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異世界河原暮らし  作者: 大ジュンチャ
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河原の朝日が昇りきるころ、四人は出発の準備を整えていた。

向かう先は「薄暗い洞穴」と呼ばれる、町の外れにある初心者向けの小さなダンジョン。巨人との死闘を思えば拍子抜けするような場所だが、今度は仲間が増えた。試すにはちょうどいい。


街道を外れ、小川沿いの小道を歩いていると、サラがそっと口を開いた。

「……あの、皆さん。こうして一緒に行動することになったのですし、自己紹介をしておきませんか?」


彼女は昨日の乱痴気騒ぎが嘘のように清楚で、声も落ち着いていた。


「おおっ!じこしょうかい!いい!」

河原のジュンチャが嬉しそうに飛び跳ねた。


「では、わたしから……」サラは胸の前で両手を組み、少しだけ微笑んだ。

「私はサラと申します。僧侶の見習いで、まだ未熟ではありますが回復魔法を扱えます。皆さまのお役に立てるよう尽くしますので、どうかよろしくお願いいたします」


その丁寧さに、思わずトムは背筋を伸ばした。昨夜の暴走姿との落差がすさまじい。


「オレ、ジュンチャ。石ころ、すき」

河原のジュンチャは胸を張って答えた。

「オマエらも、石ひろうといい」


「でやんすでやんす、あっしはカッパのジュンチャでやんす。泳ぎと、きゅうりが得意でやんすよ。よろしくお願いするでやんす」

カッパのジュンチャは妙に自慢げに、背中の皿をぴかぴかに磨いて見せた。


「……俺はトム。冒険者だ。剣を使う」

短く答えたあと、トムは少し照れながら続けた。

「この河原で暮らすようになって、こいつらとは腐れ縁みたいなもんだ。……まあ、力になってくれると助かる」


サラは小さくうなずき、真剣な瞳でトムを見つめ返した。

「はい、全力を尽くします」


そのやりとりを聞いて、河原のジュンチャがにやりと笑った。

「オマエら、なかよし。いい。オレ、うれしい」


道は森の中へと続き、やがてぽっかりと口を開ける洞窟の入り口が見えてきた。

そこからは冷たい空気が漂い、内部は真っ暗で奥が見えない。


「ここが……薄暗い洞穴」トムが呟いた。

「初心者がよく挑むダンジョンだ。だが油断は禁物だぞ」


「こわい……でも、いく!」

河原のジュンチャは目を輝かせて前へ進もうとする。


「でやんすでやんす、今度こそ祭りじゃないでやんすよね……?」

カッパのジュンチャは腰を引きながらついていく。


サラは胸の前で祈りを捧げる仕草をし、静かに呟いた。

「光よ、道を照らしたまえ」


柔らかな光球が彼女の手のひらに生まれ、洞窟の暗闇をほのかに照らし出す。


トムは仲間たちを見回し、剣を握りしめた。

――今度こそ、きちんと準備して挑むんだ。

四人の影が、薄暗い洞穴の奥へと伸びていった。

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