAですが」

「そうか、流石異世界!」

何でエリアスがCHIMERAを強調したのかは分からないが楽しみだな。

姉さんに話す自慢話が増えるにこしたことはない。

あんな別れ方したけど一年もすれば落ち着いて――。

よそう、考えても帰れないんだ。

あっちなら安全なんだから。

「―——」

それにしても―——。

「なあ、エリアスさんも一緒に食べませんか?」

異世界の様々な者たちに会えるとテンションが上がったものの僕が食べてる間も傍に立って黙っているエリアスさん。

たまらず一緒に食べないかと誘うのだが。

「はいわたくしは護衛でイブ様は神、ご一緒の食卓など許されません」

「―—あ、そうなんですね」

 神って変な気分だ。

「それとイブ様、わたくしにさん付けなど不要ですエリアスとお呼びください」

「―—あ、はいエ、エリアス」

自身より年上の人を呼び捨て、なかなかできない経験——ちょっと偉くなった気分?

実際偉いんだろうけど。



———だけど——。

異世界初の食事のお決まりサバイバルのおいしくない肉とか変なキノコは回避できたが、なんだろうこの感じ。

―——おいしいけど―——。

『翔!今日は肉じゃがよ!』『いただきます』

そっか――。

姉さんとずっと食べてて、一人なんてなかったからかなこんなに寂しく感じるのは。

やばい、もう帰りたい、帰れないのに――。

姉さん、ちゃんと生きて————待ってて。

暫く帰れないけど絶対帰るから。

読んで下さりありがとうございます。

物語を進めるのは難しいです、

でも舞奈達の物語を少しでも伝えていけたらうれしいです。

また気長によろしくお願いします。

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