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とある公園。

  時は午前2時ちょっと過ぎ....


 ここは、とある小さな町にある小さな公園


 小さな公園にはいつ消えてもおかしくないような気休めの外灯が自分の周囲だけをぼんやりと照らしているだけで、公園内はまるで時間が止まってしまったかのようだ。


 月明かりでの若干の明暗で推測するに、どうやらここにはろくに遊具も無いようだ。

 最低限どこの公園にもありそうな、ブランコやシーソーの影すらも見えない。ただ、ちいさくぽっかりと広場があるだけの公園である。


 もしかしたら、この公園は時間が止まってしまったようではなく、本当に既に時間が止まってしまった公園なのかもしれない。








  コツッ......コツッ.......コツッ..............


 突然、足音が聞こえてきた。


  コツッ......コツッ.......コツッ..............


 時間が止まってしまっていた公園に響く足音。それは、真夜中と言うのに妙に軽く弾んだものだった。


  ..チリンッ............


 公園内を足音が満たしつつあった中、小さな鈴の音が聞こえた。すると、さっきまで聞こえていた足音がピタリと止んだ。微かな明暗はあるものの、暗闇の中で一つの人影が丁度公園の中央付近で立ち止まった。すると、


  ..チリンッ............

  ザリッ!......


  先ほどの小さな鈴の音が聞こえた瞬間、人影は勢いよく足を踏みしめた。そして、ある方向に向かって駆け出した。



 「....ふぅ~.................」


 軽い溜め息の後に、人影はクスリと小さく笑い


 「やっと、見つけた」


 人影はポツリとそう呟くと、何事もなかったかのようにその公園を後にした。



  暗闇の中に聞こえた足音には、不思議としっかりとしたものがあり堂々としたそれは徐々に公園からは聞こえなくなっていった。




 残ったのは、再び静けさを取り戻した公園と、とうとう消えてしまった外灯と、そんな彼等をぼんやり写した月明かりだけだった......


 

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