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日々の始まり=悪夢の始まり(桐谷優サイド)

目が覚めるといつもの様に目覚めしを止め顔を洗う。今日は幼馴染で婚約者の小日向千夏の入学式だ。今日は一緒に行く約束をしていた為、待たされるわけにいかない。

千夏は子供の頃に怖い目にあっているから俺が行くしかない。

朝ご飯を簡単に作り食べて支度をする。

出ていくとばったり幼馴染で親友の林道新(りんどうすすむ)に会う。


「おう!おはよー、優。

今日は朝練ないから一緒に行っていいか?」


いつもの軽い調子で挨拶する。こんなやつだけど嫌いになれないな。幼馴染だからなのかこんな馬鹿でも色々とやってきたこれたからな‥‥


「かまわねよー‥‥と行っても今日千夏の所に通い始めるけど良い?」


「あー今日か。良いよー。

久しぶりに千夏とも話したいし。

君が大丈夫ならだけど‥‥」


「お前だからな…別に良いよ。

どうせ、千夏も話したいだろうしさ」


こいつは千夏が婚約者だって知っているから気を使うが要らん気遣いまでされそうだ。俺の理性も長く持たないだろうしな…

高校生活も色々と忙しく施設に帰る暇も無かったから久しぶりに会って可愛くなったあいつを見る事はできなかった。引越しの日、どうしても反応してしまって久々に夜に色々と飛んだ。


「オーケー。じぁ、行こうー?」


道すがら新と課題やら昨日の話題などを話しながら千夏のいる寮に着く。


「おーい千夏ー、支度できたかー?」


「ちなー、終わってるー?」


ドタバタと中から聞こえるがまだ返事はない。う少し時間あるけど余裕あった方良いよな。何かまだ終わってないなら手伝う事にしよう。


「千夏ー、上がるぞー」


千夏

「今、行くー」


そう言うとすぐに元気な声と足音が聞こえた。顔を見ると隈ができているけどもしかして眠れなかった?帰りに薬局かコンビニによらないと‥‥今日、生徒会あったけ?後で確認しないと。


「千夏、寝坊か?」


「目の下に隈ができているけどどうしたのー?

楽しみで眠れなかったー?」


聞くと千夏は少し嫌そう顔で言う。


千夏

「心配してくれてありがうとう、二人とも。ちょっと今日、嫌な夢を見ちゃって‥‥でも支度してるうちになんだかんだで忘れたから大丈夫」


少し隠す様に微笑んで言う。

あの"癖"まだ治ってないな‥‥昔と違ってショートに切られた紫色に染まる髪に目は淡い茶色を持ち泳がせている。

これ以上聞くと多分、千夏は誤魔化すだろうし‥‥と新に目をやると同じ事を考えたようで合図をする。


「いいけどー‥‥

何かあったら俺達に言ってねー」


千夏

「うん、ありがとう、新」


「まぁ、良いけど‥‥

お昼、どうするかはもう決めた?

俺達、普段は食堂で食べてるけど‥‥」


気分を変える為に話題を振ると千夏はあ~うんうんと言うしぐさをしながら言う。


千夏

「お弁当班に入ることにしたの。

今日のお弁当持ってきたから一緒に食べない?

先週のお礼も込めて今回は大盛りで豪華にしたから。

勿論、新も食べてくれるよね?」


横にひょこりと新の方に顔を出しながら言う。やはりどうやら元々好きなおかず作りを選んだようだ。元々いた時も乳母たちと混じってやっていたけど……そう言う言えば"あの後"からか・・・いや、まさか花修業じゃ……


「えーホントー?

食べる、食べる。やったー!

今日は何するか迷ってたけど

楽しみしてるね!」



千夏

「うん!」


うん、ないな。


「別に良いけど場所はどうする?

屋上と食堂はあるけど‥‥」


千夏

「食堂は人多い?

なら屋上が良いかも‥‥どう?」


食堂は良くないやつもいたから連れて行きたくないな‥‥

屋上は屋上で"女の子達が茶会"としているが……


「ここは人数が多いからな。

人が少ない場所なら屋上の方が良い。

確か‥‥変わってないなら一年生は

12時頃から12時45分まで

だから屋上で待ってて。

12時5分くらいが

俺達のクラスのお昼だから」


千夏

「分かった。

じゃ、二人を屋上で待ってるね」


それから他愛のない話をしながら入学式が行われる場所へ案内した。多く生徒が入る為3回も入学式が行われる。今日はその二日目だ。入ったときは流石に戸惑ったのは今でも覚えている。新は部活に置く物があるようで場を離れた。気を使ってるだか使ってないか分からない時もある。放課後には新の部活、サッカー部があるからだ…頭を悩ませながら教室へと入る。

前まで多くの女子が来ていたがいつの間にか空いた席に座るとすぐに先生が入り授業を始める。横には走ってきた新が来て呼吸を整えていた。マンモス高校だけに教室には45人と多く入ってる。ただ教室自体も大きめに作られているらしいからそれほど圧迫感は感じない。そしてすべてはデジタル化している為、黒板を見るような必要性もない。先人たち苦労したな…教室を初め、食堂、体育館、各文科教室、部活部屋用やグランドもある。意外と基本的には充実している学び場でもある。退屈な授業を聞き流しながら考えていく。すると時間がいつの間にお昼になった。

*文化教室は基本の音楽室、理科室、調理室、彫刻室などの総称


「お昼だー。優、行こ?!」


俺達のクラスのチャイムが鳴ると新はすぐ落ち着かない様子でそう言う。楽しみもあるだろけど‥‥よっぽど食堂の食事には飽きているようだ。そう‥‥そうなんだよな…マンモス高だからなのかレパートリーが少ない。A定食、B定食、麺とカレーも平日にいつも頼めば繰り返されているのが分かるのだ……そしてくる返されるパターンは魚に野菜と時々農家からの貰うトウモロコシ‥‥肉無し。

食事って…こんなにも必要重要だったんだな……無駄だと思うけどまた生徒会で提出案を出そう……


「走るなよ!新。もうすぐ大会もあるだろ」


…と新に言いつつも俺も少しまともな久しぶりの食事にワクワクしながら追いかける。その前に生徒会に寄らないと近くだし…大丈夫かな?


「新、先行っててくれ。後で行く」


「大丈夫だよ、待つから」


生徒会に入るとカレンダーを確認した。

良し、今日はないな。

確認すると生徒会室を出て行く。


「別に先に行ってて良かったに⋯」


「出し抜くみたいにやって後で恨まれたくないし、

それに一人で行ってもつまらないだろ」


ホントに……こう言うところがあるから憎むに憎めない‥‥


「ほら、行くぞ!」


「おう、待ってくれ!お肉ー!」


屋上に着くと早々に並べられた弁当箱の中には彩採りどりのおかずやおにぎりがあった。


「ちなー、来たよー」


「手伝うよ」


そう言うと……


千夏

「大丈夫だよ。今終わったばっかりだから。

それよりも食べて」


間に合わなかったか……だがしかし!


「飲み物も持ってきた。千夏はお茶だろ?

新はスポドリ」


「親友、サンキュー」


途中で自動販売機に寄った正解。

できる男はさりげないのだ。


千夏

「ありがとう、優。そう言えば忘れてたね……

優も食べてね。今回、自信作なんだからね?」


自信満々に笑い言うと可愛い。

どうやら頑張って来たようだ。


優「分かった。期待しておく」


そう言うと満面の笑顔を出してくる。

くっ⋯手よ、耐えろ。今じゃない。

誤魔化す為にテーブルに向かうと早々に口に運ぶ。うん、腕を上げたな。


千夏

「どう?味付けとかも少し変えたけど⋯」


こっちを見づけて言う。

今はやめてくれー。後で聞いてくれー


「…まぁ、腕は上げたな。悪くない」


千夏

「ふーん?まぁ、不味いと言われないだけマシだとしましょう」


毎回こんな感じだから困る。

新の方が見ると一瞬笑ってまた、食べ始めた。


「ほら、千夏もたべろ。

昼時間、無くなるぞー」


千夏

「食べてるよー」


べーと舌を出して言う…可愛い。あーあ…もうー。

千夏の馬鹿。可愛い所ここで見せるな!

それから他愛の話をした。

不思議と尽きないものだなぁ。

もうすぐ戻る時間になると……


「なぁ千夏、今日は一緒に帰らないか?」


千夏

「えっ?別に良いけど放課後、何も無いの?」


「今日は無いよ。じゃ校門で待っててくるれる?」


千夏

「分かった。新も一緒に帰る?」


「ごめん…ちな。

今日サッカー部の部活あるんだよねー!

大会も近いからなかなか帰る時はあんまり無いかも……」


新はシュンとした表情で言う……なかなかの演者だなぁ。新だってやればそこまで帰ることはできなくは無い。殆どの最後は自主練だしな。


千夏

「う〜ん、そっか!頑張ってね」


「ありがとう、ちな。

作ってくれたお弁当のおかげで100%行ける」


それは……ありそうだな。

部活やっているせいか最近は大食いタレントにも負けない。本人曰く少しは遠慮してると言っていたが……


千夏

「うん、それならよかった。

じゃ、また明日…かな?」


「うん、朝は優と一緒行くよ。

朝練の時は行けないけど……」


千夏

「じゃね。新また明日ね。優、また後でね」


と小走りに歩きながら言って教室へ戻って行く。


「……結局、どっち?」


気づいてはいたが……

真偽を気になった為、聞いてみたら……


「半々かな…俺たちもそろそろ戻ろ」


はぁ…この挟まれ様……どうすれば良いかなぁ……

教室へ戻ると丁度チャイム鳴る。その間の授業は言うまでもなくうわの空だった。

放課後、チャイムが鳴ると新は早々に荷物をまとめへ部活に行った。校門へ行くと千夏が待っていた。

なんだかそわそわしてる様な……?


「千夏、行こう。寄りたいところあるんだけど良い?」


千夏

「別に良いよ。どこに行くの?」


「着いてからの秘密だよ」


えー!と不満そうした顔でする千夏。それを見るとさっきまでのモヤモヤはすっかり消えていた。


「じゃあ、ヒント出そうかな……

今の千夏に今必要なものだよ」


千夏がうーんと考えながら店に着く。結局最後まで当てられなかったのが悔しかった様で今度は商品当てゲームになってしまった。正直、あの"事"が起きてからも好きになった訳じゃない。だが僕の為に段々と努力している姿を見ていたらいつの間に好きになっていた。好きにならなくてもあの"言葉"は守るつもりだったけどもう…今はこいつ無しじゃ考えらないんだよな。いつだっけ…中二の時かな……千夏の家族と話したのは……最初はもう猛反対していたけど説明したらどうやら家族も"あの事'知らなかったらしく…かなりショック受けていた。特に父親はそんな時にそばにいてやれなかった事。誓わせられたし、約束を守るように言われた。だから結婚まではしないのも約束のうち入る。これが結構やばい。最初の頃、普通に接していた時に気づいてそれから意識しないように頑張ってきた。そうこう思い出してるうちに目当ての商品を手に取り、会計を済ませ千夏に渡した。驚いた顔してすぐに笑顔なる。あの後は笑う事さえ無く…かなかなか笑顔を見せなかった。


「今日、千夏の部屋に少しいて良い?」


恥ずかしそう顔背けて言う。


千夏

「なんでよ…まだ片付いてないし」


「別に良いよ。久しぶりに千夏とイチャイチャいしたい、ダメ…?」


千夏

「ぅー……ちょっとだけ……ちょっとだけだよ」


「千夏、可愛い」


そう言うと顔を背ける。

まぁ拒否しても今日は逃す気はないけどね。

それから夜までイチャイチャした。

大満足。

重い愛……初めて書いたかも?

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