表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界河原暮らし  作者: 大ジュンチャ
4/18

4

河原のジュンチャの修行は、常人には理解不能だった。


「オレ言う! 小石、10個ひろえ!」

「えっ……ええと、はい……」

「つぎ! 焼き芋、10本食え!」

「む、無理だよ!? そんなに食べたらお腹壊す!」

「大丈夫! オレ、20本食った!」

「基準おかしい!」


 さらに極めつけは――


「美味しいもん、10個言え!」

「えっ……パン、シチュー、ステーキ、アップルパイ……」

「もっと! もっと!」

「カレー、ローストチキン、プリン、チーズケーキ、ラーメン!」

「よし! 修行おわり!」

「終わり!?」


 まるで意味が分からない。

 だが、なぜかトムは確かに“何か”を掴みかけていた。

 体の奥で、熱のような、力のようなものが渦巻いている。


「……きた。これが、魔力……!」


 トムは両手を前に突き出す。

 全身の力を込め、イメージする。炎の揺らめき、燃え盛る火柱。


「火よ……出ろおおおおっ!!」


 ――ぷぅ。


 河原に虚しく響いたのは、腹の底から絞り出された小さな音。

 そして鼻を突く刺激臭。


「……屁……だと……?」


 立ち尽くすトム。

 河原のジュンチャは腹を抱えて笑い転げ、カッパのジュンチャは頭を抱えている。


「トム、すげー! 屁魔法!」

「いやいやいや! こんなもん魔法じゃない!!」

「でも出たでやんすよ、力が! ……方向性、ちょっと違ったでやんすけど」

「違いすぎるよぉぉぉ!!」


 こうして、トムの初めての魔法は――“屁魔法”として歴史に刻まれることとなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ