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一話 姉さん追いかけて——星?

か、かけた、ストックなしの思いつきなので不定期です。

『ごめんね、バイバイ』

光に包まれ消えていく姉さんを僕は茫然と見ていた。

弾かれ拒絶された手を差し伸べても姉さんは背を向ける。

何度叫んでも振り返ってくれない。

ただ僕は姉さんの中の僕の命が尽きるまで一緒にいたかった。

傍で守っていたかった、姉さんがくれた命を姉さんのために使って何が悪いの?

姉さん――姉さんが消えるというのなら――僕の中の姉さんの命も一緒に。

「僕も消える、一緒に」

『消失召喚の条件に一致召喚します』

僕の言葉をきっかけに僕の胸に集まってきた光が僕を連れて行く。

何処に?

姉さん?どうして僕を置いていくの?

もう少しで触れる――傍に行けるはずだった――だけど。

『召喚の不備――一人の召喚に対して二人の質量――一人の質量のみ変換――心の持ち主を召喚主のもとに』

あの機械の声が姉さんの光を一層光らせ僕の視界を阻むと――姉さんが消えていた。

いや、そうじゃない―景色が――星空?どこかのビルの上なのか?。

「星?姉さん――「ようこそお越しくださいました女神様」え?」

白銀の髪に真っ赤な瞳の女性とその後ろに何人もの僕の知る世界の西洋のような服装に身を包む人達?

その見た目はみんな違う。

髪の色もなんだろう人なのに人じゃない感じ。

「あ、えっと?女神?あの僕、男ですけど?」

言葉が通じているなら僕は男で女神ってのはおかしい?

「そんなはず――え?」

銀髪の女性は首をかしげるが僕の体を一通りみるとその瞳を驚きで見開いた。

「如何いう事です、召喚士!!」

声を荒げる、さっきまでのおしとやかさは微塵も感じない。

やっぱり女は裏があって嫌だ、姉さん以外――姉さん。

「姉さん――どこに行ったんだよ」

「お姉さん?ですか?」

言い合いを中断して僕の言葉に反応する彼女。

「あ、はい、さっきまで一緒に光に」

「光とはこの召喚光の」

彼女の周りに数匹さっきの大群ではないけれど光の粒が現れる。

「そう!それです!」

「この子たちは召喚光、神様をお連れする召喚術式です」

「召喚?じゃあ姉さんも?」

「いえ、召喚は一人と決まっています、今までも一人以上召喚されたことはありません」

「じゃ、傍にいた姉さんは!」

確かにさっきまで傍にいた、なら傍にいないのはおかしい。

「おそらく間違えて傍にいた貴方を召喚してしまったのでしょう、召喚は女神一人ですから」

一人しか召喚できない、で、僕がここにいるってことは姉さんは召喚されてない?

って?

「は?人?女神?姉さんは普通の人ですが?」

もちろん僕も人外じゃないし、それに姉さんも女神のような人ではあるが。

「はい、この世界では人は何百年もの昔に絶滅した私達キメラの生みの親です、なので私達にとっては神なのです」

「は?」」

要約するとこの世界ヒューシンはある時期までは人やほかの種族が世界を支配していた。人は技術で魔術や自身達よりも強い生物にも負けず発展していった。

だけどある時から人は子供を授からなくなりどんどん人の人口も減り人はある技術に手を出した。

それは人の遺伝子の中にほかの種族の遺伝子を混ぜ込む技術。『CHIMERA』である。

その技術で人の人口も増えたがCHIMERAは人より強いため返発もあるそれを危惧していた技術者は純粋な人を守るため『心界』といわれる人の血の強いものしか立ち入れない空間を生み出す技術を生み出した。

しかし純粋な人はどんどん数を減らしていった。

最後には純粋な人は絶滅し世界から消えた、その発展しすぎた技術だけ残して。

「その技術――心界には純粋な人のデータが必要で時たま召喚技術でこの世界に人を呼ぶと?」

「はい、その通りです、その技術も頻繁に使えないうえ、呼べるのは一人なので」

僕が召喚されている事態でもう一人、姉さんが召喚されるはずがないと。

「それじゃ、姉さんは?」

「おそらく元いた場所に」

その言葉を聞いて安心したがやっぱり!

「だったら、早く返せ!姉さんは僕が居なきゃ」

僕以外家族はいない、遺産はあるがあの体じゃ!

「し、しかしまだおもてなしをしていませんし!」

「は?もてなし?」

「私達の都合で来ていただいたのに何もお礼も歓迎もせずに返せば」

ああ、慰謝料みたいなものね、だけどそんなのどうでもいいから!

「そんなのいいから早く返せ!僕は正真正銘男で女神じゃなかったんだろう!」

「わ、わかりました――召喚士返還を」

僕の必死な形相に慌てるように控えている技術者っぽい白衣の人たちが前に出て何かを始める。

「しかし、シルビア様!」

そんな中で彼女を止めようとするお偉いそうな人達。

しかしそんな言葉に彼女は僕に背を向け堂々と発言する。

「今回は女神イブの核が必要なのです、アダムではありません」

「わ、わかりました」

アダムは男性で必要なのがイブ、女性ってわけな。

「すみません、あの男で召喚されて、でも姉さんを召喚されるのを止められたなら良かったのかもしれません。」

「いえ、いいのです、それにしてもとても大切なのですねお姉さまの事」

「はい、僕の全てです」

姉さんは僕の中でのすべてで自身そのものだから。

「————」

だけど目の前の彼女はとても悲しそうに僕をただ見つめる。

真っ赤な瞳に僕の真っ白な髪に色素の薄い瞳を映しこんで。

「如何しました?」

何も言わないのに不安になり問いかけてみる。

「いえ、とても純粋で――壊れているのだなと」

間をおいて彼女が言ったのは姉さんの言葉と同じ言葉。

「--え?」

如何いう意味なのか問い返そうとするけれど。

作業をしていた人々からの声によって遮られてしまう。

「シルビア様!大変です」

「如何した?」

「返還の術式が――光達が拒否しています」

『不足――不足』

「何が不足している?」

「わかりません、今までこんな事、それに我らは使い方はわかっても仕組みはわからないのです」

「あ、あのどうしたんです?」

何だろう雲行きが怪しい?

「申し訳ありません、しばらく滞在してもらうことに」

「は!」

「我らCHIMERAは人の技術と定期的な補給法のみ伝承されてまして、その」

人の技術は人でしか操れないと、でも使えるから使ってたがこんな不備は初めてと―ー無責任な。

「帰れないのか?」

早く姉さんに会って、謝って誤解を解かないといけないのに!

「いえ、返します!必ず!」

必死な謝罪と元の場所帰すという彼女が僕の手を取る。

『絶対に離れたりしないから』

姉さん以外との久しぶりの接触で僕の中であの笑顔と拒絶がよみがえる。

「っつ!触るな!——僕は早く姉さんに――あれ?」

彼女の腕を離したと同時に何か体から力が抜けていく。

ダメだ、意識が保てない、早く、こんなことしてる場合じゃないのに。

「な!神様!——」

『バイバイ』

なあ、僕は姉さんと一緒がいいんだ――なのに何でおいてくんだよ。

皆、置いていくんだ?

僕は何か悪い事したのか?だったら教えてくれ!

傍にいてくれ――。



「ね、さん——いなく――ないで」

突然倒れた彼は意識がないのにお姉さまの事望んでる。

「神様、貴方は壊れているのですね」

私と違うけど、壊れた心、ごめんなさい、そんな貴方を呼び寄せて。

だけど無事に—―——きっと。 

「シルビア様、その神様は如何致しましょう?」

「返還の儀ができるまで滞在して頂く、それに歓迎していなかったのが原因かもしれないしね」

「は、仰せのままに」

 そういって皆が下がっていく。

 久しぶりの召喚、皆の期待に応えられずすまないが、これもまた運命なのだろう。

だけど今は、どうか。

「帰るまでに、貴方の壊れた心が戻るように――貴方はイブではなくアダムなのだから、間違いなのだから」


そんな美しい美女の膝枕を堪能している翔とは別にこちらはこちらで混乱状態だった。

「さて、ここは何処なのかしら?——ね?光さん達?っていないし」

さっきまで弟と喧嘩して光に包まれ意識を失って――目が覚めたら?

湖の中心にある大樹の根に寝てるって?

そっか、これ夢か?

だって周りは自然なのにかなり遠いけど都会っぽい建物も見えるし――。

こんな自然、私達がいた世界にはないし、あんな建物もこんな遠くから見えるくらいだから相当高いはずだし。

にしてもここ、それにこのマント?

起きた私が動いたとき一緒に落ちた真っ黒なマント。

「誰かがいたってことだよね?」

そうあたりを見渡すと遠くから何かがこっちに向かってくる。

空を飛んでるから鳥?

———や、待て!なんかでかい!

「な!ど!ドラゴン!」

私の目の前を起用に飛ぶ真っ白なドラゴン。思ったより大きくはないがだけどでかいものはでかい!

人三人分の高さは余裕であるし翼でもっと大きく感じる。

「あ、起きた?」

 巨体だから大きいと思ったがそんなに声は大きくない?

調整してくれてるのかな?

「しゃ、」

「ん?」

起用に首をかしげる姿もドラゴンというより人のようだ。

ってそんな事よりも!

「しゃべった―――――」

それが私と異世界の住人『CHIMERA』との最初の邂逅だった。

はい、願望出しまくり、続きはのろのろ書いてきます。

気長にお待ちください。

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