表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/60

三話 私は舞奈

今年最後のアップです。

視点が変わっただけのものですがよければどうぞ。

――うん、悲鳴に近い大きな声を上げたのは私が悪かったけどさ。

流石に私にはそんなファンタジーに免疫ないのよ?

翔は隠れオタクでこんな現実目の前にしたら発狂ものでオタクパワー全開で楽しむだろうけどさ。

私にはそんな免疫ないんだって、だからあの悲鳴は許してよね。

それに今は―——。

『あちゃ~』なんておどけた声を出して何かの果実を握りつぶしてべちゃべちゃなその腕を湖で洗うドラゴンを見て変に人間味のあるドラゴンもいるもんだと何かずれた事を考えていたりする。

 多分私のためにとってきてくれたのだろう、本当に悪い事をしたなと自己嫌悪も並行している。

自分の置かれた状態の訳の分からなさに私の頭をオーバーヒートさせて真っ白になったからこその思考だけど。

この状況でまともな神経ではいられるわけがない。

そんな自身の頭の中で必死に状況を整理している時ドラゴンが私の目と鼻の先に顔を下す。

一歩引いてしまうがさして気にせずに口を開く。

「私の姿可笑しいか」

ずっと黙っていた私を心配そうに声を掛けてくれたのはいいが、ドラゴンの姿が可笑しい?

えぇ、実物に初めて会いましたから、それに黙ってたのは考え込んでただけで。

や、普通なら逃げ出すのか、でも襲ってくる感じはないし。

私もかなり抜けてるのか、なんだか気まずくなってきた。

「あ、いえ、えっと」

自分でも不自然なくらい目を泳がせ意味のない言葉を発する。

いったいどう答えたらいいんだろう。

「焦らなくていい、それともやっぱりこの姿だと話しずらいかい?」

答えない私を落ち着かせるようにその姿からは到底思えない優しい澄んだ声のドラゴン。

少し私から離れたと思うと突然ドラゴンを光が包む。

光が消えた場所には翔のような白く私よりは短い髪に灰色の目をした女の子がいた。

「え?」

「これならいいかな?君に合わせて――」

そういい服の皺などを確認しながら再度今度は歩いて私の前までくる。

この際服は何時の間にとか野暮なことは気にしないわ―——だけど!

「ひ、人にもなれるの?」

さっきまでドラゴンだったじゃない?

「当たり前だろ!私はCHIMERAの中でも原種に近いといえど神の血がはいってるもん」

顔を若干しかめてからそう胸を張っていう彼女?

言動がちょっと男の子っぽいけど私っていってるし。

にしても神って?

「神?え、でもその姿人でしょ?」

髪の色とか見た目とか珍しいけど翔みたいな感じだし。

人そのものじゃない。

「君、貴族だからって神様を人扱いはだめだよ?」

呆れたように私をたしなめるようにいい聞かせてくる。

同い年ぐらいだろうにこの上から目線、なんか釈然としない。

「は?だって人は人でしょう?」

それ以外に何と言えと神?

神と人は別物だろう。

「——君、頭大丈夫?」

それはこっちのセリフだって。

「な!失礼な!これでも成績は悪く、っつ!」

急に動いたからか胸が苦しく痛む。

唐突すぎてその場にうずくまってしまう。

「お、おい!」

慌てて私を支えてくれるが私はそっと距離を置く。

「だ、大丈夫よ、いつもの発作だもの」

 状況が状況なだけに忘れてただけで、これが私の当たり前なんだから。

「そうか?なら君はどうして世界樹に?光の中から突然出てきて」

光はあの時の光だろう、そしてこの木は世界樹っていうらしい。

「へぇこのでっかい樹世界樹っていうの」

確かに大きく壮大で世界樹というのにふさわしいだろう。

こんなのアマゾンでもないだろう。

とても大きい。

私が横になってた根も大きく硬いようでしっかりと呼吸していた。

「―—————」

意識を大樹から彼女に戻すとじっと黙って灰色の瞳が私を見ていた。

「な、なに?」

「君、やっぱり変」

「ちょ、私にしてみたら人を神とか、ドラゴンから人の姿になる貴女のほうが変よ!」

本当にさっきからこっそり足を強めに踏んだり後ろ手につねってみたりしたけど、痛いし。

極め付けにはさっきの発作の痛みと苦しみ。

否応なくここが現実だと肯定している。

「やっぱり君変だ、この世界はCHIMERAの世界でそれを生み出した人は神様なんだよ、もう絶滅してしまったみたいだけど」

さっきから何度目だ変だと言われたの。

一生分言われたんじゃないこれ。

って!待って!

「まって!今なんて、キメラ?人が生みの親で絶滅したって?」

キメラってあの?って私も詳しくないけど。

でも人のような姿ではなかった気がするし。

それに生みの親でもう絶滅してるっていないって事よね?

まって、私が居た場所は人だらけだったし!

ドラゴンなんていなかった。

それに、それに――数え始めたらきりがない。

「そうだよ?さっきからそういって」

「ね、ここは何処なの?キメラって、何なの!」

「ここはドラゴン族が取り仕切るリューリヤって島国の下界にある世界樹だよ、CHIMERAは人が―—神様が生み出した存在さ」

「———あそこに見えるのは?」

まずあんな雲の上まで伸びてる建物あんなの私が居た場所になかった。

変な光の壁みたいのもあるし。

「は、君がいた場所だろ?心界すら忘れたの?それにあれは神殿、神だけが入ることを許された場所だよ」

私が居た場所?

違うわよ、私が居たのは学校の校門の近く。

あんな建物がある場所じゃないし。

もしかして私別の場所に来たの?

自分でも呆れるくらい遅い発想である。

「う、知らないわよ、多分私まったく別のところから来たんだもの、むしろ夢だと思うくらいだわーーっつ!い、いはい――何するのよ!」

夢だったらどれだけ込んだ夢よ。

そう物思いにふけっていたのに突然頬を抓られる。

「痛いなら夢じゃないだろ?」

「な、た、確かにそうだけど」

覚ましてくれるのはいいけど、結構いたかったわ。

「そんなことよりいつまでここにいるんだ?」

そんな事言われても―——どう来たか光はいないし。

「さあ」

そういうしかない、何も分からないのだから。

そういうと彼女は頭を抱え深いため息をつく。

そんなに呆れなくてもよくない?

「はあ、送ってやる、丁度行くつもりだったんだ」

「え?どこに?」

送ってくれるのはいいけど多分学校じゃないだろうし?

「心界の中、お前どう見ても貴族だろう?その服だって上質だ」

そうさっき神殿って言ってたあの建物の方を指す。

多分下には町でもあるのだろう。

「え、制服だけど」

当たり前だろうと何をそんなに不思議そうにするのだろうと首をかしげる。

制服だから材質も上部なようにできてるし私立だったから結構な額の仕立てだけど。

彼女の服は質素な服だけど、うん、確かに上質だというわけかな。

あえて彼女の服装には何も言うまい。

「制服?ほら、行くぞ――と、君、翼ないよな」

あ、問い詰めるのやめて話区切って話題変えたわ。

面倒になったな。

「ないわよ、それに君じゃないわ!舞奈よ鏡 舞奈」

何時までも君って変な感じだわ。

「かがみまいな?変な名前だな?」

繰り返していう彼女だが、たどたどしい。

「鏡は苗字よ舞奈が名前、あ、苗字は家名の事よ」

「そうか、私は――——ドラゴンの名無しだ」

 彼女が名乗ったのはけして名前と思えないものだった。

「へ、何よその名前?」

「私に名前なんてない」

「え?」

名前がないってどういう事?

ドラゴンでも人になれるならあるでしょう?

ねえ、どうして――。

「ほら、行くぞ」

「きゃ!」

問い返す暇なく私の腕を彼女がつかみ光ったと思えば上に引っ張られる感覚と浮遊感が私を襲う。

目を開けるころには私の目の前は空と下には湖。

空を彼女のドラゴンの姿の腕に腰抱えられるようにして手足はぶら下がっていた。

「ね!」

風を切り飛んでるさなかにかなり大きな声で彼女に語り掛けてみる。

「飛んでるときに話しかけるな、落とすぞ」

一言で切られた、確かに落とされたら困るし、舌嚙みそうだけど。

何で彼女はあんなに悲しそうな顔をしたの、今も泣きそうな顔をして何に耐えてるの?

どうして?わからない事だらけだ。

だけど私はこの後その訳を嫌でも知ることになる。

「———どうして?————あ、ヤバいかも――」

―————。

―――――———。

あ、無理っぽい。

―———うぷ―——お、降ろして。



読んで下さりありがとうございます。また来年のろのろで誤字脱字が多い東華ですがよろしくお願いいたします。

ではよいお年を。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ