女とホスト
(まずは格闘技について聞き込み調査だな)
競技会場のあるモルスに行くか。
モルスはここからバスで1時間ほどの所にある町だ。
ゴーザス国で最も血が流れる危険地区としても有名である。
俺と同じ考えのやつも多いみたいで、バスの乗客のほとんどが今回の試験の受験者たちだった。
その中で、結構目立ったのが細身の体でモデルみたいにかわいい女だった。発育は...。そこまでよくない。まな板だ。
(残念。)
俺がじろじろ見すぎていたからか、その女が殺気を持った目でこちらを睨んできた。
(怒っても美人だな)
すると、隙間なく詰められているバスの中で、女が俺に近づこうと周りのゴリラみたいなやつらを押しのけた。
俺は、結構力があるんだなと感心していた。ゴリラたちは不満そうな顔をしていた。
そして、その女が目の前にきて怒り気味に話した。
「なあ、今私のことを女だと思っていただろう。私が男だということを見分けられないなんて、どれだけ目の質が悪いんだ。
呆れたよ、そんなんで半年後まで生き残れるのかな(笑)。」
(男かよ!!そりゃあまな板なわけだな。にしても、呆れるといわれると腹が立つ。)
「そんなに俺のことが弱そうに見えるなら、降りてから1試合してくれよ。」俺はそいつに試合を申し込んだ。
「いいけど、負けたら何してくれるんだ?」
「は?」
「だって、無償でする試合なんて何にも面白くないじゃないか」
(困った。俺は今なにも持っていない。)
「分かった。じゃあ、お前が勝ったら俺を半年間こき使ってくれていい。ただし、逆も同じだ!」
「ん~。まあ、いいよ。でも、君では私の駒図解にもなれないと思うけど、それでもいかい?(笑)」
(何っっっっっだこいつ!!!)
「なんか面白いこと話してんじゃん、俺も混ぜて☆」
横から、参加者と思われるホストみたいな男が入ってきた。
全身真っ白のスーツで、試合には向いてなさそうなブーツを履いてる。嗅いだことのない香水の匂いがほのかにする。
女野郎が言った。「いいですよ。この後試合をするのですが、その時に審判をお願いできますか?」
「何勝手に決めてんだよ!」と俺は怒ったが、ホスト野郎は「やったー☆」と喜んでいて、俺の話には聞く耳を持たなかった。
(また面倒なのが増えた。)
目的地に到着するまで、俺は女野郎から目を離さず、ぼっこぼこにするシミュレーションを何度もした。
ホスト野郎はずっと笑みを浮かべてこちらを見ている。
バスが止まり、ようやく目的地に着いた。
女野郎は、なれたように町に降りて簡易闘技施設に入った。
町の名前が「死」というだけあって、いたるところに似たような施設があり、どこもかしこも血が飛び散っている。人間だったものも、陰になるところに転がっていたりする。
(すごいな。地獄の調査に行く前に地獄に来たみたいだ。)
施設の中は意外にも整備されており、想像していたようなひどいものではなかった。
「さあ、始めようか。私は君を今後も使うつもりでいるから、再生不能にはしないつもりでいる。だから、勝ち負けは先に攻撃を入れたほうが勝利でいいか?」
「ああ、いいぜ」
「じゃあ、白いスーツの、審判を頼むよ」
「ああ☆俺はエリュー・バーツという。
白いスーツなんてダサい名前はやめてくれよ☆」
(さすがホスト(仮)。自己紹介の仕方がきらびやかでウザい)
「すまなかった。私はシュー・ファービットだ。よろしく」
「俺はジュジュ...よろしく。」
「よろしく。俺のことはエリューと呼んでくれ☆」
「私のことはシューでいい。さて、試合を始めようか。」
「ああ。」
「二人ともがんばれ☆」
俺たちは、リンクの上に上がった。
(まずはこいつを蹴散らす)




