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盈―ミチル―  作者: 鷹真
5/18

つぶやき‐壱‐

ジジッ、ジジッ・・。

湿った芯から、音を漏らしながら蝋燭の火が、揺らめく。

蝋燭以外に光源のない室内は、どんよりと暗い。

灯りが届かない暗闇は、闇よりももっと質量のある漆黒が犇めいていた。

啾々。啾々。啾々。啾々。啾々。啾々。

寒気のする哭き聲が、谺する。

小さくなり、また大きくなりを繰り返し、それが掠れたかと思うと、耳を塞ぎたくなる哄笑が嘲笑う。


不意に聲が止んだ。

闇は、痛いぐらいの静寂に沈む。

「ははは。まだだよ。

まだ、始まったばかりだ。」

この空間には不似合いな、生ける者の声。

生ある者で、この呟きを聞く者は無かったが、その声は不快な響きをしていた。


―――始まったばかりだよ。

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